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①テンホールズハーモニカとの出会い編

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小説『僕はハーモニカをポワ〜ンと鳴らす』の〈①テンホールズハーモニカとの出会い編〉です。注意)以前、エッセイ『ハメルンのベンド』をお読み頂いていた方には中学生編から高校生編にあた… もっと読む
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記事一覧

0話 はじめに

「それ」について、僕には言いたい事が山ほどあるのに、まだ語り始めの部分が思いつかないでい…

1話 テレビで見かけた楽器 ①

その頃、僕は中学2年生だった。アニメ・漫画ヲタクだった僕は、将来は漫画家を目指すべく、漫…

2話 テレビで見かけた楽器 ②

僕は、出てきたハーモニカを自分のパジャマでゴシゴシとやって、もう一度、周りを見回して、息…

3話 テレビで見かけた楽器 ③

「おっ、広瀬、ハーモニカじゃん。首に下げてたらジミーじゃん。なんか吹いてよ」 「そうだよ…

4話 初めて楽器店に行く ①

長渕 剛が吹いていたハーモニカを買おうと決めた僕は、生まれて初めて楽器店の前にいた。いつ…

5話 初めて楽器店に行く ②

「で、どうしますか、ハーモニカのKeyは?」 その声は、少しずつ鋭くなって行く。僕がいつまで…

6話 初めてテンホールズハーモニカを吹く

テンホールズハーモニカに息を入れるや否や「ボォー」と、低い変な音がした。 「あれ、なんだこれ?」 何度か試すものの「ボォー、ボォー」と変な音しかしない。 吸い込むと「ビャー、ビャー」と、ちょっと違和感のある感じの、低い嫌な音がした。 僕はすぐに(あっ騙されたんだ!!)と思った。長渕 剛が吹いてるやつとまるで違う。ヒューイ・ルイスのとも違う。やっぱり、子供だと思って、変なものを売り付けられたに違いなかった。 けれども今更気づいたところですでに手遅れだった。さすがに口をつけてし

7話 ハーモニカの話題

僕はクラスメイト達に「実はハーモニカの入っている曲を探している」と言ってみた。漫画の仲間…

8話 マイナーハーモニカ

まさか、2度も自分がこんな漫画に関係のない店に来ようとは。僕はまた駅前の大きな楽器店に来…

9話 ハーモニカ・ホルダー

日々が過ぎ、想定外の物を買ってしまったという落ち込みからようやく抜け出せた僕は、GとEmの…

10話 ブルースハープ仲間

数ヶ月ほど経つ頃になると、ある程度はテンホールズハーモニカを吹くのにも慣れて来ていた。 …

11話 初めてのベンド ①

次の月、僕はもらったばかりの小遣いを握りしめ、いつもの楽器屋へEのKeyのメジャーボーイを買…

12話 初めてのベンド ②

初めて「ポワ~ン」という音を鳴らせた時から数日が過ぎた。 クラスメイトの多くが「気になる…

13話 テンホールズハーモニカ専用マイク

ある日、運悪く漫画雑誌で見てはいけない物を目にしてしまう。それは「テンホールズハーモニカ専用マイク」の商品宣伝だった。 値段は8000円、テンホールズハーモニカが3本も買える値段だった。その広告の小さな写真を、穴があくほど眺め続け、僕は鼻息を荒げる。真っ黒なT字型のボディーのマイクに、テンホールズハーモニカがしっかりと取り付けられている。 「これ、ヒューイ・ルイスが持ってたやつかな?似ているような、全然違うような」 とにかくすぐにそれが欲しいと思った。「マイク」という物をま