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ポートレイトレクチャーシリーズ「2.明瞭度を下げすぎるとどうなるのか」

第一回目の「1.レタッチでシャドーを持ち上げすぎるとどうなるのか」に続いて今回は明瞭度のお話です。
明瞭度はシャープネスに似た機能ですが、シャープネスがエッジ部分に掛かるのに対し、明瞭度はより細かななテクスチャー部分に掛かります。

具体的に言うと、シャープネスは瞳の縁や眉毛などの輪郭をくっきりさせたりぼやかしたりするのに対し、明瞭度は肌の部分に作用するという感じです。

お肌の荒れなどを手軽に修正でき、肌が滑らかに見えるようになるため、ポートレイトで利用する人も多いでしょう。
特に最近のPhotoshopやLightroomではAIの進化により、簡単に顔の部分だけを範囲選択して調整することができるようになりましたので、以前よりずっと手軽にお肌調整できるのです。
ですので、以前より多くの明瞭度を下げたポートレイトを見かけるようになりました。

ただし、これもやり過ぎは絶対に禁物です。
肌を滑らかになると言っても、化粧品の広告のようなきめ細かな肌にするのではなく、肌全体をぼかした感じになります。
このため、やり過ぎると肌の立体感がなくなってしまうのです。
前回のシャドーを持ち上げすぎた場合も立体感がなくなると書きましたが、
シャドーの持ち上げすぎとは少し違った印象で立体感がなくなります。
シャドーの持ち上げすぎは、ハイライトとシャドーのバランスが崩れるために立体感がなくなるわけですが、明瞭度の場合は、肌自体の描写そのものが甘くなるため立体感に欠けるということになります。

では、明瞭度を下げていくとどうなるのでしょうか。
どれくらいいじるとどう見えるのかというのを複数の写真を比べながら検証していきましょう。

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