6月26日

 書類選考結果の通知は二週間以内と書かれてあった。異例の長さではあるが、それを過ぎても連絡がなかった。問い合わせて失敗したと感じた過去があり、来週には失業給付の認定日を迎えるので、その時にハローワークから問い合わせてもらおうと構えていた。その矢先、速達で不採用通知が届いた。
 速達だが、ポストに投函されていた。在宅だがインターホンは鳴らなかった。
 5年前、採用通知と不採用通知が同日に速達で届いた時、配達員はインターホンを鳴らしたので私は直接受け取ったのだが、この5年の間に配達方法が変わったのだろうか。ポストの中身に気付くまで手に取らなかったことを思えば、速達の意味も測り兼ねる。そもそも居住区内の会社に応募したので、速達だろうが普通郵便だろうが届くまでの時間にそう大差があるようにも思えないのだが、ただでさえ遅れていたので会社側の配慮なのだろう。
 定型文だが、一通り落ちた書類選考の返信としては、一番親切で丁寧な文面だった。
 求人票には【求人先で廃棄】と書かれていた応募書類も、ちゃんと同封されていた。これをハローワークに持って行き、一度、応募書類の添削をしてもらおうと思う。
 残念ながら、私の苗字が間違えられていた。昔からあることなのであまり気にしていないが、立場が逆ならこういう失礼な間違いは、不採用対象なのではないかと思う。自分に厳しく、他人に甘く…そうある方が世の中、平和に違いないが、大方その逆なのだろう。わざわざ指摘する気はないが、縁の無かった理由のひとつにしても悪くないかも知れない。
 間もなく6月が終わる。同じく、失業保険の給付も終わる。私は未だ仕事に就けていないし、外で身内以外の誰かと関わる生活にも戻れていない。
 引き籠り、ニート、その他諸々表現はあるだろうが、そのいずれかになろうと思ったことは微塵もない。もしかしたら、世間一般にそう形容される人達も、私と同じなのではないだろうか。人生数十年の年表の中で、そうなる時間がどの程度占めることになるのか予想もつかないが、この時間を過ごすことによって、自分がどうなって行くのか、実験するつもりで今を生きようと思う。

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