パンク・ロックを金持ちのボンボンがやるのはキツい。

パンク・ロックとは?

パンク・ロックは、1970年代半ばから後半にかけて発生したロックのスタイルの一つ。ロンドン・パンクの「セックス・ピストルズ」が特に有名ではないだろうか。

パンクの音楽的な特徴の1つとして、「攻撃的」「反社会性」「スリーコード」といったことろであると僕は思う。

パンクロックは西洋的なイメージが強く、痩せた若い白人男性が髪を逆立てる風貌や、極端に化粧の濃い派手な女性を思い浮かべることが多いのではないだろうか。

パンクロックの源流は、ブリティッシュ・インヴェイジョン、ガレージロックなどのハードな音楽性と、激しいパフォーマンスにある。つまり、アメリカ、イギリスの60年代のロックの流れというわけだ。

1978年のセックス・ピストルズ解散から、パンクロックブームは早くも収束してゆき、のちに「グランジ」と呼ばれる新たなロックのブームが到来する。


パンクとは、そもそもでいえば「反抗的な音楽」であると僕は考えます。硬派なパンクロック愛好家の方は「商業パンク」「ポップパンク」などのパンクのスタイルを模したアンチパンクを否定する考えを持っている場合がある。

「商業パンク」や「ポップパンク」は精神としてのパンクではなく、音楽ジャンルとしてのパンク、といった解釈なのだろう。

確かに、パンクと謳っておきながら、世間やメディア、お客様がたに媚びへつらうような姿やメッセージを感じてしまうと「反社会的で攻撃的な姿勢」はどこいったんだ?と疑問に思ってしまう部分はある。

恵まれた環境の人間ができない音楽

GDP(国内総生産)の2022年のランキングを見てみよう。

Global Financeの説明によると、主にGDPに基づいたランキングの場合、最も豊かな国は最も大きな国だ。



例えば、国際通貨基金(IMF)のデータに基づく世界で最も裕福な10カ国は以下のとおりだ。



1. 米国(18兆6000億ドル、約2482兆円)

2. 中国(11兆2000億ドル、約1494兆円)

3. 日本(4兆9000億ドル、約653兆円

4. ドイツ(3兆4000億ドル、約453兆円)

5. 英国(2兆6000億ドル、約346兆円)

6. フランス(2兆5000億ドル、約333兆円)

7. インド(2兆2000億ドル、約293兆円)

8. イタリア(1兆8000億ドル、約240兆円)

9. ブラジル(1兆8000億ドル、約240兆円)

10. カナダ(1兆5000億ドル、約200兆円)

https://forbesjapan.com/articles/detail/49560

例えば、めちゃめちゃ稼いでる国の、金持ち家族に生まれた子供がパンクロックをやってるより、めちゃめちゃ稼いでる国のゴリゴリ貧民家庭にうまれた子供がやっている社会的格差の皺寄せを思いっきり受けてるであろうパンクロックの方がよりパンクロックであるように感じないか?(そういった意味ではGDPが高く、貧富の差が大きく、表現規制が強く、ネットの規制も厳しい中国の、金なしパンクバンドがめちゃめちゃパンクなんじゃないか?と思っている)

つまり、パンクとは、恵まれたものには演奏することすら許されない、持たざるもののみが許された音楽ジャンルであるように感じるのだ。

商業パンクを受け入れるべきか否か

僕自身、10代の頃は「商業パンクだろ?んなもん聴いて何がおもろいんや?」とリスナーやシーンに対して否定的な考えを持ってた。

しかし、年月を重ねるにつれ、大好きではないにしろ、受け入れる気持ちが生まれてきた。何故なのだろうか。

パンクの精神に、DIY(Do It Yourself)「自分でやれ」というものがある。日曜大工以外でもこの言葉は使うのだ。

売れたい、有名になりたい、その手段としてパンクというスタイルを使う、ということであれば、それは「もたざるもの」が「DIY」の精神で行う「音楽ジャンルではない精神的なパンク」と言えるのではないだろうか?

ここで、「どうなの?」とパンク懐古主義者たちが思うことは「本当にDIY」なの?という部分ではないだろうか?

パンクバンドにプロデューサーやマネージャーがいたらDIYではない、のだろうか?いやいや、プロデューサーやマネージャーも一丸となってDIYなのだと言えるのではないだろうか?では会社やブランドがパンクバンドを後押ししていたらどうなのだろう。その場合も、会社やブランドが一丸となってDIYなのだ、と言えるだろうか?

しかし、パンクバンド懐古主義のみなさんによく考えていただきたい。そもそもピストルズは、ある服屋に出入りしていた不良少年のバンドに、その服屋が介入してバンドを育てるような形、で巣立っていったのだ。

もっとも有名なパンクバンドの1つはこの「商業パンクバンド」だと言えるのではないだろうか?

自分の感性を基準にしていいのでは?

こうなると、「真のパンク・バンド」と「商業パンク・バンド」との境界とは曖昧ではないだろうか。むしろ僕自身は、売れたくてメディアに簡単に尻尾を振り、目立つタイミングで唾を吐き捨てるような、打算的で俗っぽい集団の方が「パンク」を感じたりもするのである。

そんな、打算的で俗っぽいパンクアーティストを紹介!などとする気はない。僕自身は、賞賛しているのだか、どうも貶されているように感じそうな字面だからである。

どのようなパンクバンドが真のパンクなのか、という議論はさておき、どのようなパンクであっても自分自身で選択するべきである。世論や、アンケート情報、ランキング、知人、家族の意見などは参考にするべきではない、どこに厄介なパンク懐古主義者や、過激な商業パンク中毒者が存在するかわかったものではないからだ。自分の単純な感性に従おう。

終わりに

さて、筆者が、厄介なパンク懐古主義者、あるいは過激な商業パンク中毒者のどちらかであるかお分かりいただけたであろうか?以下、爽やかな大阪パンクバンドの楽曲を聴いていただいてこの記事の終わりとしたい。

知らんけど。


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