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【Sintra9/シントラ9】シントラ宮殿、続き。

腹ごなし気分で立ち寄ったシントラ国立宮殿であったが、見学できる部分が最初の部屋にあった模型全部ではないとはいえ、随分部屋数の多い宮殿である(まぁそりゃ宮殿だからさ…)。

さてこちら、「ガレー船の間」。ここは天井が丸くて、17世紀に描かれたポルトガル、オスマン帝国、オランダなど各国のガレー船を描くのは、きっと重要な出来事があったからに違いない。
ポルトガルは、他文化と平和的に交流する傾向が強いと考えられていて、実際に交易はインド洋太平洋などでも行われ、対立と議論、対話、思考、あらゆる目的で使用されたというこの部屋。それを理由づけるかのようにここには、イスラムの影響を受けたと思われるタイル、プレートに始まり、イタリアのルネッサンスモデルに沿ったパターンのタイルなど、様々な時代と様式の品がある。

どの船にも国旗が描かれていて、どの国の船かわかるらしい。


いつ見てもくらくら目が回りそうな螺旋階段。

でも好き😍


窓からチラ見した庭園。形に意味があるのかと思うけど、特になさそうだ(おぃ)。


ガレー船の間とその隣の部屋のいろいろな展示品や肖像画などを経て、
こちらは「紋章の間」。マヌエル1世の君主の理想を最も表現したものだそう。その証拠(?)に天井の中心に自身の紋章を置いている。その周囲にある紋章は最も重要な家系のものだけで、全部で72あるんだって。

どどん。

この王宮でいちばん重要とされている部屋、ってことは一目瞭然。力の入りようが違う。壁にもぎっしりいろいろな風景のアズレージョが。

ここに座ってじっくりご鑑賞ください、と。
こんな感じで各貴族の紋章が。
アズレージョの部分は比較的平和というか日常のモチーフが多かった気がする。
にしても90度に曲げても飾るんかいw


この後、アフォンソ6世国王の間や、寝室、広間などを通って、
パラティーナ礼拝堂へ。
イスラムの影響を残す天井、セラミックのタイルに鳩がいっぱい描かれていたり、と興味深い見どころがたくさんあるものの、宮殿の一連の修復プロジェクトの真っ只中、現在ここが修復中。下には降りられなかった。残念。

構造の診断をした上で、学術的な二段階アプローチによって全面的に修復が行われているんだそうな。

ここは評議会議室の控室。通称アラブルーム。実はここは人魚の間や礼拝堂と繋がっているらしい。…わかんねぇよ、どんな造りだよ…

裁判や評議会前に逃げ出す人とかいなかったのかな…


次の評議会室(裁判官と国王の顧問会議が行われていたとされる部屋)を通り、階段を降りるとキッチンへ。
シントラは王族の狩猟が行われる場所であり、ここは宴会用の獲物の料理場といったところ。最大29人の料理人がいた。鍋などは当時のものをそのまま展示。

ちなみに写真撮れなかったけど、宮殿の外から見える2つの白い塔は、ここから出ている煙突なんだって。塔ではなく実は煙突だということで。ちゃんちゃん。


中央パティオは(今回のカバー写真)、螺旋階段から宮殿の上の階に直接行けちゃう抜け道w
下の場所は「水の洞窟」と呼ばれていて、壁の小さな穴から水が出てきてたらしい(あれ、今も?)。天井には天地創造が、端には四季は神話のテーマが描かれているそうだ。見忘れちゃった。


お、ここにもアズレージョから水を吐く男が(言い方)。

この横には小さなプールのような池のような水場があった。涼しげ。

アズレージョは2次元、3次元どちらのものも美しい。色も模様もバラバラなのに、なぜか全体的に不思議なまとまりを感じる。

なーんていいつつ、全く詳しくないんですけどね、この世界😅
ただただ見て美しいと感じたものを愛でるだけで。


さて、最後に庭園へと。例の○とか☆とか△の形にカットされたこれは生垣というんろうか…?

真ん中奥にはマヌエル様式のねじり柱が。
中央パティオにもありました。縄のようなねじねじがポイント。

覗くよまたしてもw ここでは上を仰ぎ見て。

…いや、形の統一感…あるんだかないんだか。でも綺麗にカットされているから、いっか。

なんかの記号でもなさそうだし…。

庭園からは町と山、その向こうにムーアの城跡と見事な眺めが一望できる。

というわけでシントラおしまい。宮殿2つと城跡登山はなかなかハードなスケジュール。これにレガレイラ宮殿も併せて1日でまわっちゃう強者もいるようですが、私には2日間がちょうどよかった。
ちょっと離れたバスルートのほうにも他の美しい宮殿がいくつかあって、そちらもよさそうなので、お好きな方は数日かけてじっくり楽しむのが良いかなと思ったシントラ。小さい場所なのに(坂と)見どころがギュッとつまっておりました。

(了。リスボン編へ〜)


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