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ソフトウエアを時価で考えるとどうなるか

システムのクラウド化が進んでからソフトウエアを購入して自分のPCにインストールして動かすということが減りました。代替策としてクラウド上でソフトウエアを動かして、利用料金を支払う形が増えています。
Adobeのように手元にソフトウエアがあるとしても定期的なバージョンアップを行える代わりに毎月利用料が発生するサブスクリプションという利用形態が増えてきています。(初期費用は抑えられます)

自社内でソフトウエアを開発する場合も、クライアント-サーバー型のソフトウエアというものはほぼなくなっていて、ブラウザで稼働させるものがメインになっています。
さらにサーバーの箱自体が、Microsoftや Amazonのようなクラウドサービス上の箱で動くようになり、さらに、データベースやWebサーバー自体がいわゆるPaaSのサービスとして提供されているので、OSのEOSを意識することも減ってきています。

さて、自社で開発したソフトウエアをクラウドサービスで動かすとなると、そのソフトウエアにはどれくらいの価値があるのか、具体的に毎月いくらの価値を提供しているのかということが意識されます。
自社でサーバーを運用していたオンプレミスの形態でも計算はできましたが、なんとなくシステムとして必要だからという理由でコストの積み上げ(取得原価)で価値を計算していました。しかし、ソフトウエア自体がサービスとして提供されるようになると、自社で作り上げたソフトウエアの時価はいくらなのか?という問題提起があってもよさそうです。

経営層からすると、我が社のシステムの時価はいったいいくらなんだ?という問いを投げかけた時に情シス部門はそれまでの投資金額(取得原価)で答えることになりますが、本来は答えになっていません。システムを維持する費用は仕方がないとしても、これまでに作ったソフトウエア、これから自社で作ろうとしているソフトウエアにいったいいくらの価値があるのかという問いがないからこそ、使いにくい、価値のない自社システムの予算が平気で承認されたりします。
そして、政府のシステムでも、その問題はあります。マイナンバーカードのシステムはどれくらいの価値があるのかというと取得原価でしか価値を測れないのかもしれません。
個人的には、確定申告や住民票の取得が簡素化された効果は良かったと思います。

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