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LA旅行記 3日目(聖地②→レッチリライブ)

2日目(note公式マガジン「海外旅行 記事まとめ」に掲載された!)に戻る


アリゾナ・モーテル

ハリウッドの朝

初日に瓶コーラの6パックを買ったので日々消費しないといけない。ふだんあんまり飲まないけど、旅行中ってチルソンサイダーとか何かこういうの飲みたくなるよね。

チェックアウトして荷物を預けて、ハリウッドを散歩しよう。その前に昨日見てなかったこのホテルのロビーに行かなくちゃ。実はこのホテルも我々の聖地の1つだったのです。大好きな映画「あの頃ペニー・レインと(Almost Famous)」にアリゾナ・モーテルとして出てきたのがここハリウッド・ルーズベルト・ホテルのロビー。ため息が出るほどの美しさ。

映画ではこの柱のところに甲冑が置いてある
しばしくつろぎました
昨夜はもちろん"I am a golden god!"と叫びながら屋根からプールに飛び降りました

メルズ・ドライブイン

昨日は車からしか見てないホテルの外観 かわいい

ホテルはチャイニーズ・シアターの目の前にあり、出た瞬間から歩道にはウォーク・オブ・フェイムの星がたくさん。それを眺めながら東に向かって歩いていると、いい感じのダイナーが見えたのでここで朝食にしますか。

メルズ・ドライブイン
我々には誰に対してもサービスを拒否する権利がある
ザ・ダイナーという感じで最高の店内
メルズ・アメリカン・スマッシュ・バーガー
ペスト・メルト(ターキーの胸肉とモッツァレラチーズをサワードウでサンドイッチ)

店内はBGM含め本当に居心地がよく、料理もおいしくて、ウェイターの女性もとても親切だった。アメリカのウェイターには自分なりの仕事の順番がしっかりあって、通りすがりに注文しようとしても2つ3つ他のことをしてからやっと来てくれたりするのですが、それもまたすごく素敵なことだなあと思います。日本のファミレスとか居酒屋にあるピンポーンのボタンも便利な発明かもしれんけども、かなり非人道的に思えてくる。

本日の朝食はチップ込みで58ドルちょっと(=8,077円)でした。今この記事を書いていて調べたところ、メルズ・ドライブインはカリフォルニアに何店舗かあるチェーン店で、かつてサン・フランシスコにあった店舗が「アメリカン・グラフィティ」のロケ地らしい!ああ、ここもある意味聖地だったのか…

君がスターだ(壁画)

ダイナーを出てさらに東に、最初の目的地まで歩く。LA LA LANDでセブがピアノを弾いていてクビになった店ですが、内装は昨日行ったスモーク・ハウス・レストランで、外側はハリウッドにあります。

You Are the Star

この壁画の前を通り過ぎたとき、聞こえてきたピアノの音が気になったミア。映画では絵の右側のマス目のようなところがライトアップされていた。ドアを開けると、セブがピアノを弾いている重要シーンに繋がります。

向かい側から写真を撮っていると、背後にあるセブンイレブンのスピーカーからはホームレスよけなのか大音量でオペラが流れていた。(ハリウッドにはすごくホームレスが多かった)

この交差点からHOLLYWOODサインも見えます

キャピトル・レコード

ウォーク・オブ・フェイムの星の写真を取りながら(あまりに数が多いので別記事にします)さらに東に歩き、キャピトル・レコードにやって来ました。

Capitol Records

キャピトルはフランク・シナトラ、ナット・キング・コール、マイルス・デイヴィス、ビーチ・ボーイズ、ザ・バンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、そしてイギリスのビートルズ、デヴィッド・ボウイ、ピンク・フロイド、クイーンのアメリカ盤など我々が敬愛するアーティストと関わりの深い場所。この特徴的な建物をいつか見てみたいと思っていました。

ハリウッド大通り

行きはずっとハリウッド大通りの南側を東向きに来たので、帰りは北側を西向きに進みます。ウォーク・オブ・フェイム、大変だけど楽しい。好きな人の星が多すぎて、見放されていまいそうだ〜♪(月に負け犬)先ほど別記事にすると言ったが、1つだけ写真を載せさせてほしい。

1967年、モンタレー・ポップ・フェスティバルで感極まってギターにライターオイルをかけるぼく

ホテルの逆側にも行ってみましょう。暑いしもう結構疲れているのだけれど、あと1ブロックの間におれたちの神の☆があるかもしれないと思うと行くしかないし、行ってみたらやっぱり"ある"んだよなあ。

自分が誰かわかっていますか?
ひとに優しく接しましょう
ホテルの裏側とランボルギーニ
チャイニーズ・シアター

チャイニーズ・シアターまで戻ってきました。隣のでっかいお土産屋さん(その名もLA LA LAND笑)でカリフォルニア州の旗とかいろいろ購入。泊まったホテルのグッズも見たかったのでプールサイドに行き、Tシャツを買った。

予定が詰まってなければここでチルしたかった

サンディエゴへ

突然ですが、これから本日のメインイベントのためサンディエゴへ向かいます。預けていた荷物を受け取り、昨日60ドル払ったバレーパーキングへ。トランクを開けた瞬間、初日に買った24本入りの水の残りが見えて、なぜか"Water is important, water is important."とはしゃぎだす係員たち笑

ハイウェイに乗る前、たまたまコリア・タウンに入ってハングルの看板がいっぱいあるねーなんつってたら、この旅のために作ってきたプレイリストのシャッフルからBTSのButterが流れ始めます。あまりの偶然に言葉を失うぼくたち。しかしアメリカの景色が似合う曲やな。

通常2時間ほどで着くサンディエゴ、ナビによると今日はちょうど中間地点が渋滞しているらしく4時間かかりそう。ちょうど半分を過ぎたくらいで運転交代。カリフォルニアのハイウェイには日本のようなSA・PAがあまりないらしく、いったん降りてガソリンスタンドへ。ハイウェイは基本無料なので出入口がたくさんあり、その付近にガソリンスタンド兼コンビニやファーストフード店があるという感じになっています。

クルーズコントロールの設定方法をちゃんと調べてなく、二人ともかなり疲れた(途中2回ほど死にかけた)が何とか無事にホテルに到着!少しだけ休んで、UBERを呼んで目的地に向かいます。

Weは何しにサンディエゴへ?

ソロの作品も含めて大好きなギタリストのジョン・フルシアンテが復帰したレッチリを死ぬほど見たかったのに、2月の来日公演にはどうしても行けなかった。その後SUGAのワールドソロツアーが発表されて、チケットが取れたらLAについて来てと言う彼女、やや渋っていた(主に金銭的理由で)ぼく。説得しようとして「ちょうどそのときサンディエゴでレッチリのライブもあるよ、ふふ」 と言われても正直あまり現実感はなかった。

そしてSUGAのチケットは取れ(1日目参照)、特典航空券も予約してしまった。数日後、深夜に飲酒していて「こうなったら行けるとこまで行ったらあ!」とブチ切れてレッチリのチケットを2枚買いました。

アメリカのコンサートは主にチケットマスターというサイトで売られていて、席を自分で選んで買えるのだけど、リセールもあり価格もかなり細かく設定されていて便利。日本のS席とかA席とか広い範囲が一律のあれは詐欺でしかないと思った。

ジョン側のスタンド2階席、2枚で252ドル(約35,000円)。発売されてから少し時間がたっていたので並びの席がなくて、1列前後の斜めになってしまったけど。ステージ目の前のスタンディングのとこは確か1枚350ドルとかだった。駐車場は50ドルだったので買わなかった。

本日の会場は昨年8月にオープンしたばかりのスナップドラゴン・スタジアム。サンディエゴ州立大学のアメフトチームの本拠地で、ここでコンサートを行うのはレッチリが2組目です。

水は大切

会場のウェブサイトに開封前の水ペットボトルは持ち込んでいいと書いてあったので4本持ってきていたのですが、入場ゲートで今日のイベントはダメなんよと言われました。やれやれ。1本はその場で飲み、3本は荷物チェックのお兄さんにあげたらめっちゃ喜んでた。

入場するとオープニングアクトのMars Voltaの演奏が聞こえてきた。緑の照明が光っていて、遠くで古代の村祭りをやっているような趣があります。席に行く前に水を買わなければ。LAのホテルを出発するときのバレー・パーキング兄貴らの"Water is important!"がフラグすぎるだろ笑

できるだけ行列が少ない売店を探し、水2本(プラカップに移された)とチュロス1本で21ドル(約2,900円)。円安円高って言い方はわかりにくいからもう「円よわ」「円つよ」に変えてほしい。円つら。。もぅマヂ無理。。。冷静に考えると円安関係なく物価そのものが2倍ぐらいあるよね。

もちろん俺らは抵抗するで?拳で

一発で誰のライブかわかってお気に入りの写真

急な階段を登って自分の席にたどり着くと、既にトルコかメキシコ系っぽいガタイのいいおじさんが座っていた。ツレもデカいから勝手に1席開けているらしい。どいてもらったら二人ともめちゃ窮屈そうになっていた。彼女は1列後ろの1つ横の席。

チュロスを分けあって食べていたら、彼女が突然笑いだした。視線の先を見ると、どいてもらったおっさんのツレが拳✊をドリンクホルダーに突っ込んでいた😂

ドリンクホルダーに拳を突っ込んでくる人とそのツレとぼく

Red Hot Chili Peppers at Snapdragon Stadium

そうこうしているうちに、メンバーが登場してIntro Jamが始まりました。2007年6月、Stadium Arcadiumツアーで東京ドーム2デイズに行って以来、実に16年ぶりのレッド・ホット・チリ・ペッパーズ。昔は歳をとれば自然にそれなりに大人になっていくのだと思っていたけれど、実際は全くそんなことはなくて、人間って20代前半くらいの気持ちのまま一生を過ごすのではないだろうか。そんなことを考えてしまう今日このごろ。

Can't Stopが始まり徐々にヒートアップする会場。赤い帽子をかぶってセロニアス・モンクのようなフリーがかわいい。めちゃ驚いたのが音の良さ!屋根がないスタジアムなのかが関係あるかはわかりませんが、音が回らず完璧なバランスで演奏が聞こえてきます。

3曲目、カリフォルニアの風を感じながらThe Zephyr Songを聞けることに感激。Dani California、Aquatic Mouth Danceと続き、立って踊りたい人、座ってじっくり見たい人、スタンド2階席では皆が思い思いに楽しんでいます。

ここまで斜め後ろの彼女の5つ横の席がずっと空いていたので、さわズー(1日目参照)で「1つずれてもらえませんか?」と頼んでみた。事情を察してくれたカップルが「もしこの席の人があらわれたら戻ってね」と言ってずれてくれました。その隣にいた別のカップルにもずれてもらい、1列後ろに移動すると、拳ニキがそっこー元のおれの席を占領してて死ぬほど笑った。

この間、フルシアンテのソロコーナー(ダニーズ・ソング弾き語り)だったことが悔やまれますが、これ以降最後まで落ち着いて見れたのでまあ良かったです。下の動画はこの日のDanny's Song。

僕たちにはお金が無いかもしれないけれど
こんなにも君を愛しているよ、ハニー
これから全てが愛の連鎖になっていくんだ

朝 目覚めると
君は僕の瞳をうれし涙でうるませて
「全てうまくいく」って教えてくれる

Danny's Song - Loggins and Messina

ジョンが歌い終わり、アンソニーが「ちょっと15秒いいかな」と何か話し始めました。「マーヴィン・ゲイとかデヴィッド・ボウイとか、世界には心から敬愛する歌手がたくさんいるけれど、ここにいるこの男がおれの最も好きな歌手の1人なんだ、歌唱の歴史の中で」とジョンを褒め称えてから始まったのはThe Other Side。青い照明が印象的で"あちら側"に連れていかれました。

お次はまさかのBlood Sugar Sex Magik!そしてLondon CallingイントロからのRight on Time に悶絶。割と新しめの曲Tippa My Tongue。永遠に時が止まってしまうかのようなSoul to Squeeze。

ここでどうしてもトイレに行きたくなって、隣のカップルと同じタイミングで行った。アメリカではみんなライブ中でも結構お構いなしにトイレに行き、"Can I get through?"と言って通路を通り抜ける。ビール飲みまくってるからな。

最新アルバムの最高の曲Eddieが始まってしまったのでダッシュで戻る。2020年に亡くなったエディ・ヴァン・ヘイレン。彼に捧げた曲がサンディエゴの夜空に響き渡ります。美しいベースラインとアルペジオのHard to Concentrateも良かった。Carry Me Homeでは、ジミヘンが昔使っていた白いストラトを弾き散らかすジョン。

そして、スレーン・キャッスルのライブDVDが擦り切れるまで見たあの曲の時間がやって来ました。JamからのCalifornication。カリフォルニアで、野外で、この曲を聞けるよろこび。

Californicationの後はお遊びでドアーズのBreak on Through(RHCP史上2回目)が少し挟まり、1つ前のアルバムのリード曲Black Summer、そしてお待ちかねのBy the Wayで本編終了。おとといのSUGAのときもそうでしたが、アンコール待ち中は大型ビジョンで観客のサインボード紹介タイムで盛り上がります。

最近、アンコール1曲目はセットリストにUnder the Bridgeと書いてあってもI Could Have Liedをやることが多く、この日もそうだった。アンソニーの調子で決めてるのかな。ラストはお決まりのGive It Awayでお祭り騒ぎ!公式セットリストも記念に貼っておきます。

偽Tシャツ売り事件

会場を出て、隣の人たちが席を変わってくれたことに感謝するわれわれ。
おれ「今のとこアメリカの人って8割ぐらい親切よね」
彼女「いや9割やろ!」

また配車サービス難民になりそうだったので、帰りはMTSという電車みたいなやつでホテルの近くまで行ってから呼ぶことにした。芝生の駐車場を駅に向かって歩いていると、1人のおじさんが手に持ったTシャツを広げながらこちらに向かって歩いてくるではないか。

おれ「きた!偽Tシャツ売り!」
会場入りする前、SUGAのコンサートには偽Tシャツ売りがたくさんいたのに、今日はおらんねーとなぜかガッカリしていた彼女。やっと会えたね。

おじさん「やあ!実は今日、娘が初めてのコンサートに来たんだ!一緒に写真を撮ってくれないかな?」
後ろには笑顔の、中学生くらいのかわいらしい女の子がいました。
われわれ「わー!おめでとう!」
おじさん「せっかくだから車の前で撮ろうか」(真っ白のジープ・サハラでーん)

Tシャツを持つ2人のとてもうれしそうなツーショットを撮影してこちらまでハッピーな気持ちになると同時に、おじさんをパッと見で偽Tシャツ売りだと決めつけてしまった自分にさっきの「アメリカ人親切」発言がブーメランのように突き刺さります。汚れっちまった悲しみに……

親子と別れたあと、「自分が恥ずかしくて、切腹してお詫びしたい」と落ち込んでいたら彼女は爆笑している。日本だとこんな父と娘があまりいなさそうなことにも、なんか圧倒的に負けた気がする。しかし初ライブがこれって羨ましすぎるな。後になって、さわズーで「もしよかったら、そのジープでホテルまで送ってくれませんか?」と頼んでみればよかったと思った。

メトロポリタン・トランジット・システム(MTS)

駅から見たスタジアム

正規の物販でかわいいTシャツを買ってやっと駅に着いた。空の電車が来てホームのみんなで乗り込むと、まだ盛り上がってる奴らがいて周りの人も笑っています。

発車してからもずっとこの感じで、みんなも楽しんでいるかと思いきや、同じ駅で電車を降りたおばさんが車内に向かって「あqwせdrftgyふじこlこのマザーファッカーどもが!!!!」と突然ブチ切れ始めてさらに笑ってしまった。

今日はLyftがすぐ来てくれて駅から5分ぐらいでホテルに帰った。最高のライブの余韻に浸りながら、酒を飲んで音楽を聞いて寝た。

番外編「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェイムで見つけた神々」に続く

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