★今日の問題★

Aは妻子と別居して事実上離婚状態にあり、独身のB女と同棲している。
AがBに対して、全遺産の三分の一を包括遺贈する旨の遺言を書くことは有効である。

胡桃「10秒で答えてね。よーいどん!」

建太郎「おう」

1秒

2秒

3秒

4秒

5秒

6秒

7秒

8秒

9秒

10秒

胡桃「10秒経過。どうかしら?」
建太郎「ええっと。これも公序良俗の問題なのか」

民法
(公序良俗)
第九十条 公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。

胡桃「そうよ。奥さんがいるのに、他の女のことに遺産の一部を包括遺贈するのは有効なのかということね」
建太郎「ええっと。遺産は必ずしも、法定相続人に遺贈しなければならないものてはないよな。慈善団体とかに寄付してもいいんだよな」
胡桃「そうね」
建太郎「だったら、設問のような遺贈方法もありということになるんじゃないかな」
胡桃「判例は次のように述べているわ」

妻子のある男性がいわば半同棲の関係にある女性に対し遺産の三分の一を包括遺贈した場合であつても、この遺贈が、妻との婚姻の実体をある程度失つた状態のもとでこの関係が約六年間継続したのちに、不倫な関係の維持継続を目的とせず、専ら同女の生活を保全するためにされたものであり、当該遺言において相続人である妻子も遺産の各三分の一を取得するものとされていて、この遺贈により相続人の生活の基盤が脅かされるものとはいえないなどの事情があるときは、この遺贈は公序良俗に反するものとはいえない。(最判昭和61年11月20日)

建太郎「うん。この遺贈により相続人の生活の基盤が脅かされるものとはいえないからOKなんだな」
胡桃「そうね。すると設問は正しいということよ」

※問題は、ノベル時代社の判例六法 丸暗記100問ドリルシリーズを利用しています。下記サイトから入手できます。

https://new.novelzidai.com/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?