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感謝とお願い。

ulcloworks SADOBASEの立ち上げ本格稼働から二年がたちました。
クラファンを通して皆様にご協力いただいたおかげで予定計画に大狂いなくここまで来れたこと、心からお礼申し上げます。本当にありがとうございます。(縫製体験をお申し込みの方で未実施の方も有効期限はございませんのでお気軽にお声がけください)

さて、ulcloworks Inc.(アルクロワークス株式会社)は2016年5月より始まり、今年で9年目になります。
基幹事業であるOEMも本当にありがたいことに順調に推移しており、準じてSADOBASEの方も常に稼働状況にあります。
5周年の節目手前にSADOBASE構想を練りだし、紆余曲折ありながらもここまでこれたのも、ひとえに周囲の皆様のお力に他なりません。重ねて感謝の意をお伝えさせてください。ラヴ。

当業界において事業体を推進させることは容易ではなく、まずは10周年を無事に迎えることが目下直近の課題であり、まずは事業継続そのものが応援してくださった方々への恩返しになると思いますが、さらにその先の5年10年を見据えて、僕たちulcloworksが何をしていくか、改めて記しておきたいと思います。
相変わらずの乱筆で長文になります。お付き合いいただければ幸いです。


中間業者として

一時期盛んに言われたメーカー様方の工場直依頼ムーブメントが息を潜めつつある中、中間業者不要論は一旦の落ち着きを見せているように感じます。
中間ファブレスOEM事業者が乱立し、インターネットプラットフォーマーも台頭したかと思いきや、製造の中立ポジションはやはり一朝一夕に確立できるものではなく、ある程度の新陳代謝を繰り返し自然淘汰されながら残った業者に集中して仕事が集まっている印象です。

以前から自社ブログを通して中間業者としての意味合いを問うてきた傍ら、意識的に改善を繰り返している方々はしっかりと事業を拡大させているように思われます。
個人的にはなるべくしてなった今という感じで、ここから先はさらに残った者たちの闘いになるので、より一層の厳しさを増してくるかと想像します。
逆にいえば、今残っている中間業者はいろんな意味で強者揃いではないでしょうか。

コロナ禍を経ているので、短期的には資金力も改めてものを言うかなと。

服作りの現場は夢とキャッシュの二面性が強いというか、対応や品質を含め『良い』と思われる状態を維持しながら供給を繰り返しつつ、同条件で安価な選択肢がいつもその地位を脅かしてくる競合が現れやすいので、耐えながらも次の一手をしっかり打てる体力が必要になってきます。

対法人では出口としての数も限られている中で、今までは大手商社がそれほど意識していなかった規模の商売でも参入してきている現状がある以上、品質と対応に加えて、どこよりも安いところに案件が流れることは安易に想像できます。
インフレが加速してきた中でも、これらの安価な対抗勢力が膨大な資金力を背景に市場を取りにくるのはいつの時代も同じなので慌てても仕方ありません。
いくら腕自慢でテキスタイルや技術上の良品を作り続けていたとしても、その価値が市場で認められるかどうかは相手先次第というスタイルが変わらないところでは、このパワープレイを覆すことは難しいです。

とはいえ、諦めるのも早計で、小規模事業者でも勝てる領域は必ず存在します。その多くは手をかけてみれば大変面倒で、楽な道ではありません。でもいつだってそうだったじゃないですか。
効率的ではなく、多くの人たちが匙を投げるような先ほど、ファッション的に評価されて着実にファンを増やしているブランド様がいらっしゃいます。

楽をしたいがために安易に大口に勝負をかけると、そこは大資本の戦場だったなんてことは幾度となく経験しているはずです。
数は魅力です。リターンも少なくはないですが、ハイリスクです。当然こなすための手前資金も必要です。仮に一時期案件が取れたとしてもすぐに大手が巻き返してきます。その間に切り離す必要があろう丁寧に付き合ってきた既存顧客様を失ってしまえば、取り返しがつかないこともあります。

弊社としては、引き続き丁寧に、目の前のお客様と向き合い、横槍が入れば自分たちに足りなかったところを認め修正し、愚直に自力をつけながら機会をしっかりものにして、未来を明るいものにすべく、従来の創業理念に基づいて粛々と皆様に必要としていただけるように邁進していく所存です。

縫製工場として

SADOBASEの現状としては、先述の通り、OEM事業で受託した縫製製造が主な仕事になっております。もちろん立ち上げ当初の『綿花栽培から一気通貫の服作り』を目指し副題として服育施設設立の目的を失ったわけではなく、多方面に展開するためにも、現状の基幹事業を製造でサポートすることで体力をつけている過程にあります。

本当にありがたいことに、お取引先様の中にはSADOBASE指定にて縫製を依頼してくださる方々もいらっしゃいます。
また、外注先様ではなかなか生産に結びつかない内容の案件でも、自社内製で対応することで実生産に繋がり、感謝のお言葉も頂戴するようになってまいりました。

今後も東京の受注を増やしていく動きを続けながら、さらに対応力と馬力を上げるべく技術向上に努めてまいります。

地方事業者として

佐渡ヶ島という離島にて、かつては繊維産業(特に縫製業)は複数軒の工場がありました。現在も、表立って拡大路線をいく事業者様こそいらっしゃいませんが、親子で昔からのお付き合いで小さく継続されている方々もいらっしゃることがわかりました。

先日佐渡へ出張の際、その方々にお時間をいただき面会に伺いました。

お話を伺う限り、現在の受注先様は弊社のような中間業者様で、いわゆる「振り屋」さん。さらにその先にも中間業者様がいらっしゃるようで、俗に言う製造中間業者のミルフィーユ状態でした。
外とのコミュニケーションがあまりないため、職出しの不揃いに対する不満や品質の基準などの曖昧さに、今後の先行きを不安視されていました。
親子でやられている現場だったので、このままこの仕事を続けていくかどうかも悩んでいたタイミングだったらしく、今回の面会にて弊社と協力してお仕事をしていただけることになりました。

僕らとしても、現場に近いところで協力していただける先があるのは非常に心強いです。

また、綿花栽培でも隣接田畑の方々のお邪魔にならないよう、現地の和を乱さない方法で開墾栽培しております。

昨年秋には地元小学校様の要請により、社会科見学の受け入れも実施しました。

今後も佐渡市民の皆様に少しでもお役に立てるよう、僕らのできることで色々と画策しているところです。お楽しみに。

そしてこれから

さて前置きが長くなりましたが本題です。(長い

以上のことから要約すると、現状維持をするにも日々競合と切磋琢磨し、さらに発展を目指すので、より一層のエネルギーが必要になります。
正直言って現状の人手では、認めたくないですが年齢的なところも含めて結構キツイです。

僕一人で始めた頃は、周囲の方々のご助力にてなんとか船出をし、たくさん失敗を繰り返しながらも、心強い仲間にも恵まれて今ではulcloworks Inc.は会社として進み出した感があります。ようやくではありますが。

前職期間も含めると約20年間、この仕事を経験してきましたが、まだまだ未熟な面も多く、経営者としては言うまでもなくヒヨっ子です。

ただ間違いなく、会社は組織として成長過程にあり、期待してくださっているお客様や仕入れ先様、そして何より自分たちの可能性を信じているスタッフのみんながいます。
僕自身、もっと多くの仲間たちと見たい景色があります。


そこでみなさんにお願いがあります。

ulcloworks Inc.の仲間になってもらえませんか?
今回はSADOBASEのみではなく、東京でも仲間を募集します。


まだまだ安定飛行とはお世辞にも言えず、イケイケなスタートアップ様たちのようにいきなり好条件提示ができないかもしれません。棚上げするつもりはありません。ない袖は振れませんので。ただ、ある時は振れる袖もあります。事実、今残ってくれている仲間は毎年昇給しています。ただこれも、僕らの仕事がお客様に認めていただけた中で振り分けられる中に留まります。だから確約はできません。約束するにも、協力してくれる仲間の自助努力が必要です。弊社のウェブサイトを定点観測してくれている方ならお気づきかもしれませんが、中には色々な事情があって船を降りた方もいらっしゃいます。それぞれの人生です。押し付けるようなことはしません。
エサで釣るような見かけだけ良い会社を作り上げるつもりもないので、今ありのままお伝えしています。

一過性の収益を狙って爆発的な利益を生めるような業界構造ではありません。だからこそ、日々の丁寧な積み重ねによってできる周囲との信頼関係が強い土台となってきます。
時代の流行りではない産業です。故に残っている同業他社は先にも触れたように強者揃いで簡単に案件を取れる世界ではないことも知っておく必要があるかと思います。
世間的に見れば、飛び込んでくること自体、相当な逆張りだと言われることもあるでしょう。隣の芝は青いです。他に魅力的な仕事はいくらでもあることは承知の上です。
ネットで拾えるテクニカルな要素でハックできる世界ではありません。そもそもネットで拾える要素だけで簡単に勝てるならみんな勝ってます。近道系の情報はフェイクも多いのでそんなもの捨て置きましょう。僕らは僕らのやり方で粛々と積み上げていきます。

綺麗事で世の中を駆け抜けたいけれど、背に腹を変えられない現実も存在します。カッコよく華麗にやるにも、泥に塗れて磨き上げた経験がなければメッキは簡単に剥がれます。

ulcloworks Inc.にいま所属してくれているみんなは、まだ創業メンバーと言えるでしょう。そしてこれから仲間になってくれるであろう人たちもまた、立ち上げの原動力になってもらう必要があります。
部分最適にて、与えられた仕事で安定したいという方にはおすすめできません。その役割をお願いするにはまだ組織として未成熟です。

仲間になって欲しいとお願いしながらも、こんなこと言うのは逆効果かもしれません。それでも、条件が良いと思って入ったら違ったという齟齬が生まれるよりは、これらのことを分った上で仲間になろうと決意してくれた方を、僕らは望みます。
これをやりがい搾取と取られるならばそれもまた仕方のないことかもしれません。そう思う方に向けて言い訳はしません。その殻を破れない以上はその程度のものです。

ここまで書いて相当ハードルが上がっていることはわかってます。脅かすつもりはないですが、憧れは大事でも、憧れだけでは食えない世界はどの業界も同じです。
それでも話聞いてみようかなって方、すごいエネルギーをお持ちだとお見受けしますので、まずは会って話してみませんか。

DMとかめっちゃ勇気いると思いますが敢えてDMでも問題ありません。ただせっかくの勇気の腰を折るのもアレなので試しに応募フォームも置いておきます。下記リンクよりどしどしご応募ください。時間の許す限り、お会いしてお話できればと思います。
未来のulcloworks Inc.を背負って立つあなたに出会えることを楽しみにしております。

※佐渡勤務と東京勤務でフォームが違いますのでご注意ください。


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