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クリスマス・イブのソロ山行 〜本当の勝者は誰か〜

ハロー
メリークリスマス!
本日、2023年12月24日は、
御岳山〜奥の院峰〜鍋割山〜大岳山という奥多摩の4峰を縦走してきました。


クリスマスとは

本日はクリスマス・イブ。
クリスマス当日は明日ですが…
今日は日曜日、明日は月曜日、という配分ですから、今日のうちにクリスマスを祝う方々が多いのではないでしょうか。

「クリスマスを祝う」・・・
そもそもクリスマスとは、キリスト教圏にとって、たいへん神聖な日です。

「イエス・キリストの降誕を記念する祭日」であり、クリスマス当日は教会で礼拝したり、自宅で家族と過ごしたりします。
(よくテレビで見るような"クリスマスマーケット"は、クリスマス前日までの準備イベント)

ですが、日本では「性なる夜(笑)」なんて揶揄されて、恋人と過ごすことが一般的な日となっています。恋人がいない人間は「クリぼっち」と呼ばれ、世間から冷遇されます。

・イルミネーションが飾られた街中を歩いていると、石を投げられる
・最も激しい戦場と化す"六本木"や"表参道"であれば、磔にされ、見せ物にされる
そういう世界です。

だからと言って家で1人で過ごしていると、
テレビのCMでは、浮かれた耐え難いメロディが、
特別企画のバラエティ番組では、聞きたくもないクリスマス話がひたすら流れる。

「クリスマスなんて、もう見たくない!」
ならば、もう目も、耳も、全ての感覚を遮断しなければならないくらいです。

ならば、山に登れば良い

クリスマス・登山

そう、だからこそ、クリスマスこそ、登山が良い。
高尾山なら、もしかしたらトナカイの着ぐるみを着たバカが登ってくるかもしれないが、
山小屋もない、若者に不人気な山であれば、
そんな心配は無いだろう。

近年のソロ・クライマーの中では、
最早「クリスマス=登山する日」という概念が定着していると言っても過言では無い。

元祖・クリスマス登山家
https://vapour-trail.muragon.com/entry/4.html


山で過ごす、12月24日

今日のプランは、
御岳山(928m)までケーブルカーを使い、
奥の院峰(1077m)〜鍋割山(1082m)〜大岳山(1266m)を縦走するコースです。
大岳山は、奥多摩三山の一つ、日本二百名山にも数えられる、登りごたえのある山です。

登山アプリ「YAMAP」のコースタイムは、
ケーブルカーを使っても5時間を超える、
日帰り登山の中でも、比較的満足感のある縦走コースです。

とくに、大岳山への道のりは岩場が多く、
滑落危険箇所の看板が至る所にありました。

滑落の名所

良い感じの道が続きます。

先日、筑波山に行った時は、手を繋ぎながら登っている若いカップルが2組もいて、
危うく・・・してしまうところでした。

ですが、今日は一切、あからさまなカップルを見かけない。なんて素晴らしい場所なんだ。
満たされた気持ちになりながら、登っていきます。

そして大岳山 山頂ー・・・
ソロクライマー達が集います。

ソロクライマー達は、山頂で写真を撮る時、
必ず「ソロクライマー同士」で声を掛け合います。

オスプレーのザックを新しく購入した話をしたら、
後ろ姿も撮影してくれました。

「お一人ですか?」「そうなんです、クリスマスですからね」「ああ、そうですよね」「下界のクリスマスなんて、クソ喰らえですよね」「分かります」
なんていう会話が飛び交います。

山では、
・クリスマスの予定無いんですか?
・今日はどなたと過ごすんですか?
なんて話は聞かれません。
現在進行形で、山という恋人に抱かれているのですから。


本当の幸せ、本当の勝者

独りで過ごす事に対し、
下界では当たり前かのように、
『幸せじゃない』『寂しい人』『変わってる人』
というレッテルを貼られます。

悪意なく、無意識のうちに
「最近誰か良い人いないの?」
「誰か紹介しようか?」
そんな言葉を投げつけられる事もあります。

ですが、恋人や家族がいる、その環境が必ずしも自分にとって幸せなのでしょうか。

好きな人がいても、それは不倫だったり、
恋人がいても、別れてしまう事があったり、
結婚していても、不妊に悩まされる事があったり。
日常生活は常に様々な苦しみが潜んでいます。

もちろん、山でも、そういった"アンラッキー"は
たくさんあって…
場合によっては、滑落や遭難で死ぬ事もあります。
気持ち良くて、美しい瞬間ばかりじゃない。

つまり、何が言いたいかと言うと、
どのような環境に身を置いていたとしても、
幸せか否かは、その瞬間によって変わり、
そして何より人それぞれなのです。

だからこそ、その先がどうであれ、
今その瞬間を愛することが大切なのです。
"本当の勝者"とは、
その瞬間に"世界で一番幸せだ"と、思える人なのです。

そして今日、
私は本物の勝者になる事が出来ました。

尾根で木々から覗く富士山が好きだ
まっすぐに伸びる樹木が好きだ
手で、全身で、登る岩が好きだ

そう、いつもここにあるのです。
登れる限り、その幸せが。
ありがとう、山々よ。
今日も無事に下山出来た。
帰してくれて、ありがとう。
あなた方のおかげで、幸せな私がここにいる。



おまけ

正直、山を登り始めて20分くらいは
「なんでこのクソ寒い中、山に登らなきゃいけないんだ!」
「あー眠い、帰ろうかな。温泉入りてぇ」
「寒くて鼻水出るのがウゼェ」
と思います。むしろ朝起きる時が一番辛い。

それもまた一興。
無理せず行きましょう。

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