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これなら分かる!ACPのABC

はじめに

私、ACPにうんざりしてたんです。
どうしてかって?だって、ちょっと勉強しようとしたらACPとか、LWとか、ADとか英語の略語ばっかりで分かりにくくないですか? 日本語に直そうとしても「妥当なものがない」とか、挙句の果てには「人生会議」…え、会議?私のことの会議を誰かが開くの?私、会議嫌いだから寝ちゃうんですけど…

…そんなわけで、ざっくりACP周辺の概念を1枚の図でまとめてみました。

ACPの地図

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これが全体図です。ACP(アドバンス・ケア・プランニング)が中心にあり、その中にアドバンス・ディレクティブ、DNAR、リビングウィルが入っています。また、ACPをさらに取り囲むALP(アドバンス・ライフ・プランニング)。さあ、すでに「見なかったことにしよう・・」としているそこの貴方、あきらめないで。
まずは小さいところ(DNAR・リビングウィル)からみていきましょう。

DNAR (Do Not Attempt Resuscitation) とLW (Living Will)

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似ているようでちょっと違うDNARとLW。
これは、主語が違います。
DNARとは、『医療者が 患者本人または患者の利益にかかわる代理者の意思決定をうけ 心肺蘇生法をおこなわないこと』。DNRも同意義です(蘇生可能性が乏しいにもかかわらず蘇生を「試みる(Attempt)」ことを拒否する趣旨であることから加えられたという経緯があるそう)。

https://www.jaam.jp/dictionary/dictionary/word/0308.html

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DNARは「医療者(主に医師)が」「心肺停止状態の時に」「蘇生処置を行わない」ことの指示になります。もちろん勝手に指示を書くものではなく、本人や家族とともに話し合った上で決定する必要があります。

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対してLWは「本人が」「終末期における」「医療全般の希望」を記すものです。「医療者が」ではなく「本人が」がポイント。そこに医療者は居る必要がありません。

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こう比べてみるとDNARとLWが異なっていることがわかりますね。

AD (Advance Directive)

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ADは、LWを包括します。

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LW+代理人=AD。 私の代理人は「息子です」など、決めておくことを含みます。それによって、自分が判断できなくなっても代理人に任せることができるんですね。 もうこれでよくない?  ーでも、ちょっと問題点があるんです。

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代理人とされるのが負担と感じる人もいるでしょう。「最期私が意識がない時、あなたがすべてを決めて‥」と突然言われても困ります。
また、「今は延命してほしくない」と思っても、突然の肺炎などで急に倒れた場合もこの指示に従うのかしら?といったように、予測には限界があります。
また、せっかくのADを作っていても、仏壇の奥に大事に大事に置いておいて気付かれないリスクもあります。  ーそこで、ACPの出番です。

ACP (Advance Care Planning)

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ACPとは…
「将来の変化に備え、将来の医療及びケアについて本人を主体に、そのご家族や近しい人、医療・ケアチームが繰り返し話し合いを行い、本人の意思決定を支援するプロセスのこと。」

・・・定義って、文章だから、何となくわかりにくいですよね。

 本人の価値観や嗜好、希望などを集め、その上で医療やケアについて話し合いを繰り返すのがACPです。
他の概念と違い「話し合いのプロセス」に焦点が当てられていることがポイント。「何かを決めること」が大事なのではなく「決める過程」が大事なんです。

たとえば「胃瘻」をするかしないか。
「胃瘻をする・しない」の決定のまえに、人生をどのように捉えているのか。食事についてどう考えているのか。家族がそれをどう思うのか。
自分の価値観を認め、相手の価値観を認めること。それが出来て初めて話し合うことが出来るんです。「高齢者に胃ろうをするなんておかしい」「父親には長生きしてほしい」「若いから抗癌剤を使うべきー」 全て自分の価値観であり、相手の価値観との相違を見つけ、それを認め、話し合うことが出来れば、より良いその人にとっての最善を見つけることが出来るかもしれません。
ACPの流れについては以下のnoteを参考にどうぞ。

さあ、それを包括するALP(アドバンス・ライフ・プランニング)をみてみましょう。

ALP (Advance Life Planning)

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アドバンス・ライフ・プランニング?初めて聞く方もいらっしゃるかもしれません。これは、今までの全てを包括する概念です。
子供の頃から考えることができる人生設計とも言いましょうか。

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私達の人生には良いことばかりではなく、悪いこともきっとおきます。
結婚をしたり巡り会えなかったり、希望する仕事についたり退職せざるを得なかったり・・ 最悪突然、命が無くなってしまうことだってあります。


でも、人は生まれてきたからこそ、いのちは終わりを迎える。必ず人は命を遂げる日がくるんです。
そしてそのことは、子どもの頃から知っておいたほうが良いと思うんです。
私は子供の頃「自分はいつまででも若くて時間は無限にある」と本気で思ってました。・・・でも、そんなことないんです。必ずいのちは終わりがあります。

子供たちには「宇宙飛行士になりたい」「ユーチューバーになりたい」いろんな希望・夢があるでしょう。そこへ向かっていくことはとても尊いことです。そう、ALPは将来像でもあります。ただ、それだけではありません。

ALPはさらに「希望する〇〇という仕事について、どんな社会の役に立つことができて、歳を取ったらこういうことをして生きていきたい」という、人生のプロセスまでを包括するんです。

自分の理想の仕事につくことが出来ないかもしれません。ユーチューバー?20年後はユーチューブ自体が消えているかも。
また元気なこどもが「突然の怪我で寝たきり生活になる」と最初から予想する人はいないでしょう。予想外のことが起きる、それが人生ってものです。

だからこそ、ALPもACPと同じように、何度も繰り返し軌道修正を求められ、Plannning(計画を立て続ける)必要があるんです。子供の頃から希望していた職業に就く人はいるかもしれませんが、希望通りの人生をずっと歩んで最期を迎えた方がいらっしゃったらマジ奇跡じゃないですか?

そういった、人生設計ともいわれるこのALP。私たちは1人1人ALPを行いながら軌道修正をし、プランを立て続けないといけません。

結構難しいですよね。自分が死ぬなんて出来れば考えたくないものです。
でも、プランを立てることを仕事をしていらっしゃる職種があることをご存知でしょうか? 「ライフプランナー」。聞いたことがありますか?

20201126_看取りに悩むケアマネへ送る3つのポイント - コピー

そうです、生命保険会社の方々です。

将来どうしたいのか、家族に何をしてあげたいのか、夢や希望などの「願い」から考えていき、それを「かたち」にしたものが、自分にとって最も適した生命保険であると考えています。そして、その「かたち」にすることをお手伝いするのがライフプランナーです。
https://www.prudential.co.jp/lifeplanner/


私もとある友人からライフプランニングをしていただき、人生観が変わりました。「いつあなたが亡くなっても、家族が困らないようにするのがライフプランニングです。そこに生命保険というツールで、安心をしてもらえるようにするのが私達の仕事です」   と言われて目から鱗!これってACPよりも、もっともっと深いことで、私たちがしておかないといけない事なんじゃないかなって思うんです。

もし、ライフプランニングを受けていない方、オススメですよ!是非〇ルデンシャル生命へ!(フ〇ルデンシャル生命の方、是非紹介料下さい(笑))

スライド41

大盛り状態のACP、ざっくり理解していただけたでしょうか。

この図が頭に入っていれば「この人の言っているのはACPじゃなくてDNARのことかな?」「家族で話している今後の生活のこと、これはALPになるよな」「あっ、今ALPからACPに切り替わったかも」… 

それにしてもわかりやすくて見やすいスライドですよね。
こんなスライド見たことない! 誰が作ったんだろう?  
・・俺だった!てへ!

(誰も褒めてくれないので、自分で褒めてみました❤)






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