半分職人みっく

会津若松市生まれ。ゲームが好きでプログラミングの世界に飛び込み東京のIT会社に就職。し…

半分職人みっく

会津若松市生まれ。ゲームが好きでプログラミングの世界に飛び込み東京のIT会社に就職。しかし、中間管理職の壁に挫折し、後にサラリーマンを辞めて故郷に戻ることに。紆余曲折を経て現在は家業の漆器作りを父の工房で取り組んでいる。キャリアは半分SE、半分職人。

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    漆器づくりを始めてから色々と思うこと

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    俗に言う自己紹介(のような昔話)

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元SEが≪漆器の作り手≫になる(1)

はじめに突然ですが、 人類の歴史ってどのくらいの期間だと思いますか? 調べたら20万年と出てきました。とても長く感じますが、 では、「地球が誕生してから」というスケールでみたらどうでしょう。 こちらは46億年と言われているのでそれと比べてしまうと、非常に短く、かつごく最近の出来事だとわかります。 何が言いたかったかというと…。 私は今「会津漆器」を作る仕事に従事しているのですが、その仕事は同じように、私の人生の中において、つい最近の出来事だったりします。 私自身、年齢は重

    • 漆器店の倒産に思う

      衝撃 Google ニュースってヤツは、私の関心ありそうな記事をよくもまあ見つけてくるもんだなぁと感心します(笑)。 忙しい日などは、ゆっくりと新聞の紙面に目を通す余裕がないときもあり、それでも、地元会津のニュースや、おくやみ欄ぐらいまでは“立場上”見るようにはしていますが、なかなかすべての紙面に目が行き届かなかったりします。 そんな私は、パソコンの電源は毎朝入れてブラウザを起動するのが日課になっているので、ニュースサイトは否が応でも目に入ります。そして、 「あなた、昨

      • 漆塗りの工房で猫は飼えないのか?

        吾輩は猫好きであるインスタグラムなどのSNSではネコ画像やネコ動画をよく見てるせいか、 AIに「ネコ好き」がバレてしまい、おすすめ画面が猫まみれになってしまいました。 なんというご褒美! とはいえ、画面越しに見るよりはやはり直接触れたいというのが本音。 しかし、家で猫を飼ってはいない。 吾輩は猫好きである。 家では飼えない。 ペットの毛問題家で猫を飼えない理由として、 「漆を塗るから」 「ネコの毛がゴミになるから」 と長年(ウチでは)言われてきた。 でも、他の

        • 設計図を見せて欲しいんだ

          1年目の苦悩私が漆器づくりを始めたばかりの頃の話。 「金虫喰い塗(きんむしくいぬり)」という変わり塗をやっているのですが、その繊細な文様を研ぎ出しで表現するのにとても苦労しました。 というより、できませんでした。 完成品は嫌というほど目にしていますが、それと同じ感じにはどうしてもならない。 同じように研ぎ出し作業をしているつもりなのに、なんか違う! そもそも全く同じ模様になることはあり得ないのですが、それを差し引いても許せない出来。 で、実際にその出来で納品しようも

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        元SEが≪漆器の作り手≫になる(1)

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          会津コインなるものを使ってみた、が

          会津若松市限定の仮想通貨「会津コイン」とやらを使ってみました。 これは会津若松市で使える、地域限定の電子マネーとでも言えば良いのでしょうかね? 会津若松市のプレミアム事業で、昨年は「プレミアム商品券」として紙媒体で販売していたものを、今年はスマホでの電子決済にチャレンジしたようです。 まあ、その辺の詳しい話は他に任せることにして(笑)、 使ってみた感想などを書いていきたいと思います。 一応、プレミアムポイントについて触れると、 1セット1万円で、購入すると12,500ポ

          会津コインなるものを使ってみた、が

          もう職人を辞めたいと思った

          次なるステップへ先月の記事に挙げましたが、2023年秋のグループ展は、とても手応えを感じられる展示会でした。 自分の作りたいモノ、好きなモノが「独りよがり」になることなく、 他人に評価されて、さらにその作品が売れる。 なんと素晴らしいことでしょう! 特に、展示会に来てくれた同じ“作り手”の方々に批評していただいたのがとても励みになりました。 この感覚を大事にして、次なる作品を生み出していきたいです! 先の展示会では私の予想以上に売れてしまい、 作品の在庫がなくなってしま

          もう職人を辞めたいと思った

          2023年秋のグループ展

          はじめに私は、とある漆芸グループに所属していまして、 その会では年に一度、会津若松市内で展示販売会を行っています。 9月下旬に毎年行われている、その展示販売会は今年で11回目を数えました。 私は、昨年メンバーに加わったばかりなので、今年の出展は2回目となります。 もう一ヶ月経ってしまいましたが、ここで改めて振り返っていきたいと思います。 去年はさっぱり…普段の業務は、自分の漆器工房にて問屋から受注された漆器を作ってはそれを納める、というルーティンなのですが、展示会は直接来

          2023年秋のグループ展

          インボイスを導入する理由、そのすべては、消費税を無くすことで解決する…よね?

          インボイスを導入する理由、そのすべては、消費税を無くすことで解決する…よね?

          今日も猛暑日だった。本当に今年の夏は暑い。去年はどうだっただろうか?と思い、1年前のXのつぶやきを探してみたが、暑さに関しては特につぶやいていなかった。来年はどうなるかわからないが、1年前がどうだったか気になると思うので、敢えてもう一度言っておきたい。「本当に今年の夏は暑い。」

          今日も猛暑日だった。本当に今年の夏は暑い。去年はどうだっただろうか?と思い、1年前のXのつぶやきを探してみたが、暑さに関しては特につぶやいていなかった。来年はどうなるかわからないが、1年前がどうだったか気になると思うので、敢えてもう一度言っておきたい。「本当に今年の夏は暑い。」

          漆器は芸術なのか?

          県展に初挑戦6月23日から7月2日の期間に開催された、「第77回福島県美術展覧会(県展)」に先日行ってきました。 会場は、福島市「とうほう・みんなの文化センター」。 実は、今回、私も作品を出品していました。 県展に出すのは今回が初めてです。 入賞はしませんでしたが、 入選はすることができ、無事に会場に展示されることとなりました。 せっかく入選したのだから、会場に見に行かなくては! 「私の作品はどんな感じに陳列されてるのかなぁ」 とか、 「他にどんな方が出品してるのか

          漆器は芸術なのか?

          価格設定は悩ましい、という話

          はじめに漆器って「高級品だなぁ」と思いますか? 庶民には手の届かないモノだと思っていませんか? 「そんなことはないですよ」 と言いたいところですが、 正直、私も高いと思います! 漆器販売店に入店すること自体、そもそも敷居が高いと感じる人は多いでしょう。 入店したら何か高価な物を勧められるのではないかという不安もあります。(※そんなことはありませんが) で、実際に商品の価格を見るとやっぱり高い! お椀にしても、お箸にしても、お皿にしても、 器として機能するだけいいなら1

          価格設定は悩ましい、という話

          ナンバーD登録(70歳以上無償化)

          やっと無償化にNTTがこれまで有料だった「ナンバーディスプレイ」機能を、 70歳以上の高齢者宅に限り無償化するとの発表がありました。 私は一人暮らしのときは開通時にノンストップで契約したものですが、実家の固定電話は月々の契約料をケチったのか入っておらず、私が実家に戻った時、唖然としたものです。 漆器工房を営んでいる以上、かかってくる電話に出ないわけにはいかず、かといって仕事以外のセールス電話も結構頻繁にかかってくるので無駄な労力を費やしています。 それにこれだけ特殊詐欺

          ナンバーD登録(70歳以上無償化)

          異業種へ転職しての悩み、諸々

          はじめにIT業界界隈(?)では「リスキリング」という言葉があるようです。 スキルを習得することを「スキリング」というらしいのですが、 それに「re」を付けることで「再」教育のような意味を持つようです。 カタカナ用語が好きですよね、この業界は(笑)。 そして、(IT)業界人にはこの“意味不明”の言葉をまくし立てて初心者をけむに巻く悪しき習慣があるように思います(偏見)。 で、 SEを辞めて漆器づくりの技術を身に着けようとしている私は「リスキリング」でしょうか? (そもそも「

          異業種へ転職しての悩み、諸々

          漆器職人・漆作家・漆芸家

          はじめに広い意味でいう、 「漆を使ったものづくりを生業としているプロ」の方々。 いわゆる漆器を作る人ですが、 特徴の違いから、職業の呼び名に違いがあったりします。 使う人のことを考えて、器の形にもこだわりを持って作る人や、 機能性度外視て見た目のインパクトを重視した芸術作品を作る人など。 私が知っているところでは、 ・漆器職人(しっきしょくにん) ・漆作家(うるしさっか) ・漆芸家(しつげいか) などなど。 他にもあるかも知れません。 それぞれの違いは何なのでしょう

          漆器職人・漆作家・漆芸家

          元SEが≪漆器の作り手≫になる(8)【完結】

          限界を感じて生まれ故郷の会津若松に戻ってから、3年が経ちました。 前職のキャリアを生かすため、IT系の仕事の求人を探しては期間満了まで契約社員を勤め、また求人を探して、を繰り返します。 IT講習会のアシスタントをやったり、復興支援サイトのコンテンツを作ったり、スマホアプリの開発に携わったり、と携わった業務は様々でした。 正社員ではないので、精神が病む以前ような重責を感じることはありませんが、昇給や昇進とは無縁になりました。 しかも、次の仕事が見つかるまでしばらく無職になっ

          元SEが≪漆器の作り手≫になる(8)【完結】

          「ゲーム」というワードに惹かれてヤフーニュースの記事を読んだ。大手出版社のとある書籍が炎上しているようだ。著者のツイッターを見てその弁に啞然とする。飛び火するのを恐れた私はその著者の過去タイトルを模したこれまでの記事タイトルを急遽修正したのでした。

          「ゲーム」というワードに惹かれてヤフーニュースの記事を読んだ。大手出版社のとある書籍が炎上しているようだ。著者のツイッターを見てその弁に啞然とする。飛び火するのを恐れた私はその著者の過去タイトルを模したこれまでの記事タイトルを急遽修正したのでした。