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根っからの演者を演じきった主人公

ようやくマクロスF(フロンティア)を見終えた。
ぜんぜん進まなくて二か月以上かかってしまった。
物語の真ん中にさしかかるまでチャージかからなくて苦労したうえに、先日noteにも書いたが、ストーリーを進めるうえで指南役になっていたミシェルが戦死してしまい、私の心が折れてしまいあいだが開いてしまったのだ。

とはいえ、最後まで見終えたら大号泣だし、メッセージ性もはっきり伝わってくる作品だった。
もちろんフロンティアもよかったのだが、私は「マクロス7」のストーリー構成のほうが好みである。たぶん作られた時代のせいかもしれない。
1994年とそれ以降では大きく作品性が分断されているように思えるのだ。
それはやはりエヴァンゲリオンの存在は少なからずあるだろう。
私はどんぴしゃエヴァ世代なのだけれど、はじめてみたのは30歳ごろだった。それも「浜野さん、きっと好きだよ」っていう人からのオススメで。

たしかに面白かったし、結局最後のシリーズまで追っかけた。
でも自分のスキは他人のオススメよりも直感で、急に引き寄せられるようで、何回も書いているけれど「戦わない主人公」というキーワードだけでマクロス7を見ようと思い立ち、どっぷりとハマった自分の感覚は大切にしたい。

マクロスFも歌がメインとなるのだけれど、テーマは「自分がどの道を選ぶのか」だ。
そのテーマを忘れてると、二人の美女にうつつを抜かす男子高校生・早乙女アルトに終始、首を捻ることになる。
なぜならマクロスシリーズ共通の三角関係が最大限に設定されているからだ。

主人公・早乙女アルトは歌舞伎役者の道を捨ててパイロットを目指す。
自分の気持ちにも人の気持ちにもなかなか気づけなくて、なかなか感情移入できないのだが、それは「彼が根っからの演者」だからだという展開に繋がる設定だった。
演者だから、「感じるがままに演じる」を貫いていたというわけだ。

ちなみ最後まで三角関係で終わる。
この手法はメモするしかない。三角関係でストーリーを組み立てるなら最後まで三角関係ではないとスッキリしないということに気づかされた。
(どっちかとくっついたら視聴者が論争を起こすだろう……)

ちなみにマクロス7の主人公・熱気バサラは「俺の歌を聴け!」を貫いた。
歌の力で他の種族との銀河での共存を目指した。

マクロスシリーズの共通点としては「戦う相手は本当にその敵なのか?」という問いかけがあるように思える。
自分の理想を銀河じゅうに押し付ければもちろん戦いを生み出すわけで、日本統一とか世界統一とか銀河統一とかそんなものは絶対に敵わない、ということを伝えたいのかもしれない。

なぜなら人をはじめ、いのちあるものは、みな違うから。
違ってていいし、違うからこそ生み出される奇跡がある。

人はどこまでもひとり。
だから人を愛す。

マクロスFでいちばん刺さったフレーズだ。

まだまだ見てないシリーズがあるので、見られるサブスクを探しながら続けて視聴したい。
マクロスシリーズ共通曲となっている「愛・おぼえていますか」を聴くと、もはや涙が流れるくらいハマるシリーズ作品となった。

これから衝撃的なことが起きたら「デ・カルチャー」と叫びたい。


(その他・雑記)

いま調べながら書いていたのだけれど、脚本:吉野弘幸さんはガンダムSEEDやコードギアスも手掛けてた。
なるほどなるほど、どおりでオズマとキャシーがフラガとマリューに見えて仕方なかったのよ。(もしくは加地さんとミサトさん)

ちなみにフロンティアのキャラなら、クランとブレラが好きでした。
たぶん私、ゼントラーディが結構好きだと思います。耳の形が。それからサイズ? 大きい女子かわいい。
それから気になっていたのはミシェルの耳のかたち。
髪色がふつうだからゼントラではないよなーとは思っていたのですが、調べたら「ゾラ人」でした。
クランとミシェルの恋、叶って欲しかった(叶っていたんだけど)。

そしてゾラ人ってマクロスダイナマイト7で舞台になった惑星にいる種族だったのか!
視聴してるときはほとんどウィキとか見ないんです。
自分のファーストインプレッションを大切にしたいし、物語から構成やテーマを読み解くことで、自分の力にしたいという勉強も兼ねていたりして。

こうして解説をあとから読むと、再び見たいなぁって思うから面白いんですよね。

マクロスシリーズって他の作品から入っても違う作品で「あ、これはあの作品のことだ」っていう繋がりをちょこちょこ出してくるので、楽しめるんですよね。

今週末から開催されるマクロス展、行きたいなぁ。

(チケット売り切れ出てる~、焦る~!)


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