poesia sin fin

アレハンドロホドロフスキー監督の最新作『エンドレス・ポエトリー』を鑑賞しました。あらすじ等はリンク参照。
以下若干ネタバレ含むかも感想。




話は監督の青年期を描いた自伝映画です。抑圧された環境から自分を解き放ち、詩に身を投じて『生とは』を訴えています。カルト映画の巨匠なので表現は強烈。強い画の連続で少し頭を使わ無いと、何のこっちゃ状態になるので、少し疲れました。難解そうでしたが、メッセージとしては先述した『生とは』・『生きる事』なのでシンプルです。そして、強かったです。

青年アレハンドロが様々な芸術家と交流し、発せられる詩と共に伸び伸びとする様が主に描かれていますが、あまり感情が描写されてる場面は多く無かったです。終盤になり、ようやく自身の感情を爆発させます。自虐、生きる事への虚無と矛盾、怒りなどなど。観ていて自然と彼に自分を重ねていましたし、そういう人が多かったのではと思います。そこへ現在のアレハンドロ・ホドロフスキーが、若き日の自分である主人公に語りかけます。語るのは彼自身へでもあるし、観客である私たちにも投げている言葉です。それがこの映画の答えというか。上手く言え無いですが、「生きていいんだ」という肯定、救済を感じました。

死によって何もかもが失われるなら、最初から存在している全ての事が無駄の様に感じます。ですが、アレハンドロホドロフスキーは老いと共に死に近くなる程、人間の持つ欲が不必要となり、只の個体だけになる。つまり『生』そのものになると。生物にとって、それが完全体だと。だから生きている間は何だって可能性はあるのです。映画序盤で監督は「自分を生きるのは罪じゃない。」と言っています。

そう信じていいのなら、まだ、図太く生きていようと思えました。

#映画 #エンドレスポエトリー #アレハンドロホドロフスキー #映画感想

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