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★今日の問題★

 日本国憲法には、天皇が成年に達しないときは、摂政を置く旨が定められており、摂政の就任については、内閣の助言と承認は要せず、当然に発生する。正しいか?

胡桃「10秒で答えてね。よーいどん!」

建太郎「おう」

1秒

2秒

3秒

4秒

5秒

6秒

7秒

8秒

9秒……

胡桃「10秒経過。どうかしら?」
建太郎「これは条文をよく読めということだな」
胡桃「まず、日本国憲法には、摂政については次の規定があるだけなのよ」

憲法
第五条 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。

建太郎「どういう場合に、摂政が置かれるのかは書かれていないんだな」
胡桃「そうね。どういう場合に摂政をおくのかは、皇室典範に書かれているのね」

皇室典範
第十六条 天皇が成年に達しないときは、摂政を置く。
2 天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く。

建太郎「天皇が成年に達しないときは、摂政を置く。とあるということは、当然に置かれると」
胡桃「そうよ。内閣の助言と承認と言ったことは必要ないのね」
建太郎「すると、設問は、憲法に規定があるとしている点だけが間違いなんだな」
胡桃「そうなるわね。ちなみに、天皇の成年は何歳か分かるかしら? 」
建太郎「成人年齢は、民法と同じで十八歳でいいんじゃないの? 」

民法
(成年)
第四条 年齢十八歳をもって、成年とする。

胡桃「十八歳と言う点は正しいわ。ただ、根拠規定は、民法ではないのよ。これも皇室典範に規定があるのよ」

皇室典範
第二十二条 天皇、皇太子及び皇太孫の成年は、十八年とする。

建太郎「あっ。そんな規定があったんだな。民法が根拠ではないんだな」
胡桃「注意したいのは、天皇、皇太子の成年は、十八年と言う規定は、民法が成人年齢を十八歳とするよりも前から、設けられていたということよ」
建太郎「えっ。そうなの? 」
胡桃「だから、今の天皇陛下も十八歳で成人していたのよ」
建太郎「そうだったんだ」
胡桃「そして、十八歳で成年になるとされていたのは、天皇、皇太子及び皇太孫に限られていたということね。だから、内親王は対象にならなかったのよ」
建太郎「なるほどな」

※問題は、ノベル時代社の肢別100問ドリルを利用しています。下記サイトから入手できます。

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