躁と怒りの関係

躁状態と一言で言っても人それぞれだと思う。僕の場合は「怒り」が一番ひどい。口達者で理詰めするので、言葉で相手を追い込む。責め立てる。それがどんなに怖い思いをさせているのか、渦中にいると全く気付けない。冷静になるために、少し落ち着いたときに怒りにまつわる書籍を読んでみた。

怒りにつながる要因としては、相手への役割期待のズレがひとつ。周囲の人に対して勝手に「この人はこうだ」と決めつけ、それから逸れた言動をされたときに裏切りや傷ついたという感情を抱く。とても勝手な行為だ。怒りっぽさはあいまいさへの耐性が低いことも要因である。これは白黒思考により、YESでなければNO、というグレーを持たない思考のことだ。しかし、僕の場合ここにアスペルガー障害の特性が絡んでくる。アスペルガー障害の典型的な特徴として白黒思考が挙げられる。また、日常にはルーティーンとしっかりしたシナリオがあることを望んでいる。そのため急な予定変更や想定外の出来事への耐性がとても低い。思っていたことと違うとパニックになる。それが「こんなの思っていたのと違う!」と時として躁状態への引き金となってしまう。

役割期待については中学時代の恩師の言葉を思い出すきっかけになった。当時よくこう言われた、「他人に期待するな」。僕はとても受け身なタイプなので周囲の人がこうしてくれるだろう、という期待を勝手に持ち、勝手に裏切られたとキレていた。20年近くかかったが、言葉の真意にたどり着いた。

双極性障害の治療の目標は「症状が出ないようにコントロールすること」だ。完治はない。寛解という症状のない時期を長く保つこと。自分で症状の傾向やきっかけを理解し、予防することが大切だ。

怒りというのは瞬間湯沸かし器で、長くは持たないものだそうだ。その一瞬をグッと堪えて深呼吸でもすれば、怒りは収まるものらしい。頭ではわかるのだけど、実際には怒りは即言動となり、相手も自分も傷つける。怒りというのはフツウの人でも厄介な感情だと思う。それが病気だと輪にかけてひどいので、少しでも改善したいと思う。

【怒りからの躁転を防ぐ】
・役割期待をしない
・あいまいさを受け入れる(少しずつ)
・想定外のパターンも事前に準備する(パニック予防)
・怒りの感情が出たら深呼吸


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