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がん患者と老人ホーム ~兄が亡くなりました

皆さんは、がんや特定の病気で日常的なケアを必要とする人が、年齢に関係なく『サービス付き高齢者住宅』や『老人ホーム』などに入居できることをご存知ですか?

緩和ケアに移動した兄は、退院して在宅看護の力で自立することをしきりに求めるようになりました。栄養も排液もチューブを装着している状態では、冷静に考えれば無理な話しです。しかし何度説明しても聞き入れない兄に、

「医療依存が高い状態で一人暮らしをすれば、在宅看護で月200万円では効かないかも知れない」と看護師さんが言いました。

兄はその金額を聞いて、二度と『看護をつけて独り暮らし』とは口にしなくなりました。

するとスタッフと先生から、
『サービス付き高齢者住宅』という選択肢が提示されました。俗にいう『サ高住』です。そこならプライベートを確保しながら医者看護師が常駐している。
チームみんなで知識を集め調べてくださったそうです。兄はそれも辞さぬと、私に資料や情報を集めるよう言いました。

※この時、がん患者専門ホスピスは空きが無かったり距離などで選択できずでした。そちらの情報は一番下に情報リンクを貼ってあります。

しかし・・・兄の胸のうち、虚しさを、察するに余りあります。
40年間自立し、半月前までマンションで、自分なりのインテリアを整えひとり、暮らしてきた現役です。

『高齢者』『老人ホーム』というインパクト
ありがたい制度だけど、それとは別に、これまでも、病気によってプライドとか尊厳みたいなものが、日々削られてきました。
そのうえ、どこまで打ち砕かれていくのだろう、と胸が詰まりました。
これって、20代や30代の若さなら尚更ではないか。

概念の変化に合わせて色んな言葉が名称を変えていくのだから、
『老人』『シニア』という概念自体も曖昧な時代、老人ホームとかだって名前を変えたらいいのに。強く思いました。
そういうことはいくつもありました。(続く)


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《おまけの情報》
★介護施設とがん患者専用ホーム
介護保険法が改定され長期入院が難しくなったことや費用の問題で、ターミナルや医療依存度の高い患者さんが退院後、行き場がなく不本意な最期となる現状があるそうです。

それらを緩和するために、ホスピスやがん患者用のケアハウスが、東京では去年辺りから相当増えてきています。ご参考までに

みんなの介護・・・サ高住やホームなど特定患者受け入れの検索ができます

医心館 ・・・全国的にホスピスを次々開業しています。金額も多少抑えめ

ファミリーホスピス・・・経験豊富なホスピス。金額は高くなる

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