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もどったね

久しぶりに中学校の後輩に会った。
中学校はバスケ部と陸上部に所属して、その後輩。
高校も大学も違うんだけど、彼が社会人になった際に勤務地が埼玉県で、それから数ヶ月に1度くらいで会うようになった。

お互い結婚して子どもができてからは、家族ぐるみで動物園に行ったり、遊び場に行ったり。
つかず離れず、みたいな距離感の後輩。

そんな後輩が半年ぶりにやってきた。

LINEで私の状況について伝えてあったから、さぞかし落ち込んでると思った様子。
「やっほ〜久しぶり!!」
と元気に現れた私を見て、不思議なものでも見るような目つきをされた。

しばらく話していると、彼から、「ほんとは辛いんでしょ?なんでも言って??」的な雰囲気を感じられてきた。

いやいやいやいや。
離婚=不幸というイメージの型組に私を当てはめてくれるな、後輩くん。
期待を裏切るようで悪いのだが、私は元気で幸せなのだ。
だから私は力説した。
自分がいかに幸せか。

一通り私の論説を聞き終えた彼は、こう言った。
「先輩、元に戻ったね。」

彼の中の私は、ずっとこんなイメージだったらしい。
だけど、大人になってからの私からはそういうものが感じられなくて、変わってしまったなぁと思っていたそう。


中学の頃の私は、なんというか、無双してた。
それなりに自信があったし、自分は何にでもなれるって思っていた。
今思うと痛々しいほど、人生というものに前向きだった。楽観的だったともいう。

今は、自分にできることってほとんどなにもなくて、何者にもなれないってことを痛いほどわかっていて、そこそこの自信を削ぎ落とされているわけなんだけど。

それでも、「まだまだこれからだ」っていう気持ちは持っていて、それは中学生のあの頃の気持ちに通じるものがある気がする。

この、「幸せであることを諦めない自分」って、最近の私が頑張って手に入れようとしているものだと思っていたんだけど、結局私は、最初から私だったのかもしれない。

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