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岡田の話②

高校を卒業し、僕は岡田と京都の予備校で浪人することになった。

そもそも岡田と仲良くなったきっかけは、高校1年の1学期の中間テストで世界史の点数が僕ら2人だけあまりに悪すぎたからだったから、それからずっと学力はクラスの下の方で2人とも大体同じくらいで、予備校のクラスも一緒で。
高校の時よりももっと2人だけでいる時間が長くなった僕らのその時のブームは、おぎやはぎとバナナマンのラジオを聞くことだった。

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岡田の話①

岡田は、僕が会った中で1番変で、1番面白いやつだった。

僕らの高校は高校3年間クラス変えがなくて、だから岡田とは3年間クラスが一緒だった。
岡田は1番仲の良い友達で、2人で放課後マクドナルドに行ってどっちがシャカシャカチキンに辛い粉をたくさんかけて食べれるかとか、2人で一緒に入った塾の自習室でどっちがより多く寝れたかを競ったり、お互いそういう1番しょうもないことをする間柄であった。

岡田は変わ

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桜井の話③

まず、学校で一番お笑いに詳しいやつということで目立とうとした。

そもそも小学生の時から親のお笑い英才教育のせいでダウンタウンがとにかく大好きで、周囲がアニメや漫画の話で友達と盛り上がってる中、僕のグループだけは「昨日のガキのフリートークがいかに面白かったか」で盛り上がっていた妙に背伸びした小学生であった。

そういったお笑いのDVDを大量に持っていたりもしたから、クラスの友達に貸したり、最近見た

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桜井の話②

相変わらず目立つのが好きだった中学生の僕も、サッカー部のキャプテンをやったり、文化祭で友達と一緒に女装してステージに出たりした。
ただ一方で、不良ぶって授業を抜け出したり、他校の生徒とトラブったり、悪い目立ち方もするようになった。

散々親に迷惑をかけて、一部のクラスメイトにも疎まれて、それでも自らを省みずに悪目立ちすることを止めなかったのは、単に勉強も運動もそれなりに上手くいっていたからであった

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桜井の話①

僕は、小さい頃から目立つのが好きだった。

今でも覚えてるのは、小学校の時の話。

僕が生まれ育った滋賀県には、皆さんご存知琵琶湖という日本一大きい湖がある。というか、湖しかない。その湖の上で、まぁ実際には船上で、1泊2日過ごすというフローティングスクールなるものが、滋賀県の小学校では多分定番のように行われている。
そのプチ修学旅行のような催しでは、行程の最後に誰かが代表でスピーチをしなければい

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