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探偵からの手紙


少し時間があいてしまったのだけれど、今月の頭に長崎へ行った際に立ち寄った素敵な本屋さん、「ひとやすみ書店」について書きたいと思う。

超小ぢんまりとしたビルの2Fに上がると、まず入り口に「小さな本屋なので店員と顔を合わせることも多いと思うけれど、『何か買わなきゃ。』と思わなくていい。本当に気に入ったものしか買わないで下さい。」といった内容のことわり書きが。

なんて粋なんだろ〜と思いながら入ると、中には店員さんが本当にいいと思ってセレクトしたであろう本たちがその時の自分の興味関心、気分に合わせて選べるよう置いてある。

小さなカウンターもあって、買った本を読みながらコーヒーなどを飲めるようにもなっている。まさに「ひとやすみ書店」。ふらっと立ち寄るつもりが、吸い込まれるように立ち読みしているうちに小一時間経ってました。

平日の夕暮れ時だったのだけれど、私の他にもお客さんが2人いて、あまりに狭い店内にはちょうどいい人口密度。店員さんも勝手に物静かなロマンスグレーのおじさまを想像していたら、イマドキのお兄さんが2人。


で、結局私が買ったのが、タイトルにも書いた「探偵からの手紙」。

こういう茶封筒に入った手紙型のショート・ショートといった感じかな?

探偵の他にも「火曜日からの手紙」、「イカからの手紙」などなどたくさんの手紙があったよ。私は探偵モノが総じて好きなのでこれにしました。POPには「再入荷しました。すぐ売り切れちゃうの、本当です……。」って書いてあった。

お値段150円+税なり。可愛い。


そして今日、2週間以上経ってようやく中身を開封したのだけれどなかなかハードボイルドかつ、追伸がロマンチックでした。思わず一人でクスッとしちゃった。


この「ひとやすみ書店」だけではなくて、長崎は精神的充足感が味わえるお店が多かった。お洒落なカフェも多かったんだけれど、そのどこでも料理や人が総じて丁寧で、とってもくつろげた。

東京って自然といいものがたくさん集まってくると思う。でも数に対して、こうやって精神的な充足感を味わえるお店やものってどれくらいあるのだろう?

なんだか色々なものを見たり聞いたりして、何がなんだか分からなくなっていた時だったから、余計にその質の良さが沁みた。今の私には一人で見たり聞いたり書いたり考えたりしてる時間がとっても大切なんだと思った旅でした。

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