★今日の問題★

 憲法の改正には限界がないとする立場からは、天皇主権を国民主権に置きかえるような改正も認められ、日本国憲法も有効であるとする考えに結びつきやすい。
 一方で、改正の限界を否定しつつも、日本国憲法を無効とする考えがある。
 その一つである「おしつけ憲法論」とはどういう考えか?

胡桃「10秒で答えてね。よーいどん!」

建太郎「おう」

1秒

2秒

3秒

4秒

5秒

6秒

7秒

8秒

9秒……

胡桃「10秒経過。どうかしら?」
建太郎「憲法の改正には限界がないという考え方もあるんだ?」
胡桃「そうよ。その考え方によれば、天皇主権を国民主権に置きかえるような改正も認められるから、日本国憲法は当然有効と言う考え方になるわけね」
建太郎「うん。八月革命説とかの考え方を採らなくていいわけだな」
胡桃「ただ、その立場でも、おしつけ憲法論といって、日本国憲法を無効とする考えがあるのよ。どういう考え方か分かるかしら? 」
建太郎「日本国憲法は押し付けられたものだということか」
胡桃「日本国憲法の原案は誰が考えたか知っているかしら? 」
建太郎「ええっと。マッカーサーだっけ」
胡桃「そうよ。だからこう考えるわけね」

 日本国憲法は、占領軍の威力を背景にマッカーサーによって強要されたものである。
 このような経緯に照らすと、憲法の自律性を認める国際法に違反しているので、無効であるし、占領終結と共に失効されるべきものだ。とする考え方。

建太郎「そう言う考え方もあるんだな」
胡桃「それからもう一つ、これと似た考え方として、ハーグ陸戦法規43条違反論と言うのがあるわ」
建太郎「うん? ハーグ陸戦法規43条だな? 」
胡桃「次の規定よ」

ハーグ陸戦法規
第43条 国の権力が事実上占領者の手に移った上は、占領者は絶対的な支障がない限り、占領地の現行法律を尊重して、なるべく公共の秩序及び生活を回復確保する為、施せる一切の手段を尽くさなければならない。

建太郎「占領地の現行法律を尊重するべきだと」
胡桃「太平洋戦争が終わって、アメリカ軍が日本を占領した時は、明治憲法が施行されていたわけだから、明治憲法を尊重すべきだったということね。そこで次のように考えるのよ」

 日本国憲法の制定は、外国軍の占領下に為されたものであり、占領軍の被占領国の法令尊重を定めるハーグ陸戦法規43条に違反しているため、無効である。とする考え方。

建太郎「なるほどな。そう言う考え方もあるんだな」

※問題は、ノベル時代社の肢別100問ドリルを利用しています。下記サイトから入手できます。

https://new.novelzidai.com/

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