見出し画像

『All That』 ~Sparksの詞を訳す⑧~

洋楽CDに付いてくる「歌詞対訳」
それがこんなに頼もしく見える日は、これまでなかった。

白くてぺらぺらしたホチキス留めや、折りたたみ、オリジナル盤ライナーノーツに対してデザイン性も薄く、うっかりするとはさんでるの忘れてて落っこち、
なにより、読まんかった。
という、これまでのおこないが一気に報いて降りそそぐ、そんな翻訳の無理感を、ここさいきん感じています。

いやーすごい作業の結晶だったんですね。あれは。
あのぺらぺらは・・・。

『ビートルズ全詩集』を買いました。

https://www.amazon.co.jp//dp/4401616634/

そういう、そういう日本語にするん、しないとあかんなあ、と染み入ります。

ボブ・ディランの歌詞集も買おう。

そんなわけで Practice, man, practice!



All That (これまでのすべてに)


 『A Steady Drip, Drip, Drip』(2020年)の1曲目。

1曲目ですが先日の来日ライブを含むツアーではラスト曲になっているようで、長い人生を過ごしてきたという感動的な・・・
相方に向けて、恋人に向けて、ファンに向けて
どれも良し・・・

スパークスには「When Do I Get To Sing 'My Way'」(いつになれば「マイウェイ」が歌える?)というヒット曲がありますが、これってもしかして、とうとう自分たちで作った「マイウェイ」なんじゃないかと思いますね。ファン目線で。




動画

2020年6月11日、コロナ禍のファーストインパクト期に「Live in Isolation」隔離でライブ。


マイウェイも貼っておきましょう。






訳してみた

 

引用元




君のくれたすべての言葉 君のくれたすべての祈り
僕らが向かう 聖なる場所 
そのすべてに
遊んだり 呆けたり することはない
そばにいるよ 神が時を告げるまで
 
周りはとやかく 言うかもしれない
でも僕らが行く先は どこでも オー・シャンゼリゼさ
 
僕らがしてきたすべて
失ったこと 手に入れたこと
そのすべてと それから
僕らが見てきたすべて
聞いたこと 夢みたこと
そのすべてと そしてそれから
 
すべての笑顔 すべての苦渋 すべての浮きや すべての沈み
君がいなくなるなんて 恐れのすべて
こんな欠陥だらけに よく付き合ってくれたね
外を見れば もう夜が明けそうだ
 
君に会えた幸運は まだ信じられないけど
それはそうと 靴が片方足りないんだ
 
僕らがしてきたすべて
失ったこと 手に入れたこと
そのすべてと それから
僕らが見てきたすべて
聞いたこと 夢みたこと
そのすべてと それから
 
そのすべてと それから
そのすべてと それから
 
僕らがしてきたすべて
失ったこと 手に入れたこと
そのすべてと それから
僕らが見てきたすべて
聞いたこと 夢みたこと
そのすべてと それから
 
夏が待ちどおしいよ 太陽はすべてを照らす
僕らはたくさんの時間を無駄にしてきた 後回しにして
いつか僕らは事を成し 浮上するよ 王にでも女王にでも
でもわかってる 僕らの玉座は ボロ椅子でいいって
 
僕らがしてきたすべて
失ったこと 手に入れたこと
そのすべてと それから
僕らが見てきたすべて
聞いたこと 夢みたこと
そのすべてに ありがとう
お返しできるかは わからないけど








わからへん

まずもって訳文に「僕ら」が多くなるのを何とかしたいわけですが。
weをいちいち「僕ら」にせず、省けるところは、もっと省きたい・・・。


1)遊んだり呆けたりしたいわけじゃない

I don't need to fool around and I don’t need to drool around

foolとdroolで韻を踏んでいます。
fool aroundは「遊びまわる」。対してdroolは「よだれ」。よだれをまき散らす? なんだ? ドラッグか???
ひとまずこれは韻を踏むことを主眼にした部分だろう、ということで「遊び呆ける」の成句?を分割してあててみました。

2)オー・シャンゼリゼ

While others may have so much more to say
Each street we walk on's Les Champs-Elysées

ここ、基礎的な英語力の欠如でよくわかってないですが、
weで歩けばそこはもう素晴らしい、輝かしいシャンゼリゼ通りと同じだと。そういうことだと理解しました。

3)こんな欠陥だらけに

You ignore my gaping flaws and I see you and I'm in awe

逐語訳だと「君は僕のぽっかり大きな口を開けたヒビを無視して、僕は理解する、そして僕は畏怖の念をもつ」
みたいな。
ここは一文の間合い的に、だいぶ意訳した感じですね。


4)靴が片方足りない

I can't believe my luck in meeting you
Hey, help me out I can't find my left shoe

ここは、君に会えた幸運、という感謝の念から一転して「左の(なくした?)靴がどっかいってしまった」と照れ隠しのように話をそらしているのか、
それとも「靴の片方」がyouのことを示しているのか。二人三脚、みたいな。
まあどっちもかな・・・と解釈しました。

5)太陽はすべてを照らす

Summers are what I recall, the sun gave credence to it all
We'd waste a lot of time, this, that postponed

これもrecallとallで韻を踏んでるわけですが、credence信用、と辞書では出てくるので、ひとまずこんな形に。
あと言えば、次の行もわかってません。。。


6)お返しできるか

All that,
Thanks for the loan

これ、なんだろう???
「loan」は辞書では、貸付、としか出なくて。ローン、ですね。
これらすべてAll that は、貸付、ローンだったのか?
この世を去るときに、返すのか?
それともこういう定型の言い回しがあるのか?
これも照れ隠しか?

giveとかgiftとかの貰った系じゃなくて、loan?


なんでしょう。。。
一行、付け足した訳になってます。




以上です


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?