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その作品が面白いのは、それを生み出した人が面白いからなのか。



最近、朝井リョウさんにドはまりしている。



『何者』から始まり、『何様』『世にも奇妙な君物語』『学生時代にやらなくてもいい20のこと』などの本をこの1週間、いや約4日間で読んだ。


高橋みなみさんとやっているラジオ『ヨブンのこと』も毎週聞いている。


朝井さんは、トークがとてつもなく面白い。かなり陰湿な(笑)観点から物事や人を分析して、それらを言語化する。そしてそれだけじゃなくて、話が面白い人にあるあるの、”間”や”声色の使い分け”、”抑揚の付け方”などが本当にほんとうに絶妙。すごい。おもしろい。


(ちなみにわたしが個人的に思う、話が面白い人の一番スゴイところは、おもしろいことを、自分で笑わずにちゃんと噛まずに言えるところ。明らか面白い事言ってて、自分でも面白いって思ってるだろうに、スゴイな~~と思う。)



基本的にはふざけた内容を話しているラジオだけど、時には真面目に、さすがとしか言えないような言語化能力で、世の中の問題や、ある出来事について語ることもある。

適当に話している様にも聞こえるが、人へのリスペクトとか、分析力と言語化能力の高さとか、ここまではOKというボーダーラインがちゃんとしているなと感じるから、安心して笑いながら聞ける、本当に好きなラジオだ。



このラジオで朝井さんの面白さを知ってから読む彼の小説は、なんだか一味違う。ラジオの中で話される、ヒトの行動に対する分析や、ちょっとナナメに物事を見る姿勢が、物語の中のあらゆるところで見え隠れする。

小説のこの部分、あのラジオで話してた視点と似てるな~とか、このセリフ朝井さん言いそうだな~とか。



なんだか朝井さんを前より少し知れたことで、小説に書かれている物語がより鮮明になった気がする。

『何者』や『何様』は決して明るい話ではない。しかし、以前読んだ時よりも、登場人物のドス黒い感情とか、就活やSNSを取り巻くいや~な”ホンネとタテマエ”の感じとか、そういうものがより一層頭の中でイメージできるようになったのかな。前よりも良い意味で感情をグラグラと揺り動かされながら読めている。



作家の性格をあまり知りたくないという人もいると思う。変な先入観を持ってしまい、その小説の中の世界を純粋に楽しめないから、と。

たしかにそういう意見もあるんだろうな。そう考えると、私はもしかしたら”純粋に”物語を楽しめていないのかもしれない‥。



‥だけど正直、「ま~それでもいっか♩」と思ってしまうほどに、朝井さんはおもしろい。ラジオで聞く朝井さんの面白さも、朝井さんの生み出す小説の面白さも、両方欲張りに楽しんでいきたい。








ありがとうございます。がんばった日の、コンビニスイーツを買おうと思います。