見出し画像

私が変わることは、世界を変えること。いつでも小さな第一歩。




 この記事を書き終え、掲載を迷っていた最中に、敬愛する緒方貞子さんの訃報が届いた。国連難民高等弁務官、国際協力機構の理事長としてのご活躍にいかほど感銘を受けたか知れない。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 また、これも一つの契機と捉え、下書きに埋めようと思っていた記事ではあるが掲載する。
 私が変わることは、世界を変えること。いつでも小さな第一歩



--------------------------

 この春に受けたファシリテーション講座で、JICAの方とお会いする機会があって、国連の持続可能な開発目標「SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS(世界を変えるための17の目標)」のシールシートをいただいた。私自身が17の目標の何をめざしているとかは特にないのだけど、職場で、自分のデスクマットの一番目に入りやすいところに挟んである。
 私の意識が高いわけではない。だけど、無意識に刷り込んでおこう、とは思っている。高校時代、頑として電子辞書を使わず、紙辞書を持ち歩いたのとほとんど同じ理由だ。


 JICA(国際協力機構)は、中学生のときから私の憧れで、ずっと働きたいと思っていた。だから元々、高校の志望校は国際系進学校、大学の志望校は某外国語大学であったし(親とすったもんだの末どちらも受けられなかったけど)、元JICA職員が受け持っていた国際関係学(ODA)も受講していたし(大学生活の中で一番難しかった)、新卒採用試験も受けたし(落ちたけど)、青年海外協力隊にも挑戦した(予備隊員にはなれたが席は空かなかった)。二十代半ばに入社した企業がたまたまJICAと共同事業をしているところだったので、秘書として先方の担当者とやりとりをしていたのだけど、どこの企業よりもすこぶるレスポンスが早くて「これが国際感覚!」と随分感動したものだ。やっぱりJICAに関わって仕事をしたかったな、と思った。

 その後、私は病気になったので、結局縁がなかったんだろうなあみたいな気持ちで、協力隊の広告を眺めていたりしたのだけど、この春、再びJICAの地方事務所の方とお会いすることになり、特段それがどうなったとかはないのだが(ここが私のだめなところ)、とはいえこうして細々とめぐり合わせがあることに、私にできる国際協力、を折に触れて考えるのである。


SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS
世界を変えるための17の目標


 1. 貧困をなくそう
 2. 飢餓をゼロに
 3. すべての人に健康と福祉を
 4. 質の高い教育をみんなに
 5. ジェンダー平等を実現しよう
 6. 安全な水とトイレを世界中に
 7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
 8. 働きがいも経済成長も
 9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
 10. 人や国の不平等をなくそう
 11. 住み続けられるまちづくりを
 12. つくる責任、つかう責任
 13. 気候変動に具体的な対策を
 14. 海の豊かさを守ろう
 15. 陸の豊かさも守ろう
 16. 平等と公平をすべての人に
 17. パートナーシップで目標を達成しよう

 引用:国際連合 / 国連広報センター


 改めて書き出してみると、驚くくらい日本政治の方向性と真逆である。
 SDGsはAgenda 2030、2015年から2030年の間にこの17の目標に向かって加盟各国は力を尽くしましょう、というものだけど、あと半年で2020年を迎える日本は現状、これら全てに対してきわめて逆進的であるので、あと十年の間にもしも日本政治が変わるなら2030年でようやくスタートラインに立てるのでは、というのが個人的な所感。奇跡的に2030年にスタートラインに立てたときには、もちろん、世界はすでにそのさきに進んでいるだろうけど。
 そう考えて、はたりと思った。

 私にできる国際協力って、まずは日本を変えることなんじゃないの?


 SDGsの17の目標の何を達成したい、みたいなのは、正直に言って、冒頭のとおりやはり具体的には特にないんだけど、ジェンダーの話や、ワープアである自分自身の労働環境の改善の話は、これまでにnoteでもしてきたとおりで、まず、個々人のこういう卑近な出来事の積み重ねが、17の目標の達成へつながる道の一つなのではないかな、と思う。誰も、グレタ・トゥーンベリのようになれ、と言われているわけではない。たぶん、個人が使用するペットボトルの量を減らす、それだけでも17の目標への道になる。

 だけど一番は、政治に参画すること。関心を持つこと、投票すること。
 国の主権者である自分を手放さないこと。

 が、世界に逆進的なこの国における、国際協力の第一歩、な気がする。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?