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『手漕ぎボート』ー詩ー

色なき風が吹く季節になると
誰も来なくなる。
枯れた葉が揺れて
一枚一枚落ちる音さえ聞こえる。

静まり返った湖畔は
忘れられた人と同じくらい寂しい。
強風に流されないように
私は縛り付けられている。

水面に映る景色は
どうしたって美しくて、
オールでかき混ぜてしまいたいくらい
嫉妬してしまう。

そのうち雪が積もって
私の化粧も剥がれ落ちる。
古くなれば目をかけてはもらえない。
悲しみばかりが積もる。

いつかの若い二人が乗ってきたら、
一番素敵な場所へ誘ってあげる。
それができたら、解体されるのもいい。

✴︎✴︎✴︎

書いて一年は経つ詩。
cofumiらしさとはこういう詩だと思っている詩。
斬新さはないので、蚊帳の外の詩。
詩誌への投稿は未発表になるので、諦めずに投稿してた詩。
皆さんの目にようやく触れらて、むしろそれを喜んでいる私。

#詩 #poetry #lyric
#私の作品紹介

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