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専門家目線になる漢方薬の使い分け④〜桂枝茯苓丸と加味逍遙散

今回は、桂枝茯苓丸と加味逍遙散を比較してみましょう。





この2つは、どちらも『活血』=血のめぐりをよくするはたらきが期待できますが、根本的な原因として


●加味逍遙散

:肝の気のめぐりが悪くなっている(ストレス・自律神経の乱れなどで)・精神的な症状が目立つ場合

●桂枝茯苓丸

 : 血瘀の状態がある=古血のたまり
血瘀の原因としては、若い頃に手術をした、出産、日常生活の不摂生などいろいろな原因が考えられます。
女性では、子宮筋腫などのある方も『血瘀』の傾向です。

どちらにも当てはまる方も多くいらっしゃいますので、その場合には優先して使う方を決めたり、途中で漢方薬を変更しても良いでしょう。


加味逍遙散と桂枝茯苓丸の比較


加味逍遙散と桂枝茯苓丸の比較

どれにも当てはまる・・全部一緒にしたらいいんじゃない??


『血虚』『気滞』『瘀血』どの症状も当てはまる・・そんな場合もあるでしょう。
その場合には、一番気になるところから順次処方を変更していくのが原則です。

人の体は、常に陰陽バランスを変化させています。

漢方薬を飲むと、そのバランスは少しずつ変化していき、本来のバランスに戻っていきます。

ずっと同じ処方を飲んでいると、『あれ?前よりも効果を感じないかも・・』そんな状態が訪れたら、処方を変えるタイミング。

漢方薬は、構成生薬の数が少ないほど、効果がシャープに出るとされていますので、一緒に飲んでしまうとお互いの良さが十分に出ないままになってしまうことも懸念されます。

私個人の考えとしては、多くても2種類、朝・昼・夕と飲む漢方薬を変えるということはありますが、3種類を一緒に飲むというのはおすすめしておりません。



3大漢方薬が含まれるドラックストアで購入できる医薬品


実は、ドラックストアでも購入できる有名な
小林製薬の『命の母』には、この3大漢方薬が含まれています。


小林製薬HPより抜粋


命の母には『桃仁』『牡丹皮』『大黄』『紅花』も含まれるので、妊娠中は服用できませんが、便秘がちな場合には良いと思われます。

『命の母を飲んでいたけれど、あまり効果がなくなったので相談に来ました』という方も中にはいらっしゃいます。

その時の状態に合わせて、3つのうちから処方を選べるようになると、
より不調がひどくなる前に体調を整えることができるかと思います。





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