君には悩みがあるか、私にはある。

この世の人間に蔓延る悩みは多種多様、人間関係、学校、仕事、家族、恋愛
皆ほどほどに人生に疲れ、生活に細やかな倦怠感を拾い上げている。
些細な悩みというのは時間と共に肥大していく、笑っちゃうほど大きな怪物に変わっている。何にもしていないのに疲れて希死念慮を抱くのはそいつらのせいだろう。”何もしていないこと”が自分を苦しめる。


そんな時私がすることは、提出期限を過ぎた課題を片付けることでも、怒らせてしまった友人の機嫌をとることでもない


この屋上駐車場に登り、空気を感じることだ


端的に言うと風を受けながら行う深呼吸である。
山形県山形市七日町にある屋上駐車場は不思議だ、空のご機嫌関係なく奇妙な安らぎがある(私だけかもしれないが)

七日町は県庁所在地の駅周りなので建物が集まっている。どのビルも程よくくたびれ、独特の雰囲気を醸し出していた。
必要以上に私を見ず、責めず、肯定も否定もしない、小学校の下校でおかえりと声をかけてくれる近所のおばちゃんのようだ。

その中で体に心地のいい風を受け、深呼吸をする。
古びたコンクリートの息遣い、いつまでも若々しく思える新緑の揺れる音。
それらを体内に循環させる。
七日町の不思議な空気が自分の中で肥大化した悩み、心のズレを時間をかけて少しずつ元に戻していく。元の自分に戻っていく。肯定も否定もしない、ジャッジのない空気の世界がそこにある。