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私的・稲川淳二のすゝめ

※稲川淳二さんに関しては、文中では基本的に
敬称略しています、悪しからず。


私は、稲川淳二の怪談ライブに
毎年1回は通っている。



私がボーカルをしている、

枯レタ井戸ノ底。(カレイドと読む)

というバンドで、
初期サポートドラムをしてくれていてた、
タクミさんと2人で行くのが、
夏の恒例行事。
(コロナ禍で行けなかった回も…悔しい…)


そんな話を知人・友人に話すと、

・お!怖いの好きなんだ!

私 。o O (そう思うよね、うんうん)


・えー、稲川淳二こわくなくなーい?

私 。o O (…そういうことじゃないんだよ…)


・稲川淳二を見に行くの??なんで?

私 。o O (なんでってなんだ!なんでって!)

みたいな事を言われた事がある。

稲川淳二という人物に対しての
イメージがそれぞれ結構違うもんなんだなぁ…

と、思いながら、
今年もタクミさんと行く日程調整中の私。
楽しみ!


そんなこんなで!
今年も怪談ライブの予約開始間近!
このへんで、
あまり参考にはならないと思うけど、


私の思う稲川淳二、稲川淳二の怪談などなどに
ついて思いつくままに書いてみようと思う。


まずいきなり少し脱線するけども、

私は、

怪談話が好きだけど、
心霊体験とかはイヤ。

心霊スポットの検証映像は好き。
(おばけが出るか調べよう!みたいなやつね)
だけど、
ホラー映画はあんまり好きじゃない。

…ホラー映画の小説版とかは、
もしかしたら好きかもしれないけど。

…と、いった具合で、

オバケ大好き!怖いの大好き!

って感じではない。

かといって、

怖いの絶対ムリ!

ってわけでもない。

……間をとればむちゃくちゃ
普通って事になるんだろうか?笑


ざっくり言えば、

実体験はしたくない!
話に聞くのはいいけどさ!

みたいなところか。

なので、稲川淳二氏のライブは、
あくまで怪談を聞ける場なので好きで
毎年通っている。

怪談話をしてると…オバケがよってくるぞ…

とか言い出すと実体験に王手!って感じが
するけど、なぜかそこは気にならない。

自分でもよくわからんけども。

そんな…まぁ結局、心霊に対して
ふつう〜な私が毎年稲川淳二の怪談ライブに
通っている理由は…

なんだか稲川淳二の話が好きだから。


うん、なんだか、なんとなく。
これに尽きる。

と、言っちゃうと雑すぎるので、
もう少しオススメしたいポイントや
好きなポイントを言葉にしてみる。



まず、
一般的な怪談と稲川淳二の怪談には
大きな違いがある。

私が思うに、
一般的な怪談の流れは、

Aから聞いた話…

AとBが○○に行ったら、
なにやら不穏な空気…オバケの予感…
と、次の瞬間、キャー!

ってイメージ。
だいたいこんな流れだと思う。

というか、稲川淳二もこんな流れではある。

が!

圧倒的に!決定的に違うのは、


情景描写の豊かさ。

わかりやすい例えとして、
なにか短い怪談を書いてみようか…

・一般的な怪談

これはAから聞いた話です。
Aが友人Bと2人で肝試しとして、
有名な心霊スポットの
廃病院に行ったらしいんです。

最初は2人とも
怖くねーよ!と強がっていたんですが、
ふと、人の気配を感じて、
次第に怖くなってきたところで
不意に、はぐれてしまったそうなんです。

必死にBを探すAは、
それらしき人影を追っていくとそこは、
薄く扉の開いた霊安室の前。

勇気を振り絞り、扉に手をかけた瞬間、
後ろから肩に手が!驚き振り向くと!
…Bが心配そうな顔で立っていたんです。

ようやく会えてホッとしたのも束の間、
じゃあさっきの人影は…?と、
手をかけた霊安室の扉に
目をむけるとそこには…!


みたいな話があったとして!
この同じ話を仮に稲川淳二が話すと…


・稲川淳二の怪談

これは、知人から聞いた話なんですが、
仮に…Aさんとしておきましょうかね。

Aさんには、Bさんという友人がおりまして、
若い時分ですからね、
2人あつまれば馬鹿ば〜かっりやってた。
学校サボって遊びに出たり、夜になっても
2人でふ〜らふらしてた。

ふと、Bさんが風の噂で、
最近潰れたあそこの病院…でるらしい、
そんな話を聞いたっていうんですよね、えぇ。

A:え?でるってなにがでるっていうんだよ。

B:そんなのお前、
 行って確かめてみりゃいいんだよ、
 どーせヒマなんだから。
 それともなにか?お前怖いのか?

A:そんな馬鹿いうんじゃないよ、
 オバケだなんだなんかあるわけないんだから、
 いいよ、行ってみるか?

B:よーし、決まりだ。
 それなら今夜あたり行こう!
 病院前で待ち合わせな!

ってな事を言うもんだから、
売り言葉に買い言葉じゃないですけどねぇ、
よーし行ったろうってなもんで…

行ったって言うんですよねぇ。

その病院と言うのが、
戦前の頃から長ーく地域に根付いていた病院で、
評判も決して悪くなかったって話なんですが、
なぜだかある時、急につぶれちゃった。

街の人の話でも、医療ミスだなんだって
話も聞いたことは無いし、
経営が立ちいかなくなるような状況でも
なかったはずだって言うのに、
きゅーうに潰れちゃったってんですよ。

いざ潰れてみると、
何度か建て替えたりはしたみたいですが、
それなりに古い建物ですからね?
人が近づかなくなるとすっかり朽ちて、
駐車場なんかも草がぶわーっと生えちゃって。

あぁ、少し前まではここにも、
病気やケガでもって悩んだ人々が救いを求めて、
足繁く通ったんだろうなぁ。
そんな事を考えると、
なんだか妙に病院も寂しそうに見えた。

とは言え、夜の病院ですからね、
やっぱりどうしたってイヤーな空気があるんですねぇ。

A:おい、お前、ホントに行くのか?

B:なんだよ、ここまで来といて、行かないって
 わけには行かないだろ。
 お前が怖いってんならここで1人で
 待ってたっていいんだぞ。

A:いや、そんなんじゃなくて、ほら、
 いくら潰れてるったって、勝手に入るのは
 まずいんじゃ

B:大丈夫だって、な、大丈夫大丈夫。
 地元の悪ガキ連中だって勝手に入って
 遊んでるって話だし、別にいまさら
 1人や2人忍び込んだって問題には
 なりゃしないよ。

そーんな事言いながら、
ザッザッザッ。
Bは1人で歩いていっちゃうんですよ。

………

……ちょっと長くなりそうだから
まだ病院にすら入ってないけど、
この辺でやめておこう……


例えとして、わかりやすいかどうかはさておき。
(あとこんな話はありません、似た話はあるだろうけど。)


稲川淳二の怪談話は、

そこがどういった場所なのか、
周りの環境(季節、天候、立地など)や、
心理状態はどんな状態なのか。

その辺の描写すごく丁寧。

あまり怖さに繋がらない要素や描写も
たくさん盛り込まれているので、
省いた方がわかりやすいのでは?
って部分も多いけど、

単にオバケが出てワーッ!
と驚く・怖がるためだけの話では無く、

登場人物と登場する場所の
実在感と生活感も観客に充分に想像させた上で、
怪異へと近づいていく。

ごくふつうな日常の流れの中に、
すぐそばに、
恐怖体験は潜んでるんだ、

そう思わせてくれるのが、
稲川淳二の怪談だと思う。


あと、私からすれば年齢は祖父の世代なので、

なんだか語部の方の話を聞いているような、
昔の話を祖父が教えてくれてるような、

そんな感覚もある。

ライブは特にそう感じる。

なんなら暗い会場であの声を聞きながら、
集中して頭の中に情景を思い浮かべていると、
むちゃくちゃ眠くなる。笑

だいたいライブは、
5〜6本の怪談を披露してくれるけど、

ご本人にもそういった声が
もしかしたら届いているのか、

中盤2本くらいは、
ちょっと笑いが含まれている話や、

怖いというよりまず…その怪我…痛い!
ってな話があったり、

怪談でもいろんなパターンで緩急を
つけてくれている気がする。

ラストには、心霊写真紹介コーナーもある。

これはなんだか寂しそうですね…

こーれーは…なんだかわざとらしいですね、
それっぽく撮っただけじゃないかなぁ。

毎年恒例、
水辺にまつわる写真を紹介した後、

稲川淳二
「今日はじめて見に来た方います?
 あー、あなた。今日お風呂入る時に、ね。
 風呂ふた開けるでしょ、そん時に…こう…
 湯船から顔が…ね、思い出してね、ねー!」


…なんてお茶目なおじちゃん!笑


こんな感じで、ライブは意外とアットホーム?
ライブの最初と最後は、
みんなに手を振りながら、
行ったり来たりする稲川淳二。

年に1回、好きな親戚のおじちゃんに
会いにいくような感覚。

よっぽど怖いのがイヤ!キライ!
オバケって言葉で夜も眠れない!

みたいな人でなければ…
是非1回は足を運んでみていただきたい。

こういう話はなんだか寂しいけど、
なかなか高齢だから、
急に中止とか、
来年はもうやらないとか、
無いとも限らない。

私は、いつか行きたかった水木一郎のライブに
結局行けずじまいで、ものすごくつらい。

なんとなく気になるなぁ…と思ったら、
ぜひホームページだけでも確認する事を
オススメする。

え、近所きてるじゃん!知らなかった!
行けちゃうじゃん!

とかきっとあるから。

私は宇都宮に行きがち。

怪談怪談言ってきたけど、
なんやかんやで、

私は怖い話聞きにいくぞ!

というよりは、

今年も稲川淳二に会えるの楽しみ!

って気持ちでライブに通っている。

気持ち高めるために、ライブ前の数日は、
仕事中・ドライブ中含めて、
だいたい7〜8時間くらい稲川淳二の怪談を
聴いている。

最近はサブスクにもあるし、
同じ話でも公演によってはセリフ回しが
違ったりして楽しめる。

てゆーか、同じ話の同じ公演でも
何回も繰り返し聴けちゃう。

…落語みたいだね。笑

(落語だったら桂歌丸さんの"竹の水仙"が好き)

落語といえば、
歌丸さんも円楽さんも生でみられなかったな…
浅草に
林家木久扇さんの出る回を見に行ったら、
お休みだった時あったな…
林家ぺーさんの漫談は見られたけども。

…話を戻しまして。

とりあえず稲川淳二が
気になる方は是非!会場へ!

いまがまさに予約開始する時期なので!
ホームページ要チェック!

試しにサブスクで聴いてから…
でも何聴いたらいいかわからん!
って方は、

うーむ…

定番な話は…

・ゆきちゃん
・開けちゃいけない

あ!聞いた事(みた事)あるかも!
ってなるかもしれない話は…

・姉妹人形
(ほとんど内容はメリーさん)
・いっちゃだめ
(たぶん再現ドラマとかやってた)

たぶん一番有名で長めな話は…

・生き人形

怪談なのにちょっと感動がある話は…

・数学書のあとがき

・北海道の花嫁

(稲川淳二の怪談selection2が感動系特集なので
上記以外も良い話)

あたりだろうか。

ちなみに私がなんだか好きな話は、
タイトルはわからないけど、
2年前くらいにライブで聞かせてくれた、

隣の部屋のケバいババァ

みたいな話がなんかオチも含めて印象に
残ってるなぁ。

大学生がアパート暮らしで
隣の部屋のおばちゃんとそれなりに仲良くなる。
ある日、大学生が風邪で寝込んでいると、
おばちゃんが看病をしてくれた。 

…玄関のカギ閉めてたはずなのに……

翌日、おばちゃんに会うと、
昨日は見かけなかったけど、どうしたのー?

ん?じゃあ昨日入ってきたのは誰?

…数年後、社会人になって
久しぶりにアパート近くの喫茶店に寄った。

マスターになにげなく、

あそこのアパートにケバいおばちゃんいましたよね。
って聞いてみると、

あぁ、ケバいおばちゃんいましたねぇ。
と。

まだ、あのケバいおばちゃんいるんですかね?
って聞いてみると、

あぁ、ケバいおばちゃん、まだいるんですかねぇ。

と、言った。

終わり。

え!終わり!?みたいな。笑
記憶しているのを書いたので、
正確な内容ではないと思うけど、

実は隣人はおばちゃんオバケで!
オバケだからカギいらず!
数年たったけどまだ隣の部屋にいるかもね!
地縛霊っぽいし!

みたいな余計な事は言わないのが良いよね。笑
実際はどうなんだろ?

テレビ貸し借りしたり、
ご飯たべたりしてたはずだから、
オバケとかじゃなくてただの人なのか。
どっか聞き逃してるのかな?うーむ。

ま、それはおいといて。

試しにオススメな話、聴いてみると、
コレならライブいけるかも!
コレならやめとこう…
とか目安になると思うので、是非。


長々と書いてしまったので、
この辺でおわりにしとこう。

どこか会場で私を見かけたら、
稲川淳二の好きな怪談、教えてね。

では。

…あ、余談ですが、
本人もインタビューかなにかで言ってましたが、

こわいなーこわいなー

は、言わないらしいですよ。

モノマネする時は、
こわいなーこわいなーを使わずにマネすると
ちょっとクオリティ上がるぞ!試してみよう!

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