ロマンチストになりたくないのになってしまうことがある。悔しい。

 こんばんは。匿名ラジオでARuFaがAIより面白いことを証明するために15文字で言える面白いことで「たんぽぽの爆弾 バンボボ」って言ってました。私はそれを2日引きずった。その回神回過ぎて他にもずっと引きずってるやつがある。いいな、面白い人間になりたいな。

 はのとです。初めまして。


 社会人2年目。今年から担任を持つようになり、ようやく授業が始まった4月がつい終わった。担任ってまーーーーーじで難しい。忙しい。毎日気付くと生徒の放課の時間になっていて、気付くと定時の音が鳴っている。帰れない。やることが終わらない。でも帰るのが私だけど。家で生徒の振り返りにコメントを返している。交換日記をしているみたいでちょっと楽しい。普通に時間外労働。

 恋人が大学を卒業し、この間まで少し離れた本社のある地域に出張に研修に行っていました。帰ってきて温泉に入り静かなカフェに入り私の実家に帰って父のチャーハンを食べて、そんなあまりにも普通であまりにも最高な時を過ごした。そういうのがいいのよ。


 社会人1年目を思い出します。思い出しますというか、別に今も1年目から何も変わってないんだけど。初任2年目だからね。

 1年目。2週目からは普通に他の先生たちと全く同じ仕事をして、生徒の前に他の先生たちと肩を並べて「先生」になって、気付いたら授業が始まっていて。

 最初は、知らない人ばかりの空間でずっと肩に力が入っていました。ずっと緊張していたって、後になって教頭先生に言われた。夏休みが明けた頃から急に顔色が良くなって表情も豊かになったって。それより前だってずっと笑っていたはずなのに、なんでもお見通しなんだね。

 私にその自覚はなかったのよ。肩に力入っているとか、緊張しているとか、そういう意識はなかったです。むしろだんだん周りの先生たちと話せるようになってきて、だからこそ周りの先生たちのすごさが分かって学ぶことも多くて、笑うことも増えてきていたんだから。

 それなのに、夏休みまではずっと表情が硬かったらしい。色んな人に言われた。そっか~と思う。自分ではストレスに気付かないよね。いや、小さなストレスにはすぐ気づくけど、大きなストレスにはなかなか気づけない。体調に表れるまで、自分は元気だって思っちゃうよね~~~。


 とかなんとか言っていますが、私にとってそんな日々だった1年目の4月を、恋人は今送りきった。しかも、最初の2週間は別の場所、遠いところで1人で研修を受けて、3週目から本来の職場に行ってって、せっかく築いた人間関係を捨てて本当の職場に行くんですよ。こわ。

 しかもね、実家から通っているから片道2時間弱かかってるの。きっつ。自分が片道5分だから本当に信じがたいです。大学生の頃片道2時間通学をしていましたが、それより辛いよ。通学と通勤じゃもう全然違うよ。

 先輩の営業に同行して、色んな売り場の自社商品を見ては陳列を提案したりそれを見て勉強したり、しているらしいですよ。この間もデート中会社の商品が売っているエリアに行って写真を撮っていた。いろいろ商品について教えてくれた。なんか表情が明るくていいなって思った。私は学校の外に出たことがないから。学校を出て学校で働いているから。


 出逢った頃、私は大学3年生で恋人は大学2年生でした。コロナ禍が若干明け、1年間入構禁止だった大学が1年ぶりに門を開けた2021年。お酒の味なんてまともに知らなかったあのころ、私が幹部をしていた軽音楽部に入部してきたのが、19歳になりたての恋人でした。

 それから半年ほど経って私は幹部引退。代替わりをして、今度は恋人が幹部になりました。ちなみにまだ付き合っていない。
 私の代の幹部は諸事情で私しか残っていなかったので、基本的な情報共有や指示は私が行っていました。1人でね。そして役職を失った私及び同期たちは、余生を楽しむために就活などに各々取り組んでいくわけです。

 私も教育実習や教員採用試験の準備で大忙しになり彼らの活動に口を挟めなくなっていた頃、恋人率いる幹部たちは部のためにたくさんの活動を行ってくれました。私がいなくても部活が回っているなとすごーーーーーく寂しくなったのを覚えています。

 そうやって人は成長していくのですね。なんて。


 そしてなんやかんやあり、その年の夏に付き合うことになりました。私が部活に顔を出せなくなってきた頃から、恋人から私に対する矢印を感じるようになったのです。恋人曰く、ずっと派手髪だった私が教育実習のために髪を暗くしたことがポイントだったらしい。見た目かい。

 散々フラグを貼られたまま迎えた夏休みは、毎日ラインをして、時々夜遅くまで電話をしていた。当時もちろんお付き合いしている人はいなくて、ただ記憶から完全に消去した感じの失敗を少し前にしたところだった私。若干慎重になっているところもあり、彼からのはっきりとした矢印に見えないフリをしていました。

 見極めが大事。この人は本当に私のことを異性として、恋愛対象として好きなのか。先輩っこだった恋人。私が先輩だから、接点の多い先輩だから好意を持ってくれているだけではないのか。

 そしてこっちの方が本当は大事。私はこの人のことを本当に好きなんだろうか。相手の熱に充てられてなんとなく勘違いしているだけじゃないのか。実際付き合ったらすぐに飽きてしまうような、そういう一過性のものではないか。見極めが大事。


 そんな風に自分の気持ちを考えながら試験勉強や実際の試験に臨んでいた真夏。気分で庭で育てることにした小さめのひまわりに水をやっていたら、ついに一輪花開いているのを見つけました。花咲くまでにこんなに時間かかるんだと思いながら根気強く向き合っていたんです。そしてついに。

 開いているひまわりの写真をぱしゃっと撮って、その写真を自分で見る。次に実物を見て、小さくても綺麗だな、自分で育てた花、超可愛いな。なんてことを思いながらラインを開く。この綺麗なひまわり、見てほしいな。


 最初にそう思った相手が、今の恋人でした。


 いつもだったら母に送っていたはず。あんまりストーリーは使わないけれど、もしかしたらそっちに載せていたかも。だけどそのとき、最初に、無意識に浮かんでいた顔は、恋人の無垢な笑顔だったのです。

 そのときに、「あ、私はこの人のことが好きだ」って確信しました。こんなこと思うのは人生で初めてだったな。今まで何人かの人とお付き合いをしたことがありましたが、そんな風に好きを自覚したのは初めて。そう思っていた自分にびっくりするぐらいでした。


 なんかちょっとロマンチックじゃん。だからさ、恥ずかしくて人にはなかなかこの話できない。「いつから好きだったの?」って聞かれても、「うーん、いつの間に?」なんて微妙にごまかしちゃう。本当はひまわりなのに。

 普段他人のポエムとか恋愛に関する語りとか恋人に対する思いの丈とか、そういうの見ているとわりと鳥肌が立ってしまうタイプで、性格が悪いだけなんだけど、せめてどうにか擁護するなら、共感性羞恥です。共感力が高すぎるので、共感性羞恥を感じるタイミングもめちゃ多い。

 だからそういう人間にはなりたくないな~とぼんやりいつも思っています。自分はそういうことしないようにって意識してる。でもさ、こればっかりはロマンチストになっちゃうよね。恥ずかしい恥ずかしい。


 そんなロマンチストな私。早く結婚してね、恋人よ。

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