【3分でわかる】『リテンションマーケティング』の重要性
最近のマーケティングトレンドに「リテンションマーケティング」という手法があります。
リテンションマーケティングとは、「既存顧客のリピート化や長期契約など、継続的に商品・サービスを購入してもらうこと」を目的したマーケティング施策を指します。
そもそもマーケティングの目的は、「新規顧客の獲得」と「既存顧客の継続利用」に分かれます。
リテンションマーケティングは「既存顧客の継続利用」に力を入れ、マーケティングをしていきます。
私自身、SaaS系のWebマーケティングを担当しているので、お客様との関係を構築して、長く商品・サービスを活用していただくことが目標となっています。
今回の記事では、リテンションマーケティングの概要から具体的な手法、活用事例・ツールについて解説します。
リテンションマーケティングの重要性
リテンションマーケティングの重要性は以下の通りです。
それでは詳しく見ていきます。
LTVアップにつながる
LTVとは、「Life Time Value」の略で「顧客生涯価値」と呼ばれており、お客様が商品やサービスを活用している期間にもたらす利益のことを指します。
LTVは、以下の公式で求められます。
LTVが伸びれば伸びるほど、会社への売上は継続的に伸びていきます。
LTVを伸ばす方法としては、後ほど具体的に説明しますが、例えば、メルマガでのナーチャリングがあります。
すでに会社の商品・サービスを購入したお客様に対して、メルマガで
「新商品発売しました!」
「割引キャンペーンやってます!」
などを訴求をすることで、お客さまのクロスセルを狙うのです。
お客様が気になっている商品・サービスに対して、マーケティング施策で訴求をすることでLTVを高めようとするのがリテンションマーケティング方法の1つです。
顧客の育成ができる
顧客の育成とは、自社に興味を持ってくれているお客様、もしくは過去に自社の商品・サービスを購入したけど、その後、購入や利用がないお客様に対してリテンションマーケティングを行う顧客育成方法です。
例えば、「あるツールに興味を持っているが、もっとその機能や利便性などが知りたい。でも自分で調べるのが面倒くさい…」というお客様に対して、
機能面や利便性がわかりやすくホワイトペーパーにまとめ、メルマガやSNSで発信するというように、お客様の知りたい情報を伝えることでお客様の購買意欲を高めます。
他にも、顧客育成のために、
などのリテンションマーケティング施策も考えられます。
お客様の興味を「興味なし→ちょっと興味あり→気になる→ほしい→購入・導入したい!」となれば、商品購入を実現することができます。
費用対効果がよくなる
リテンションマーケティングは「新規顧客獲得」の費用対効果が良くなります。
というのも、リテンションマーケティングの考え方で「1:5の法則」があり、コストを安く抑えることができるからですね。
これは、「新規顧客」を獲得するためには、既存顧客の5倍のコストが発生するという法則によるものです。
例えば、新規顧客を「1万円」で獲得するところを既存顧客はその5分の1、つまり、「2000円」で獲得できるのです。
実際に、新規顧客を獲得するのはかなり大変でして、
など、受注になるまでに長い時間がかかるので多くのコストが発生するのです。
とはいえ、既存顧客は、すでに会社の商品・サービスを利用したことがあるか、すでに知っているという状態からのスタートになります。
そのため、受注になるまで新規顧客獲得ほどのコストを必要としません。
リテンションマーケティングでは、既存顧客にマーケティングの施策を行うことで、「新規顧客獲得」の費用対効果が良くなるのです。
リテンションマーケティングの具体的な手法
リテンションマーケティングを行うためには、具体的にどのような手法があるのでしょうか。
具体的には以下の通りです。
では詳しく見ていきます。
メルマガ配信
自社にある既存顧客リストに対して、メルマガを活用してリテンションマーケティングを行う方法です。
このメルマガでは、商品やサービスの機能や利便性、メリットに関する情報を発信したり、割引キャンペーンや期間限定キャンペーンなどの情報を発信したりすることで、お客様を育成します。
このようなメルマガを発信することで、既存顧客の商品・サービスの興味や、購買意欲を掻き立てることができます。
【体験談】メルマガを配信するだけではNG
メルマガを配信している会社にありがちなのが、メルマガを配信しても何も分析せずに、ただただ送りっぱなしになっていることです。
しっかりと成果につなげるなら、メルマガの目的・目標を定め、メルマガ配信後の「開封率」「クリック率」「CV数」などを分析して、PDCAを回す必要があります。
割と大変な作業ですが、PDCAを回すことで効果の高いメルマガを見つけることができます。
そのメルマガを応用することで、その後は安定的に結果が出てきますので、まずは「当たるメルマガ」を見つけることが重要です。
SNS
最近では、SNSを活用して、自社の商品やサービスを認知するリテンションマーケティングがトレンドになっています。
というのも、ツイッターやフェイスブックなどのSNSはそもそも利用者が多いのと、コストをかけずに無料でできるという点でマーケティングのツールとして相性が良いからですね。
他にもこういったSNSは拡散力が強いので、会社のSNS顧客リスト(フォロワー、友達、知り合い)にとどまらず、たくさんのお客様にアプローチすることができます。
このようにSNSでお客様に情報発信をすることで、商品・サービスの認知度アップや顧客満足度アップ、購買意欲アップにつなげることができます。
広告
リテンションマーケティングの施策の1つとして広告も挙げられます。
広告はSNS同様、多くの人にアプローチすることができ、例えば、グーグル広告、SNS広告などを活用することで、休眠顧客の育成や既存顧客の購入促進をすることができます。
具体的には
に対して、広告でアプローチすることができます。
各広告運用の管理画面では、「広告を表示されてほしい顧客」にターゲットを絞って広告を表示させることもできるのでかなり効果的です。
広告でも商品・サービスの認知度アップや顧客満足度アップ、購買意欲アップにつなげることができます。
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスとは、お客様の事業成長を目標とした顧客支援チームのこと。
お客様の商品・サービスの利用率や利用状況といったデータをもとに、パフォーマンス向上のためにアドバイスを行います。
特にカスタマーサクセスが機能している会社では、お客様の売上貢献はもちろん、自社への売上貢献もしてくれます。
例えば、お客様の会社の売上が順調であれば、
「こんなオプションもつけるとさらに売上が伸びますよ!」
「他にこんなサービスもありますがいかがでしょうか?」
など、営業をかけることで自社への売上貢献をしてくれることもあります。
難易度が高いですが、お客様と直接関わっているカスタマーサクセスが機能すれば、商品・サービスの継続利用が伸びるのはもちろん、会社の売上アップも期待できるのです。
リテンションマーケティングで活用するツール
企業がリテンションマーケティングで活用しているツールは何があるのかについて詳しく解説します。
マーケティングオートメーション
「MA(マーケティングオートメーション)」は、企業のマーケティング活動を自動化、効率化するツールのことです。
お客様の行動履歴や、性別や年齢などの属性から個人を自動的に分類し、メール・広告配信などの方法を選び、ターゲットにあった最適な発信ができます。
例えば、
これにより、リード獲得や集客ができます。MAはリテンションマーケティングで重要なツールの1つです。
インターネット通販
インターネット通販でもリテンションマーケティングが活用されています。
例えば、お客様が購入した商品はもちろん、その商品をどのくらいの時間で閲覧した購入したのか、そしてどのくらいの割合で購入したのかまでわかるので、お客様が次回購入したい商品がある程度わかります。
アマゾンや楽天などの通販サイトで、自分の購入履歴に対して「おすすめ商品はこちら」で出てくるのも、リテンションマーケティングですね。
他にも、ある出版社では、購入者の履歴をもとに、すでに購入した本のカテゴリに合う本の紹介をメールで送るなどのマーケティングもしています。
「多くの人に紹介するおすすめ商品」よりも「あなたにピッタリのおすすめ商品」を紹介するとお客様の購入率も良くなるのです。
まとめ
今回の記事では、リテンションマーケティングの概要から具体的な手法、活用事例・ツールについて解説します。
マーケティング施策は、新しいリードの獲得や売上が重要ですが、いかに既存顧客と良好な関係を築き、継続的に商品を購入してくれるかがポイントです。
既存顧客がどんな課題や不安を持っているのか、またどんな商品・サービスがあると喜んでくれるのかを考えながら顧客一人ひとりに合わせて最適なリテンションマーケティングを展開していきましょう。