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PVが上がらない理由はライターだけのせいではない

オウンドメディア運営において「PV数を上げる」「CV数を上げる」のは最重要課題だ。なぜならメディア運営は会社の業務の一部であり、慈善事業ではないからだ。仕事ならメディア運営を通して、何らかの成果を出さなくては続けられない。特にCV(申込み、購入など)数を追っているメディアは多いだろう。PVとCV数をライターに押し付けているメディアもあるらしい。

私はSEO大好きライターだからこそ、この2つは「ライティングのせいだけではない」ことを言いたくて、新年一発目のnoteを書くことにした。

「ライター同士をPV数で競わせる」怖さ

かなり前だが、とあるメディアの面接を受けた。
今までインターン生に書かせていたが、記事本数を増やすにあたり、外部ライター(私のようなフリーランス)を採用することになったのだとか。

自己紹介とか、動機やメディアの紹介やらをし合ったあと、採用担当者がどうやって「インターン生のモチベーションを上げているか?」という話になった。

「ライターごとに記事をスプレッドシートにまとめて、PVやCV数を競わせてるんです」
「この人はPVこれだけあるので、いい記事を書く人ですね」

「インターン生VS外部ライターとかできたら面白そうですよね」

面接で聞けてよかった。もちろん辞退した。怖すぎる。

「PVが上がらない理由はライターのせい」だと思っている典型的なダメメディアだ。
そもそもPV数で「いい記事を書く人」扱いされてるなんてゾッとする。インターン生VS外部ライターとかなんじゃそれ。意味ないよ。

ライター・記事の評価を、PVやCVでしてはいけない理由

ライター及び記事の評価がPVやCVなのは、絶対間違っている。

なぜなら検索上位がとれるキーワードと、とれないキーワードが存在するからだ。
さらに言えば、たくさん検索されるキーワードとされないキーワードが存在する。
さらに言えば(しつこい)、CVされやすいキーワードとされにくいキーワードが存在する。
この評価方法だと、ディレクターから検索とれる・たくさん検索される・CVされやすいキーワードを渡された人がいいライターだという話になる。

例えば、このメディアが銀行の運営するサイトだったとしよう。CVは「住宅ローン問い合わせ」。(一応言っておくけど、もちろん全く関係ないジャンルだった)

「住宅ローン 比較」
「◯◯銀行 ローン」
「家 建て方」

この3つのキーワードなら、どれが「検索上位がとれる・たくさん検索される・CVされやすい」キーワードか?

銀行の運営するサイトなら、金融関連の記事が多く、Googleからの評価も「このサイトは金融関連の専門サイトだ」となっているはずである。たぶん。
よって、検索上位がとりやすいのは「住宅ローン 比較」「◯◯銀行 ローン」のはずだ。
たくさん検索されているのはどちらか。◯◯銀行が大手銀行なら指名検索のほうが多いかもしれないが、おそらく「住宅ローン 比較」のほうが検索ボリュームは多い。このワードを検索する人は◯◯銀行のことを知っている人より多い可能性が高いからだ。
しかし、CVは「◯◯銀行 ローン」だろうなぁ。◯◯銀行のことを知ってる状態でたどり着くんだからさ。

よって、この3つのキーワードならこう推測する。

PVがとれるのは「住宅ローン 比較」
CVがとれるのは「◯◯銀行 ローン」
PVやCV数を追うなら選ぶべきでないのは「家 建て方」

あくまで机上の論理なので、こうとは限らないのだが。
(例え作っておいてなんだけど、金融は全然詳しくないので、考え方間違ってたら優しく指摘してくださいね)

この話は、サイト構造の適切化、カテゴリ内の記事数、高品質な被リンク、不要なページの削除、情報が最新かどうか、読者にとって使いやすいサイトかどうか、CTAのデザイン、図解・写真が適切な場所に挿入されている…などを経て、ようやくSEOライティングが生きてくる。
SEOライティングとはこれらの総合戦なのだ。

しかも、このメディアの文字単価は1円だった。
1円で「PV数が上がらないのはお前のせいだ」が見えてしまうなんて、責任が重大すぎないか。モチベーション上がるわけがない。

SEOライティングの本質が分かっていない人が多すぎる

ライターと話すとき「SEO辛い」という意見をよく聞く。

その理由は「上位記事を見て書くのつらい」「オリジナリティが無い」なんだけど、これってSEOライティングではないと思う。
上位記事だけ見て書いてはいけないし、オリジナリティが無いものなんて、上位表示されるわけがないから。

SEOライティングって、キーワードを入れて上位記事パクって書けばいいんでしょwと思っている編集・ディレクターがいるから、そう思うライターが多いのだろう。

私がライティングするときは、以下のことを気をつけている。

・メディアやクライアントの考えを入れる
・メディアやクライアントにしか提供できないことを入れる
・どこよりも分かりやすい具体例や構成
・伝えたいメッセージ
・読んだ人のゴール

これらが全てかぶる記事はありえない。
「上位記事を参考にする」も「キーワードを入れる」ももちろんある程度必要だが、そんなのを重視するのがSEOライティングではない。

検索順位が上がらないのはライターのせいではない。ディレクターのせい

長々書いてしまったけど、私が言いたいのはこれ。PVが上がらない原因はライターのせいではない。ディレクションが上手くいってないから。
いいライターを雇おうと、サイト構造がめちゃくちゃだったり、古いデータがそのままだったり、CTAが押しにくかったら、PVもCVも上がるわけない。

とはいえ、ライター自身が自分で数字を追うのはいいことだと思う。
自分の書いた記事の検索順位やPV数、CV数を知って「思うように順位が上がらなかった。次はこうしてみよう」「今回はこの位置に◯◯を入れたからCV数が上がったのかな?」とか分析・改善をすれば、ライター自身も成長する。
(PV数やCV数を教えてくれるメディアなんてほぼ無いが…)

だが、PVやCV数のみをライターの評価としてはいけない。それはチーム全体の評価にするべきだ。

ライターの評価は難しいが、PVやCV数は多くの評価指標の1つで、評価100%のうち20%くらいだと思っていいのではないか。(20%が適切かどうかは分からない)

ライターのみにPVやCV数を押し付けるのは、もうやめてほしい。もし押し付けられたら逃げてほしいと思った。

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