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朔日。

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毎月朔日(さくじつ、ついたち)に、その月の異名からインスピレーションを受けて書いた詩です。
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小春月。

まるで冬の朝 凛とした空氣に包まれたなら 木々も鳥も花々も 眠りにつくまであと少し 君によ…

詠月。

高貴な花開く月 高尚な詩紡ぐ月 晩夏 空は遠ざかり 初秋 翠は紅へ 古より続く摂理 想い見上…

燕去月。

春来たれども 幻春と化す 行き場失くした 春燕 祈りの先 見つめる未来 耐える巣の中 煌めき…

愛逢月。

愛の日々 死が分かつ 命果てても 愛し君 きらきら星 集めて渡そう 対岸の君へ 再会の橋 逢え…

風待月。

肌くすぐって 初夏知らせ 待ちに待った 風が吹く 花の季節は 終われども 葉は触れあって 喜…

さつき。

鳥歌う 吹喜月なら 藍の森 枝葉戯れ 言の葉が舞う 爽やかに囀り 笑み誘う 夜風凪ぐ 星火の…

鳥待月。

寂寥の 便りなき春 我が麓 撫でゆく風も あはれと嘆く 呼ぶ空 見上げ 憂しと見し世に 光と陰の 共存を知る ながらへば 恋しき春を 幾たび送り 散りゆく花は 誰想う いつか 愛を連れて 舞い戻る 希望の歌を 囀る鳥よ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ながらへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき (藤原清輔朝臣) 憂しと見し世。 永くは、続かない。 できることをして、 支えあって生きることを

夢見月。

与えられ 巡るいのちが 開かれる 春の息吹に応え咲き 囀ずる歌は 祝福の歌 弥生のはじまり …