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「図書館」と「スーパーマーケット」

中央図書館には週3ぐらいで通っている。
中央図書館は、私にとって普段遣いにちょうどいいサイズ。

これって、スーパーマーケットみたいだなと思った。
(通っている頻度も同じ)
それなりに何でも揃っていて、牛乳も肉も野菜も卵もパンも買える。調味料だって一通り。
時々変った料理を作りたくなって、スパイスを買いに行っても、大体揃う。
それが、私の通う中央図書館。
とりあえず、直接用事のない棚も一周できるサイズ。

でも、みんな色々なレベルで食品の買い物をすることを想像した。
子どもの頃の私は、全てを使いこなすことができなかったので、小さな分館が丁度良かった。
その分館にあるものを統べている感覚を持てた。
買い物に例えるなら、コンビニか、個人商店のようなサイズといったところ。
このころ、中央図書館レベルのところに行っていたら、もしかしたらこんなに本が好きにならなかったかもしれない。
友達になるには、一定の距離感が必要だ。近づくにせよ、離れるにせよ。

先日、大きなおしゃれ図書館に見学に行った。
広い、明るい、閲覧席がおしゃれ、棚がおしゃれ、通路が広い…
どうにもこうにも落ち着かなかった。
でも、なんでもある大きな図書館ならいいじゃない?と思った。
きっと各種地方の山海の珍味までそろっているんだ。

それでまた思った。
ここ、百貨店か…と。
きっと地元にあったら、普段のTシャツで行くのはちょっと気が引けてしまう。
ああ、だから落ち着かないんだって。
きれいなカーペットにたたずむ、つま先がちょっと黒くなったスニーカーを見下ろして感じた。

本が話しかけてくる距離で本を見たい。
本と仲良くなりたいんだ。いつでも。

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