THE 自己中③

 前述した典型的な自己中女性に比べ、無意識な自己中であるIに、恐らく悪意と呼ばれるものは殆ど無いものと思われる。しかし最近、自分の身近にはまた違ったタイプの強烈な自己中が存在することに気付く。我が父である。
 昔から、気分屋で感情的になり易く、いつキレるかわからない子どものような人間だとは思っていたが、年と共にその自己中具合にも磨きがかかっているように感じる今日この頃。誠に不愉快極まりない。その言動にページが記されているなら、付箋を貼って回りたいぐらいだ。正に〝地球は自分のために〟回っており、〝法律とは自分〟なのである。
 数々の自己中発言で、家族の開いた口を塞がらなくさせてきた強者であるが、先日、鬼の形相でお天道様にまで喧嘩を売るような発言をしたので、本当に驚いた。
「大雨の中、ずぶ濡れになりながら傘差して行ったのに、駅に着いた途端、嘘みたいに止みやがって、ホンマに腹が立つ!(怒)」
 呆れてものも言えないとはこのことである。
 天に向かって口汚く罵っているこの人の遺伝子を、私は自分が半分でも受け継いでいることが恥ずかしい。同情することも受け止めることも、私に出来ることは何一つ無かったが、一言だけ言わせて頂いた。
「日頃の行い、大分良かったんやろね…」

 

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