hanulu santa

僕は、20代後半に筋疾患と診断され、早30年。現在電動車椅子で生活。ヘルパーさんにお世…

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僕は、20代後半に筋疾患と診断され、早30年。現在電動車椅子で生活。ヘルパーさんにお世話になりながらの独居生活。2023年後半は、漫画のような不幸の連続。ヘルパの不注意から右大腿骨骨幹部骨折で入院することに。マグロの僕が158日間の入院生活を生き抜く術。入院リアル体験記。

最近の記事

【転院先】

手術後になると、色々な人から「そろそろ転院だねぇ」と言われた。 心の中では、「早く出たいんだけど」と思っていた。 その一方で、次の転院先がもっと酷かったら・・・なんても思った。 心理的には、不安の塊だ。 転院先は、相談員さんが来て「どこの病院を希望ですか?」と聞かれた。 「何処の病院なんてわからないので、系列のリハビリ病院回復期で調整してください。」とお願いした。 この相談員さんは、往診先の病院から現在の病院に転勤したようで僕のことを知っていた。 当初は、とても

    • 【血液型占い】

      僕のリハビリ担当は、PTの黒川さんとOTの細野さん、彼らのお陰で当初60度しか曲がらなかった足が70度まで曲がるようになっていた。 メインはこの2人で黒川さんが休みだと代わりの人が入る時もあった。黒川さんは、2年目で同期が5人いた。黒川さんが休むとその同期の誰かが入ってくれた。 若者達の話を聞きながらのリハビリは、楽しかった。 細野さんは、僕よりちょっと下の方で昭和時代の話や、家族の話、なんでこの仕事に就いたのかとか色々な話をした。とてもユーモアのある人だった。 細野

      • 【ボッチ部屋】

        同室の市川さんも松葉杖で危なっかそうに歩けるようになると退院した。 隣のベッドのおじいちゃんは、最近リハビリを頑張るようになっていた。おじいちゃんの名前を思い出した。確か中村さんだったと思う。 市川さんと僕が必死になってリハビリをやってるのを見て頑張り始めた。 しかし、未だにベッド上で寝そべりながら食事を取っていた。 なんだかんだで、中村さんも僕のナースコールになっていた。 市川さんが退院し3人部屋が2人部屋となった。 中村さんは、すぐ弱音を吐く。 僕にも弱音を

        • 【術後1週間】

          そろそろ抜糸。 と言っても、縫われているわけでもなくホチキスみたいなのでガチャガチャとまってるようである。 これも1週間前にお向かいのベッドの市川さんが先に体験済みで色々話を聞いていたので怖くなかった。 痛みもそれ程無かったと聞いていた。 とは言え、その瞬間が来ると緊張して手に汗もかいていた。 先生が部屋に入って来て何時ものように「体調変わりませんか?今日は抜糸をしていきますからね。」と言った。 患部に貼ったテープを術後、初めて剥がした。恐る恐る見ると膝の上から太

          【第一声は・・・】

          午後は、面会が再開された。お袋と親父と妹が見舞いに来た。 第一声は、「大丈夫なの?」だった。 心配そうな顔だった。 僕の方は、余計なことは言わず「大丈夫」とだけ答えた。 本当は、大丈夫でもなかったが強がった。 感染対策で面会時間は、15分しかなかった。 でも、これぐらいがちょうど良く感じた。 あれこれ聞かれるのも面倒だからである。 ありがたいのだが・・・ ナース達も結構見てるようで「ご家族の皆さん面会に来てましたね~」「妹さん2人いるんですね~」とか入れ替わ

          【第一声は・・・】

          【サイボーグ】

          手術から2日経ち、陰洗時間に導尿のバルーンを引っこ抜いてもらい。完全におむつ生活に戻る。 導尿は、勝手にバルーンに溜まるから楽ちんなんだけど膀胱の機能が衰えるとのことで早く抜きたかった。 骨折の方も無事にサイボーグ?となり、おむつ交換時に転がされる際の激痛も消えた。 相変わらず便秘も3日に1度、夜ピコ舐めて朝食後に浣腸をして出す。ルーティンになった。 この頃になると、おむつも普通になってきた。 病院の調教は、恐ろしい。 術後から喉の調子がすこぶる悪い。喉を焼かれた

          【サイボーグ】

          【リハビリ開始】

          1時半に顔の濃い浅黒い男性が入ってきた。 「本日からリハビリを担当する黒川です。よろしくお願いします。」と言った。 手術の次の日からリハビリが始まった。 「まず患部を見せてください。」と言われ右の大腿骨を見た。当然のことながらテープが張られ見えないのですが、テープの長さから傷の大きさが分かった。 「膝がどのくらい曲がるか見ていきます。痛かったら言ってください。」 測ってもらうと60度だった。 そう言えば骨折した足が痛くないのだ。 あれほど激痛だったのに痛みは何処

          【リハビリ開始】

          【外堀を埋める】

          朝食の配膳が終わり、食事介助(食介)を待つ。 1日ぶりの食事だ。パンではなく、お粥だった。とりあえずお腹が空いていた。 20分ぐらい経つと、脇阪が来た。 朝食の食事介助は、夜勤が担当するからある意味しょうがない。 手術後、手術室の迎えから脇阪が来てハズレなので、早くこの呪縛から逃れたい一心だった。 「何も食べてないからお腹空いたでしょう」と言いながら、お粥の中に食後に飲む薬を入れスプーンで口の中に入れてきた。拒否する余裕もなく入れたのだ。 そして、極めつけは「美味

          【外堀を埋める】

          【術後】

          ストレッチャーで移動中、朦朧とした頭でセルフチェックを行う。 喉が痛い!何故だろうか? 直感でピンときた!きっと挿管されたに違いない。 脇阪に「喉が痛い。挿管されたのではないか?」と聞くと・・・ 脇阪は「手術も長引いたし、されててもおかしくないね」だった。 聞く相手を間違った・・・ それから、ちんちんの先っぽに違和感を感じた。 どうやら寝てる間に、尿道カテーテルを挿入されたようだ。 病室に帰ってくると、違うエアーマットに交換されていた。 今度は時間が経つと微

          【術後】

          【手術日当日】

          手術は、同室の市川さんが1週間前に行っていたのを見て学習済みだった。 と言うことで、怖さはなかった。 市川さんは、「怖かった」と言っていた。 僕は、市川さんのおかげで落ち着いていた。 昨夜の夕食から絶食。 点滴で過ごす。 朝の点滴が終わった頃に術着に着替えさせられた。 10時頃に麻酔科の先生が来て体調だのいろいろ話をしに来た。 手術は、午後1時から3時までの予定とのことだった。 朝食時もそうだったが昼食の配膳時の匂いで腹が空く。 食べられないと思うと余計に

          【手術日当日】

          【20ゲージの点滴針】

          前回の【手術前日】の続き。 確か午後の3時半ぐらいだったと思う。 ナースのみどりさんが1年目の子を連れてきた。「どうしたのですか?」と聞くと「明日、手術でしょ。点滴の針入れなければならないのだけど・・・」と言う。 で、手術で輸血するかも知れないから輸血投与用の注射針を入れなければならないそうだ。 そういえば午前中に別のナースが来て、僕の腕を見てこれは入らないから麻酔科の先生にお願いした方がいいかもね。とナース二人で話して出て行ったのを思い出した。 「午前中、別の人が

          【20ゲージの点滴針】

          【手術前日】

          初の清拭を体験した。 ただただ、拭かれるだけ。拭かれるというよりは、撫でるみたいな感じだった。 隅々までという感じではない。 正直なところ、これで綺麗になるのか?清潔を保てるのか?疑問だった。 やらないよりは、ましか?のレベルだった。 これだと、我が家のヘルパーさん達の方がはるかに優秀だ。まぁ若干例外はいるが・・・ 本当に感謝しなくてはと感じた。 清拭の後は、ベッド上で頭を洗ってもらった。 ベッド上でおむつの大きいサイズを頭の下に敷き、頭にお湯をかけ髪を濡らし

          【手術前日】

          【病院食の裏技】

          前にも書いたが、病院食は美味しくない。 美味しいものもたまには出てくるのだが、全般的に美味しくない。 待ち遠しい昼食もあった。 それは、金曜日。 救いの金曜日だった。 毎週金曜日の昼食は、麺類が出てくるのだ。 中華麺、うどんにそばだ。 どの麺も腰がなく、ポソポソしているが待ち遠しかった。 娑婆に出て食べると間違いなく不味い。 しかし、金曜の麺類の日はとても嬉しかった。 それだけ、食の環境が悪かった。 特に美味しくないのが、白米だ。 どことなく臭い。食べ

          【病院食の裏技】

          【入院して1週間】

          入院生活も1週間が経ち、だいぶこの環境にも慣れてきた。 しかし、足は相変わらずの激痛だ。 特におむつ交換時の体位変換が物凄く痛い。 おむつ交換の時に「痛いからゆっくりお願いします。」 と言っても一瞬で転がされる。 生きながら殺される瞬間だ。 これは、一向に慣れない。 また、風呂に入っていないせいで、非常に頭が痒い! 自分で言うのも何なのだが、きれい好きなのだ。 自宅で一人暮らしを始めて26年ぐらい経つが、風呂に入らないで寝た記憶がない。 それが一週間も風呂

          【入院して1週間】

          「魔法のことば」

          感謝の気持ち「ありがとう」は、国をも超える魔法の言葉である。 フィリピンのケアの人達が病院で働いていると書いたが、彼ら彼女らは良くありがとうと言った。 こっちがお世話になっているのにだ。なんか変な感じだ。 だから僕も・・・ 「こちらこそ、ありがとね~」と言った。 ここからフィリピンの人達と距離が縮まった気がした。 我が家には、中国人のヘルパーが来ていたのだけど、その彼は日本語が堪能ではなかった。だから日本語を教えるのではなく、彼の母国語、中国語を覚えようと思った。

          「魔法のことば」

          【タイミングが大切】

          おむつ事情を話すと病棟全体で一斉に交換に入るのは、早朝5時、陰洗の10時半、午後の3時、午後の8時だった。一部屋一部屋順番に回る。 おむつ交換は、基本おむつを汚したら呼んで交換して貰えるが、これにもタイミングが重要になってくる。 例えば、朝9時過ぎにおむつを汚して変えてほしいと頼むと「わかりました」「ちょっと待ってて」と言われ、放置される。 言葉は悪いが、要は陰洗まで待ってろよ! ・・・放置となる。 これを防ぐには、前後の定例スケジュールの合間を考えて頼むと上手くい

          【タイミングが大切】