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田舎暮らしをあなたはできるか?

田舎に住むのに必要なモノ

私は元々群馬のまあまあの田舎町(人口11万人程度)出身で、田舎暮らしを切望していたわけではなくたまたま人口4万人弱の北信州の田舎に移り住んだ。田舎とはいえそれなりにチェーン店もあり、まったく何もない田舎というわけではないので生活に不便を感じることはあまりない。映画に出てくるような田舎暮らしに対して特別な憧れもしくは嫌悪感があったわけではなくフラットな状態で移住した。移住して数年が経って田舎暮らしをするにあたって必要なことがわかってきた。

まず絶対的に必要なことが「コミュニケーション能力」である。意外に思われるかもしれないがこれがとても重要なスキルになってくる。私の住む地区では大体の人の顔と名前がお互いに一致しており家の場所でさえ把握している。どこどこの誰々さんといえば話が通じるものである。つまり都会暮らしに比べると圧倒的に近隣の人との距離が近い。近年、地方の自治体はUターン移住者、Iターン移住者などを積極的に募集したり、メディアなどで都会出身者が仕事をリタイアして田舎暮らしに憧れて移住する人の話も聞くが、失敗するパターンの大きな要因を占めるのがこの人との距離が近いという部分であるのではないかと思う。

私が移住したての頃、畑仕事を手伝っていたところ「誰だ?あの若いあんちゃんは?」ともっぱら近所で噂になっていたと後から聞いた。もちろん話かけてくる人もいたが、そうはせずとも皆しっかりと見ているんだなと思ったものである。顔も名前も知った人が住むエリアにいきなり誰だかわからない謎の若者が畑仕事をしていればそれは誰しも好奇の的になるだろうというのは今になればよくわかる。移住して5年ほどになるが地域集まりなどに積極的に顔を出すことで、ようやく「得体のしれないやつ」という看板がはずれたのではないだろうか。このような体験は田舎暮らしならではだと思う。自分から地域の輪に入っていくということができるかどうかが田舎暮らしを成功させる1つの大きなポイントではないかと思う。だからこそのコミュニケーション能力なのである。

もし田舎に移住しようと計画している人で、「人とコミュニケーションをとるのが嫌だから田舎暮らしをする」という理由であれば、あまりおススメはしない。この大前提をクリアできるか否かであなたが快適に田舎で生活できるかどうかが決まってくると思う。

田舎生活に不可欠なコミュニティー

消防団、地域行事、区政など都会にもあるが、田舎はより距離が近く生活に深くかかわってくる。私は移住してきて地区の運動会があるということにとても驚いた。用水路の掃除も年に数回ある。

あなたが若手であれば、消防団、地域行事の活動は不可避になってくるはずだ。私は東京に6年ほど住んでいたがいずれも全くかかわったことはない。既述の通りいかに自分から輪に入っていけるかどうかがポイントで積極的に参加すればするほど地域住民に受け入れられ歓迎されるだろう。私としても意欲があればぜひやったほうがいいと思う。一方で自らの生活の少なくない時間と労力を捧げることになる。消防団や地域行事で時期によっては毎晩のように夜は会合という日が続き、家を出るたびに奥さんから冷たい視線を浴びせられるというのはよく聞く話だ。(大抵はお酒を飲んで帰ることとなるので余計に怒りを買うのだろう。笑)

かくいう私は、消防団には入隊せずに、地域のお祭り(芸能保存会という)に参加している。これは夏のお祭りの際に笛や太鼓の楽器を演奏するもので、活動は夏場の2か月ほどに限られる。当然消防団のお誘いもあったのだが、丁重にお断りした。既に複数の農業関係の組織と青年会議所にも参加しているため、いくらなんでも家族との時間が取れなくなってしまうためだ。地域の活動はどれも必要で、少子高齢化が進む昨今では組織の維持が非常に困難になっており私のような若手は必要な人材であることは承知している。ただし自らの生活に支障をきたしては元も子もなくなる。自分でどうバランスをとるかをしっかりと判断をする必要がある。そのような部分も含め普段からの地域の中でコミュニケーションと信頼関係作りが重要なのだ。

話は少しそれるが知っておいてほしい部分として、田舎暮らしでは酒・タバコ・下ネタはとても重要だ。これらはコミュニティの会合に必要不可欠なものである。私は酒は弱いタイプ、下ネタはまあまあなタイプである。笑 なによりタバコが苦手でこれがとてもつらい。昨今の都会では喫煙者が肩身の狭い思いをしているのは周知であると思うが、田舎ではそれがまったく逆であるということ。喫煙者が多く、分煙も都市部ほど徹底されておらず会合によっては「ボヤなんじゃないか?」というレベルの白煙漂う室内で飲み会が催される。風呂に入っても翌日髪の毛が臭かったり、スーツやコートなどは1回着たらクリーニング送り。受動喫煙量も相当であろう。こういったことも田舎を生きていくうえで知っておいてほしい情報だ。

田舎ならではの良さ

もちろんいい面もたくさんある。私のような若者はじいちゃんばあちゃんから話しかけられることも多く、農産物などをたくさんいただく。旬で一番おいしく栄養価のある野菜や果物、場合によっては料理をいただける。これは本当にありがたいし嬉しい。春のアスパラがいかに柔らかくて甘く、野沢菜の漬物やキノコの炊き込みご飯がどんなにおいしいか…これはぜひ田舎に遊びに来て体験してほしいところである。また、サラリーマン生活では得ることができなかったであろう友達や知り合いが増えるというのも素晴らしい点だと思う。都会暮らしのあなたは知り合いの作るお米や野菜を食べられますか?それができるということはとても素敵なことではないだろうか?

それと家のすぐ前の用水路には小魚や沢ガニ、場所によってはホタルもいてザ日本の古き良き田舎という素晴らしい環境も最高です。人里にもハクビシン、キツネ、狸、はいるし、少し山に入れば鹿、イノシシ、猿は普通にいます。一度車に乗っているときにカモシカと並走したこともあります。笑 人によって生き物は嫌いという意見もあるかとは思いますが。(ちなみに寒い地域なのでゴキブリは今のところ見たことがありません。)子どもをのんびりと育てるにはすごくいい環境なのかなと思います。

僕は田舎暮らしが好き

いくつかの視点で書いてきましたが、結局僕は田舎で暮らすことが好きでとても満足しています。田舎ならではの良さで挙げた点は僕にとっては本当に重要で必要なことです。割と人と接するのが好きな私にとって田舎暮らしはとても合っていると思う。あなはたどうでしょうか?

まだまだ他にもいろいろとあるとは思うのですが、まずはこんな感じで。

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