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クリス・セール契約延長とブレーブスの思惑

どうも、ハーノです。
新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

さて、早速ですが、今回はセールがブレーブスと契約延長したことについて緊急で書いていきたいと思います。
それでは、行きましょう!

①セールと契約延長

日本時間12月31日、ブレーブスはレッドソックスとのトレードでグリッソムをレッドソックスに送る代わりにクリス・セールと来季のセールの年俸27.5 Mのうち17 Mの金銭を獲得していました。

そんなセールと、ブレーブスは2年38M(+球団OP1年18 M)で契約を延長しました。球団OPにバイアウトはついていません。
契約の内訳は1年目が16 M、2年目が22 Mとなっています。
本来の契約は(ブレーブスの負担額で)1年10.5 M (+球団OP1年20 M)となっており、ブレーブスは2年目の契約を確定させる代わりに3年目の保有権を得た形となりました。

これにより契約が更新されたため、レッドソックスとセールの契約によるブレーブスが負担する予定だった2039年の10 Mの後払いは無くなりました。
また、セールの来季の16 Mの年俸はレッドソックスからの17 Mを使って支払われるため、贅沢税計算上のペイロールはAAV19 Mから2 Mとなり、本来の8.5 Mからは6.5 Mの節約になります。

契約の詳細はこちら↓

それでは、次にブレーブスがこの契約を結んだ思惑について、考えてみましょう。

②ブレーブスの思惑①…保有権と先発市場

これは非常に簡単な話です。
ブレーブスはセールの保有権を1年伸ばすことに成功しました。
これが大きな目的なのは明らかでしょう。
セールは指標も良好で、投げることができれば今でも十分に力を発揮できる事が示されています。昨年は開幕直後や怪我明けの不調もあってシーズン全体では微妙な成績に終わりましたが、久しぶりに100イニングを突破し、それ以外では好投を見せていました。
現代野球では選手寿命も伸びていますし、あと3年、セールがしっかり投げられる可能性は十分にあります。
また、ブレーブスはチームを支えてきたベテラン先発のモートンが来季40歳に突入し、オフにはFAになります。彼の年俸は20Mで、セール獲得はブレーブスとしては25年以降の彼の後継者候補も確保した形だった訳ですが、その流れをより堅いものにしました。

また、ブレーブスは投手プロスペクトの成長までの時間を考えると、取り敢えずセールが2年間いるというのは都合が良く、上手くいけば3年目も使えるという形を作れたのはつなぎの意味でも大きいと思います。
ブレーブスのトッププロスペクトのAJSSは昨年デビューしてプレーオフで99マイルを投げるなどポテンシャルを見せましたが、彼はまだ11月に21歳になったばかりで、何なら投手を始めたのは高校3年生のとき。育成には猶予も与えたい選手です。ウォルドレップもドラ1で8月からマイナーで投げ始め、ルーキーリーグから初めてシーズン最後には3Aまで到達するという活躍を見せましたが、彼もまだ来季がプロ2年目です。去年ドラフトされたばかりの選手です。
やはり、セールが繋ぎとして存在する意味は大きいでしょう。

ブレーブスとしては、25年の契約を保証する代わりに、26年に18 Mの球団OPを得た形となります。
本来、球団OP行使した場合のみ(もしくはサイ・ヤング賞投票10位内かつシーズン終了時にIL入りしていない場合発動する)だった2025年の20Mを、2025年の22 Mの年俸(贅沢税計算上で19 M)で確定させるというリスクについてですが、ここでは「先発市場の高騰」が浮かび上がります。
今季の先発市場では昨シーズンイマイチ、もしくはサッパリだった復活期待の「バウンスバック」候補が高い契約を次々に得ています。
特に印象的だった選手だとレッズが2022年途中のヤンキース移籍後は不調に苦しみ、昨シーズンに至っては1試合しか投げていないモンタスがレッズと1年16 M+出来高で合意。他にも、規定未満、防御率4.99、whip1.58と苦しんだフラハティがタイガースと1年14 M、184イニング204奪三振とはいえ防御率4.88、指標にも不安があるジオリトがレッドソックスと結んだ契約は2年38.5 M。
これらを中心に、先発市場はかなりの高騰を見せているのです。
そんな中で、セールの実績や良好な指標を照らし合わせれば、仮に来季セールが多少苦しんでも、バウンスバックした際の彼の力を考えれば25年に22 Mという額は多少高いとしても、そこまでのオーバーペイではないという訳です。
勿論、そこで活躍すれば26年に18 Mで1年間契約を延長できます。

また、ブレーブスはセールの分を差し引いても贅沢税計算上の年俸は80Mほど浮くほどに来季のペイロールにも余裕があります。FAで大物スターターが欲しいですが、それ以外ではせいぜいオズナの15Mの球団OP(使うかはかなり微妙)やリリーフのミンターのFAくらいなので、セールの契約が足枷になる可能性もそこまで高くはないでしょう。

つまり、ブレーブスとしてはそこまで分の悪い賭けではないという訳です。

③ブレーブスの思惑②…贅沢税の節約

次に話すべきはこちらでしょう。
先程も書いたように、1年目の16Mの年俸はBOSから受け取った17Mで賄うため、来季のブレーブスの贅沢税の計算は6.5M浮きます。
ブレーブスはブレーブスは囲い込み契約の影響もあって、実際のペイロールより贅沢税計算上のペイロールがかなり高いのもあって、既に第二段階のペナルティ突破は確実なものとなっており、翌年のドラフト最上位指名権が10個下がる第三段階の突破ラインである277 Mにも迫っている状況でした。
この6.5 Mの節約は、実は非常に意味があるものという訳です。

ちなみに、契約が元のままで25年の球団OPが行使されていた場合と比較すると、実際の25年の年俸は現在の契約の方が2 M高いのですが、贅沢税上の計算では1Mの節約になっています。

④気になるセールの健康状態は?

これについてですが、ブレーブスはメディカルチェックの結果に「非常に満足している」とし、セールもここ数年で最も身体の状態がいいと健康状態には自信を持っていると語っています。
昨年は久しぶりに100イニングを超えましたし、稼働には期待もできそうです。

また、セールの怪我も1つ1つを詳しく見てみれば、そもそも「彼がスペ体質なのか?」というと必ずしもそうでは無いかもしれません。

TJ手術は過去に何シーズンも200イニングやそれに近いイニング数を投げていた稼働量とそれによる負担の代償と考えれば仕方ない結果であり、むしろ今後の肘のリスクは下がるというポジティブな面もあります。
また、22年の3度の骨折のうち2つは打球の直撃という、言ってしまえば単なる不運と、自転車事故は本人の注意で改善可能な怪我でした。残り1つも右肋骨の疲労骨折という普通はしない部分のため、あまり心配は少ないように思います。
昨シーズンの怪我の部位も、現在は問題無いという事で、実際には言われているほど心配は少ないのではないでしょうか。

⑤終わりに

いかがだったでしょうか。
今回はセールの契約延長についてまとめてみました。
「コンドル」の異名を持つ21世紀最強左腕の1人であるセールが復活し、ブレーブスを世界一に導いてくれると信じましょう。

ちなみに、幼い頃はブレーブスファンだったそうで、トレード拒否権を破棄しての移籍に至った理由はそこもあったのかもしれませんね。

今年こそは世界一!

それでは、また!!!


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