2023年12月Kindle月替わりセールを眺める

セールを眺めるのは好きで、月替わりセールも例外ではない。時間にわりと余裕があるのでうっかり逃してしまうことも多い。あと、日替わりと月替りが共鳴することがごくまれにあったような記憶がある。つまり月替りで上巻を出しておいて日替わりで下巻を……というようなことだ。

今月はそれなりに面白いラインナップがあると思った。読んだ本もあるし、セールが打たれたら買おうと狙っていた本もあるし、買ったまま積読になっている本も多い。

月替わりセールのページは9ページぐらいあって、ランダムに並んでいるので見づらいのだが、わたしは自分がそういう本の並びを眺めるの自体が好きなので、あまり苦にならないで眺めていられる。そういうのが苦痛なひとも多いだろうと思うので、個人的にピンときた本を選んで、自分なりにカテゴライズして並べておきたい。


イチオシ

エネルギーをめぐる旅

利活用可能なエネルギー資源と人類の関わりを地理と歴史という時空間のスパンで理解しようという本で、ツイッターで紹介されているのを見て以来気になっていた。

現在主流のフォアフットへの流れを作ったBorn to run

かならずしもこの本だけではないのだが、たぶん世界的に一番ウケて、いたるところでビブラムファイヴフィンガーズを目にしたのはこの本から来ているといっても過言ではない。本書が扱う、メキシコの山岳地帯に隠棲するとされるタラウマラ族は、ワラーチと呼ばれる粗末なサンダルで何百キロも風のように走り抜くとされるが、そのワラーチの思想を取り入れてビブラムファイヴフィンガーズを含むミニマリストシューズのブームを巻き起こした本であるというのはここ10年ほど長距離ランニングについて考えてきた人間にとっては常識に属することだ。

それから数年経ってナイキヴェイパーフライが華々しく登場し、箱根駅伝でも青山学院大学がヴェイパーフライにオールインして優勝を盤石にしていたことは記憶に新しいが、ヴェイパーフライの「厚底」で「カーボン入り」という形状はその直前にあったミニマリストシューズブームの時代とは一転しているかのように思われたかも知れない。しかし個人的には、ヴェイパーフライの「厚底」「カーボン」という材質や形状よりも、それが強いる「強制フォアフット」、そしてヴェイパーフライを安易に取り入れて失敗するランナーが経験する故障の謎は結局のところ、本来のフォアフットであるベアフット(ミニマリスト)ランニングでそれなりに走るためには絶対に必要なふくらはぎという生体クッション機能の強化を抜かしているからだ、ということの理解にも必要だと思っている。

現在は12月であり1月になれば箱根駅伝がある。箱根駅伝は非常に考え抜かれたゲームで幾重にもドラマを読み取ることが容易だが、その基底にあるのは「人類が、走る」「人類が走れる」というこれ以上シンプルに表現することができそうに思われない行為をひと皮剝いたところに広がる深淵である。箱根駅伝の前にその探求を追体験しておくことは思索を深めてくれると思う。

論文作法

学部の卒論のようなものを書く、はじめて研究というものをする、というひとが読むもので、ノリが嫌いだというひともいるようなのだけど、わたしは結構ハマってしまったクチだった。

グランマ・ゲイトウッドのロングトレイル

特に登山をしていたわけでもないいきなりおばあちゃんが家を出ていき、何千キロも踏破してしまう、しかもその荷物は驚くほど軽装……という意外性だが、荷物を切り詰めたアウトドア活動として注目が高まっている「ウルトラライトハイキング」の必読書となっているようだ。

システム思考

不服従

山本直樹

あさま山荘事件を追った漫画、「レッド」シリーズでも有名な大家・山本直樹の作品がセールに入っていて意外な印象がある。

日経BP社「なぜ」シリーズ

このシリーズは別のロングセラーになっているものを読んだことがあり、平明な説明で定評がある。

デザイン

どういうわけか今月は「ソシム」のデザイン書がラインナップされている。


データサイエンス

これも「ソシム」社のものがラインナップしている。


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