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89|鞍馬 black cat day dream

Isa's friend's Tea ceremony

black cat day dream

□鞍馬

If no thiscamera,  I get lost 

 夕方、Isabelleとタクシーに乗り、鴨川に出て、そこから歩いて、鞍馬方面を広く散策する。
 ほとんど食事が終わる頃、Fosterがふらりと現れて、わたしは幾つか質問をした。“Why photographycamera, for you…? どうしてカメラを選んだの?”…のような。
 そのこたえの、ほんの一部。とても繊細でやわらかな表現で、大事なところが、もうほとんど、ことばで思い出せない…。
 
 New York出身の彼は、数カ国で活動したのち、日本に来た。東京で彼を受け入れたのは、ひとり暮らしのおじいさんで、小さなひと間を借りておじいさんと共に暮らした。ふたりで、主に、家と公園を行き来するだけの、とてもシンプルな、静かでゆたかな時間だった…と。

 その後、知る人もない京都へひとりで越してきて、Isabelleと出会うまでの1年ほどの間、彼はほかの(人間の)誰とも話すことなく、毎日、散歩ばかりしていたそう。
Isabelleと出会ったときには、人と話す方法言葉をすっかり忘れてしまっていて、戸惑った、と、言っていた。
Isabelleは、そのfosterから紡ぎ出されることば表現が、「It was so beautiful…」こんなひとがいるのか、と衝撃を受けた…と。

 「So many questions, I'm sorry…」と伝えると、「Absolutely, no ploblem. Your questions get me know myself. Thank you!」笑うと、顔が輝く。
 
 「明日は、京都に来た頃毎日歩いていた道を、一緒に歩きたい。」
初めて名古屋で会ったときにも、そう、言っていた。

Kamogawa at night    photo by foster mickley

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