★今日の問題★

 日本国憲法第五条には、摂政を置く場合は、「前条第一項の規定を準用する。」との規定が置かれているが、これは、摂政が象徴としての行為をすることを禁じる意味を持つと共に、摂政が国事行為を委任することはありえないことを意味している。正しいか?

胡桃「10秒で答えてね。よーいどん!」

建太郎「おう」

1秒

2秒

3秒

4秒

5秒

6秒

7秒

8秒

9秒……

胡桃「10秒経過。どうかしら?」
建太郎「これは条文の解釈の問題だな」

憲法
第四条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
2 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

第五条 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。

建太郎「日本国憲法第五条が、第四条1項のみ準用しているのは、憲法第一条の『天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。』と言う規定は準用しない。つまり、摂政は、日本国の象徴ではないということか」
胡桃「そうよ。一つはそういう意味があるとされているのね。前半部分は正しいのよ。じゃあ、後半部分はどうかしら? 」
建太郎「憲法第四条2項は準用しないから、摂政が国事行為を委任することはありえないのかな。国事行為を委任することは天皇の権限に専属しているのかな? 」
胡桃「そうではないと解されているのよ。次のように解されているのね」

 摂政が国事行為を委任することはありえないということではない。
 国事行為を委任することも国事行為であるから、摂政も内閣の助言と承認のもとで当然に、国事行為を委任できる。
 例えば、摂政が外国訪問する場合は、臨時代行が置かれる。

建太郎「国事行為を委任することも国事行為だから、摂政でもできると」
胡桃「そう言うことね。だから、設問は、後半部分が間違いなのよ」

※問題は、ノベル時代社の肢別100問ドリルを利用しています。下記サイトから入手できます。

https://new.novelzidai.com/

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