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星組「赤と黒」4/6マチネの感想

☆礼さんジュリアンの、常に遥か遠くを見つめている
謎めいた瞳から逃れられません
どう言い表せば伝わるのか、思考が浮遊し霧散して、言語化が難しい
そーゆー、人生でごく稀な演劇体験をしました…(遠い目)

☆ギャー「赤と黒」プログラム、皆さんのお写真が
好きすぎて泡吹いた…(特にえまさんの怪しさ&なっちゃんの妖艶さ)
全部売ってクレー金なら!払う!!

☆礼さんジュリアンは、野心を抱くというより
渇望しているように見受けられました
一見いかにも朴訥で世慣れてない、もっと言えば引っ込み思案にオドオドしている様子で
瞳は常に虚空を見ている、誰にも近寄れない透明なフィルターを被り周りから乖離しているように見えて
冒頭の本を読んでるたたずまいが凄まじかったですね、あのもの静かな、ていうか愛憎渦巻く人間社会から隔絶されてる青年の透明感が
貧しく身分が低い境遇なのに、誰よりも優れた脳を持って生まれてしまったジレンマ、彼が精神の深奥に抱えてるのは、出世・富といった世俗的な野望ではなく、己れの学識や能力を全世界に認められたいという懇願にも似た自己顕示欲、を極力押し殺してると思ったらルイーズへの熱情に驚愕!それらがマグマのように狂おしく噴き出る瞬間に圧倒されて、身動きも出来ませんでした
ディミトリの時も言いましたが何よりも演技力の人なんですよ、そこに歌やダンスの超絶技巧が乗っかってて、つまりは無敵なんです、礼さんて舞台人は。

☆礼さんファンのお友達と、こないだツクヅク語ったのは
「トドのつまり、顔が好き」
ジュリアンのメイクは、この舞台の他の皆さんと(そしてジャガービートと笑)比べてシンプル、むしろ素朴でキョトンとした顔に見えるんですが
それによって、彼の浮世離れ感やほとばしる激情などクルクル変わる多面性が際立つ、表情の無い能面が名手によって千変万化して見えるのと同じですね
あとあのメイク、笑うとめちゃくちゃ可愛い(惚)
カーテンコールでようやく出てくるフレンドリーな笑顔、そのギャップも見どころの1つだと思いました!

☆ありチャンジェロニモ…(ディミトリに続き)やっぱり言わせて
アンタ!!さすが芝居の月組育ち!!!
語り部なのに怪人物、なのにみなぎる吸引力、しょっぱなから観客の心をガッツリ握って振り回して離してくれない、際どい言葉を連発してケムに巻いたかと思ったら、静かな表情で暗がりから人々の愛憎劇をジッと見守る
モチロン自慢のダンス力もいかんなく発揮されてましたが…朗々たる歌声がお見事でした!!“パリで人気の歌手”にうなずき過ぎて首もげ寸前…
でもジュリアンは、なぜ彼にだけ気を許したんだろう?
心を鷲づかみにされて逃れられず、知らず知らずに取り込まれたのか、観客と同様に?

☆くらっちルイーズ、まぁ一言で表すと「美」なワケですが…
娘役10年のキャリアを重ねないと表現できない情念というモノはあります、礼さんとがっぷり四つに組んで感情をぶつけ合うのも、彼女ほどのパワーがなくては、あそこまで見応えのある並びになるか…
歌舞伎で言う「愛想尽かし」の場面と、刑の後の場面はガチで涙を流してましたね…
憎しみから慈しみへと昇華される愛の最果て、彼と共に人生から去る事を選んだ麗しい人に、心からの喝采を送りました!

☆ちづるぴゎん…優勝!初登場から大優勝!!
まずツインテール+超ミニスカドレス(脚細っっっそ!)のビジュアルからのけぞった、劇場を飲み込む歌声とクルクル変わる表情も最of高☆また新記録を更新しちまって…
何度も言いますが可憐な激カワルックスの奥に潜むド根性がこの人の魅力(対はまの比)、今回もまぁ一筋縄ではいかない、気概と行動力あふれる侯爵令嬢を堪能させていただきました(拝)

そしてマチルドは、満足したのだろうか
古(いにしえ)の王妃と同じく、愛する人の首に口付け、自らの手で葬った事を

☆えまさんラ・モール侯爵、えぇパパだ〜
愛娘第1主義、すっきり洗練されたビジュアルもカッコいい♡
侯爵にとってジュリアンはとんだ災難だったのに、それでも受け入れようとしたのは、彼への信頼もあっただろうけど、
何より娘の幸せを思う一心だったんじゃないかと思うと…オバチャン切ない(涙目)

☆ゆりちゃんレナール町長、出てきた瞬間キレイ過ぎて
卒倒するレベル…あのさ、小さな町にあの町長ご夫妻はキラキラ輝きすぎてると思ったの、はまのだけ!?
ノー天気でオトボケな好人物と思いきや、誰にも打ち明けられない心の闇がある…八方美人としてしか生きる術(すべ)が無い自分自身への猜疑心と、諦めと…複雑な役ドコロをあざやかに演じて見せたのも、“芝居の月組”出身者ならではですな♪
あの後、彼と子ども達がどーなったか少々心配になりましたが
案外幸せになってる気もする、すすめられるままに若くて可愛い後妻とか迎えて(笑)

☆なっちゃんフェルバック夫人、美しい!!
あのウェストを絞った黒ドレスにあふれるオトナの女性の魅力…でも、若い男(ジュリアン)に言い寄られて有頂天になってる姿を見て胸を締めつけられた…奥さん!ダシにされてますよ~気を付けて??

☆ひーろーは、眩耀のタカモクとかめぐり会いのローウェルとか
ディミトリのイヴァネとか、温かく優しいお役が多い印象ですが
柳生では七本槍も演ってるんですよね〜何が言いたいかと言うと、毒のある役が非常に映えるんですよ長年星組にいただけあって!!
ヴァルノが一眼房と違うのは、軽さ華やかさ嫌らしさが共存するトコ、パワフルな歌声といい、ほのかぴとの夫婦漫才(違)っぷりといい、正に本領発揮ですな〜こんなひーろー見たかったやつ!

☆可憐だろーが妖艶だろーが何でもかんでも魅力的に
演じ分けてみせるの知ってましたよ?天才カメレオン女優だからね、ほのかぴは
でもコメディエンヌ風味もある毒婦は初めて見た、ヴァルノ夫人の悪どさ押し付けがましさ可愛さたるや…大好きです♡♡(告白)
あとね、あのお歌キーが高音すぎません?ほのかぴが何故この役に選ばれたのか、あれ聴いて理解しました〜♪

☆あの、すみません「オンブル」男女の呼称に
反応し過ぎてまして←
でもオンブル=影って意味なのね、時に召使い、時に貧民、歌って踊って様々な役割を果たすあの人々は…
そーいえば、歌舞伎で言うところの“黒子”の役も果たしてると思った、「あの“見えない”事になってるシステム便利だから、宝塚でも使えばいいのに」て思ってたら、早速見られたワケですね〜家具を運んだり、カーテン?をくるくる上げ下げしたりもしてましたな笑

☆あかっしーはオンブル男のリーダー的存在、
劇中では端正なお顔と躍動感あふれるダンスに注目してました!
今日で(はまのは)お別れなのが悲しくて、信じられませんが…カーテンコールでの明るい笑顔に手を振りました(心の中で)!あとエマエージェンシーを率いる重鎮として、最後に英真さんとご一緒でよかったね〜とも思ったりなど。

☆今回の楽しみの1つだったきさちんルージュ&ちゃりおノワール♪
中性的なメイクがロミジュリの愛を思わせる、重力を感じさせずヒラヒラ舞うルージュに対し
身体のバネを活かしダイナミックに跳躍するノワールはロミジュリの死を連想した、この2人にありチャンが加わって星組が誇るダンサー3人組で踊るスペシャル感よ〜全身トリハダもの!!
ルージュ&ノワールはコミカルな一面もあって、踊りっちゅーより体操?的な場面もあるし、第2幕の始めはコント?的な役割もあるのかな、客席にちえねねがいたから「ナポレオン」ジョゼフィーヌの戴冠式を再現したりして可愛かった♡(ナポレオン役がきさちん、ジョゼフィーヌ役がちゃりおだったのが個人的にツボ笑)

☆るりはなチャンエリザも国宝級にラブリーだったね〜
あのボリューミィなミニスカからスラリと伸びた脚のきれいさ!!
てか、胸のハート?と合わせて「ジャガービート」のパラダイスガールを思い出し涙目になったりなど…かと思ったら、可愛いだけで終わらないのが星娘のオソロシイところ…好きな男を奪われた恨みをキッチリ晴らす、静かな表情で執念を燃やしてるのが激怖かった!!(大拍手)

☆オンブル女のリーダーはるりなちゃん、
お歌もダンスも研4とは思えない芸達者っぷりだからな…今回も頼もしく若手娘を引っぱってました♡
あの温かい笑顔が大好きだから、活躍が見られて嬉しかった〜これぞ別箱の醍醐味ですな!

☆ジャガービートのrrrロックなメンバーから注目してた
凰陽くん、サスガ若手有望ダンサー筆頭株!?なだけに今回も目立ってましたな~長い手足を自在に操るしなやかなダンスが好きです♡1789での活躍もめっちゃ期待できる~応援します☆

☆この舞台は、星組が誇る歌姫×4対決でもありますね、
くらっち・ほのかぴ・るりはなチャン・ちづるぴゎん…いや~聴きごたえありました、星娘の未来は明るい☆
ひとつだけ欲を言うと、なっちゃんにもソロがあるとよかったのに~せっかく歌姫×5が集結してたのにモッタイナイ…

☆舞台美術も通常の宝塚歌劇とは違い、徹底的に赤と黒…
と思ったら、ところどころに白が差し色に使われてるのが効果的、ジュリアンのコートとか!パリの舞台もこうなのかな?
時に華やか、時に禍々しく、情熱あふれる大迫力の舞台を彩ってましたな~たまにはこーいうのも新鮮で良き☆
ちょっと思ったけど、ジュリアンだけ白をまとってたのは、世界で彼だけが無垢だというのを表したいのかな?
そしてオンブル達は曖昧なグレーをまとう、影は存在しないから

☆柚希礼音さん&夢咲ねねさんが観劇してらしたから
ナポレオンのネタが普段より多かったのかな…?ありチャンジェロニモは最初と最後に絡んでたし(お2人があまり前方席ではなかったから気づいてない人が多くて、皆んなが知った瞬間は客席がドワッと揺らいだ)、第2幕の始めできさちん&ちゃりおがアピってたし…
カーテンコールで礼さんも「いつもよりハクハクしてました」「つい母上と呼んでしまいそうに…ジュリアンとしてなのか、ウジェーヌとしてなのか笑」て語ってらした、ナポレオン&ジョゼフィーヌご夫妻と一緒に観劇できて光栄です☆(語弊)


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