花砂かち

20代の前半頃まではアニメおたくをしていまして、せっせとイベントとかに通ったり友達の同…

花砂かち

20代の前半頃まではアニメおたくをしていまして、せっせとイベントとかに通ったり友達の同人誌に小説を書いたり正しいオタ活をしておりました。 出戻りSE.の元介護士 30代後半、いろんなものを拗らせてしまった今、人生に悩んでいます。

最近の記事

[読書]ヒロシマを暴いた男 米国人ジャーナリスト、国家権力への挑戦

日本の学生なら必ず一度は原爆被災者の声を聞く授業があって、そこで原爆がどれだけ恐ろしいものかということを教育されてきたと思う。 僕も小学生、中学生の時に学校に被災者の方が来て当時の話を聞いていました。 また、広島に原爆が投下された際の様子を映像化した作品も多くてたくさん観ていたので原爆の恐ろしさを未経験ながら十分知っていると思っていたのですが、この本を読んでまだ分かっていなかったと感じました。 当事者から聞く話より、当事者を取材した人について書いた本から伝わる恐ろしさの方

    • [読書]命をどこまで操作してよいか:応用倫理学講義

      第2章 動物で人の臓器を作ってよいか この表題を見るまで気づかなかったのだが、これってファンタジー小説でよくある「キメラ」の作成の話だとわかり驚愕してしまった。 なまじ医学知識がないためスルーしていたのだ。 難病が治るとかあるならいいことだくらいにしか思っていなかったのだが、確かにこれは難しい問題だ。 そもそも人の命を助けるために他の動物を実験材料に使って良いのか? ネズミを使うのは大して気にならない。 豚も気にならない。 野犬を捕まえて使うのは少しモヤモヤする。 でも人の

      • [読書]お笑い公文書2022 こんな日本に誰がした! プチ鹿島政治コラム集

        プチ鹿島さんは本の中で新聞を14誌購読しているとおっしゃっていて、コラムも新聞の読み比べを元にした考察などを元に書かれています。 コロナのワクチン対策なども、この新聞ではこう書かれていてこっちでは・・・と書かれると、当時そんなことあったなぁと思い出すと共に当時とは違う視点で出来事を振り返ることができたりして新鮮に感じました。 本屋では政治評論のコーナーに置いてありましたが、難しい法案について語るとかではなく下世話な感じで政治のあれこれを面白がっているので普段、政治を見ていな

        • 「ばらまき」その後を調べてみた

          以前、この本を読んで感想を投稿したのだけど、現在どうなってるのか気になって調べてみた。 2022/2/7に検察に協力して不起訴になった議員らに対して再捜査の手が入ったようだ。 当時、一律不起訴となった100人のうち、広島県議ら35人を「起訴相当」としたとのこと。残りの75人との違いは何だろうと思ったら下記の記事に判断の基準らしきものが。 つまり10万以上の金額を受け取り、悪いことをしたと認めながらも議員辞職をせずに変わらず議員を続けているもの、返金したタイミングが遅くバ

        [読書]ヒロシマを暴いた男 米国人ジャーナリスト、国家権力への挑戦

          [読書]ルポ路上生

          この本を読んで、年金をもらいながらホームレスをしている人がいるというのを初めて知った。何となくだが、年金をうけとるような人は金銭に困れば役所などに相談してホームレスにならない生活をしているのだと思い込んでいた。 確かに厚生年金などがもらえず、年金額が月七万円程度の人が生活保護を申請し、月13万程度の金額を貰えたとしてもその金額でアパートに住むと七万円も自由に使えるお金は無くなってしまう。 ネットでは手取り13万円の若者が生活に苦しんでるなどのニュースに対して「俺なら十分生活

          [読書]ルポ路上生

          [読書]解剖 加計学園問題――〈政〉の変質を問う

          最近、安倍政権時代の不祥事に関する書籍を読み進めている。 「加計学園問題」とは、学校法人「加計学園」の獣医学部新設の経緯をめぐる様々な疑惑に関する問題のことだ。 複数の大学が獣医学部の新設を申請していたにも関わらず、「加計学園」が選ばれた経緯に関して、「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」などとして加計学園獣医学部の新設を内閣府の幹部から強く主張されていたと言うことが当時の文書から明らかになった。 その直前、日本中を騒がせていた森友学園問題と同じように、公平に審査し

          [読書]解剖 加計学園問題――〈政〉の変質を問う

          [読書]シリア難民

          初版は2016年11月25日発行。 少し前の本。 この本を読むまで「難民」について甘く考えていたと思う。 「難民」と呼ばれる人達は皆、戦争や貧困などで故郷で生きていくことが困難な人たちが他国に庇護を求めてやってくるのだと思っていた。 しかし、この本を読むと認識を改める必要があると感じさせられる。 彼らは故郷を出た時にすでに一度死んだのだという。 だからEU諸国へ行くためには砂漠を横断し、密航業者に大金を払い命の危険を顧みずに渡航する。失敗しても命がある限りは諦めない。 何

          [読書]シリア難民

          [読書]家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像

          凄惨な事件が起きたとき、ワイドショーでは何が犯人をそうさせたのかと犯人に異常性を探そうとし、自分達はそうでないと安心したがる。 気持ちはわからなくもないが、本当はその逆をしなければならない。 悲惨な事件が起きたとき、犯人を異常者として片付けてしまうのではなく、いつか自分も犯人の立場になるかも知れないと危機感を持つことが再発防止につながるのだと思う。 本書を読み終えて改めてそれを思う。 無期懲役を望むために人を殺すと言う犯行動機はそれだけを聞くと理解できないが、犯人の生い立ち

          [読書]家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像

          [読書]実力も運のうち 能力主義は正義か?

          マイケル・サンデルの本を読みました。 僕は日頃から日本のさまざまな福祉の問題に興味があって、最近は本を読んだりして勉強をしている。 そこで日々考えているのですが、「能力主義」は平等ではないと思います。 能力のある人は頑張った結果なのだから報われるべきだ、能力のない人も頑張ればいいだけなのだから能力のあるなしで判断して何が悪いと思う人がほとんどではないだろうか。 でも世の中には頑張れない環境にいる人が大勢存在することを僕らは知っているはずなのだ。 豊かに見える日本でさえ、親

          [読書]実力も運のうち 能力主義は正義か?

          [読書]時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。

          相撲・音楽ライターの和田静香さんが国会議員・小川淳也に取材し政治の疑問をぶつけるという本。 政治について語った本は数あれど、大抵は専門用語が飛び交い知ってて当たり前という体で語られる部分が大多数の中、本書は政治のことを全く知らないという和田静香さんがわからないことをわからないまま質問し、返ってきた返事に憤ったり、納得したりというスタイルで描かれている。 タイトルの通り「時給はいつも最低賃金なのに納得がいかない」というところから政治の話に発展していくため、普段政治にあまり興味

          [読書]時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。

          [読書]群衆の智慧

          この本は最初「「みんなの意見」は案外正しい」というタイトルで発売されていたが、タイトルを変えて再販されている。 ちょっと驚くような話で、要約すると専門家が話し合って出した結論よりも、子供からお年寄りまで男女関係なく集めた群衆で出し合った意見の方が正しいことが多いという話。 今、あるコロナの問題にしてもすぐに専門家の意見を聞きがちだけど「机上の空論」と言う言葉もある。僕は専門家じゃないから意見を求められても答えられないのだけど、実はそれは理解していないだけで正解につながるヒ

          [読書]群衆の智慧

          [読書]ばらまき 河井夫妻大規模買収事件 全記録

          言い方は悪いかもしれないけど、今の日本で一番のエンターテイメントは安倍政権ではないかと思っている。 ”事実は小説よりも奇なり”というけれど、安倍以降の政府与党のやってることはどこをとっても奇想天外で予測不可能なことが多い。 「河井夫妻大規模買収事件」は安倍政権の問題というよりも日本全体に昔から蔓延っている不正選挙問題という気もするけれど。 今回は中国新聞「決別 金権政治」取材班の「ばらまき 河井夫妻大規模買収事件」という本について感想を書こうと思う。 事件の概要や公判に

          [読書]ばらまき 河井夫妻大規模買収事件 全記録

          [読書]スクールセクハラ

          2022年2月16日現在、Kindleでセール中だったので本日はこの本を取り上げたい この本での被害者は全員女生徒だ。男子生徒が被害者となるケースは取り上げられていないのでそちらは別の話として置いておく。 教師を「聖職者」などと呼んでいる人にとってはなかなか衝撃的な本だと思う。 小学生の女の子までを恋愛対象として錯覚する男性教師までいるのだから。 そして彼らは、自分たちが生徒にとって絶対的な権力者として見られていることに無自覚だ。子供たちが教師に優しくすればそれを対等な愛

          [読書]スクールセクハラ

          [読書]嫌われた監督

          僕は野球に興味がない。 子供の頃からオタクだったのでプロ野球には好きな番組が中止になるという理由で憎しみすら抱いていたりする。 だからニュース番組でもプロ野球の話題になればチャンネルを変えるし、新聞のスポーツ欄など見たことがない。 でも、なぜか名前だけは知っている野球選手というのが何人かいる。 「イチロー」や「清原」「野茂」などがそうだ。 本当に不思議なんだけど彼らには好感を持っていたのも覚えてる。 プロ野球中継を憎んでいるのに。 「落合博満」の名前も現役時代から知ってい

          [読書]嫌われた監督

          [読書]それでもあなたを「赦す」と言う——黒人差別が引き起こした教会銃乱射事件

           「それでもあなたを赦します!」は、犯人のディラン・ルーフの保釈審問での被害者遺族の発言だ。「赦す」というのは決して情状酌量を求めるわけでもない、「神があなたを赦すから、私もあなたを赦す」のだという。その場で発言した人たちに犯人の死刑を望む声はなかった。  残念ながら僕には信仰心がないから彼女のような境地には立てないと思う。 身内にこんな悲劇があったら犯人の顔を見てこんなことはとても言えないだろう。 だけど僕も「死刑」は望まないと思う。 僕は「赦し」からではなく、死刑を望む

          [読書]それでもあなたを「赦す」と言う——黒人差別が引き起こした教会銃乱射事件

          [読書]ユニクロ潜入一年

          ちょっと古い本の紹介から始めたい。  僕は女性アイドルが好きで「地下アイドル」と呼ばれるインディーズのアイドルグループも応援している。  最近はTwitterなどで「地下アイドル」が内情を告発することで、ひどい労働環境が明るみになるケースが増えており、運営からアイドルへの金銭面の支払いがなされていないという訴えはよく目にする。なかにはアイドルが辞めようとすると違約金を請求しようとしたり、2度とアイドル活動をするなと脅しをかけるようなケースも多い。 これだけ告発が相次いでも

          [読書]ユニクロ潜入一年