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文字中心のKindle本での固定レイアウトに関する読者レビュアーとしての私の考え

私は読書5、書評4、執筆1程度の割合で趣味としてKindle本に関わっています。Kindle本の固定レイアウトについてSNSやレビューで書き込みを目にする機会が多く読者の立場での個人的見解を記事にします。

リフロー型と固定レイアウト型

Kindle本はこの二つのタイプが存在します。

リフロー型は読者が文字サイズや行間を自由に調整できるタイプ
固定レイアウトはページが紙本の様に崩れないタイプ

書く側も読む側も漫画や図のレイアウトが複雑な本は固定レイアウト一択です。

議論になるのは文字中心の本の固定レイアウトに対する読者の意見です。私は正直単に好みの問題と思うのですが賛否あります。本記事では読者側の否定的な意見(感情)にスポットを当てます。

自ら固定レイアウト本を実験的に出版してみた体験

文字中心本の固定レイアウトに関する読者の感情

(1)あからさまな電子書籍頁数稼ぎに対する反感

ツイートやレビューできつい口調の投稿は殆どこれに対する反感だと思います。

多くのレビュアーは元々読書好きで誠実で頑張っているKindle作家さんを応援していた人が多いと思います。その為中身が伴わない作家さんがあからさまに電子書籍で頁数稼ぎをするのにいい思いをしない理屈も理解できます。

この感情が生まれたきっかけは私はSNSやKindle本で以下の様な意見が増えてきたからだと思います。
○電子書籍のマニュアル本で印税アップ売上ランキングアップのテクニックとして読まれた頁数でロイヤリティーが決まる仕組みを利用して頁数稼ぎを推奨する方々が出始めた。更にこれには固定レイアウトが有効と解説され始め固定レイアウト=ページ稼ぎテクニックというイメージが定着してしまった。
○固定レイアウトによる頁数稼ぎ再編集を売りにするKindle編集者プロデューサーも登場した。
○これらのテクニックに対して『やったもん勝ちですね』という作家や編集者の賛同の声を目にするようになった。

これらは作家さんや編集者同士の情報交換です。これ自体は度を過ぎなければ企業努力で良かったのですがあまりにも堂々と相談して堂々と頁数稼ぎをしてそれを讃え合っているので、本当に本が好きな読者達はガッカリしたり、反感を抱いたりしました。私も本好きの読者としてこの感情は理解できます。無料キャンペーンや読みやすい本のテクニックは読者を考えた戦略ですが、読者目線を忘れる作家が出始めたからです。

(2)ターゲットをスマホ読者に絞ることに対する好みでない気持ち

最新型のスマホは端末の基本性能が高く画面の大きさがほぼ同じなのでスマホで読むだけなら固定レイアウトの方が読みやすい場合があるのは確かです。多くの読者が理解しています。

ただ特に年齢が上の世代はスマホでの読書は好まない傾向があります。正直に言えば私もスマホ読書は好きではありません。特に一日中じっくり読書に明け暮れたり、集中して多読や速読をしようとする時にはスマホでの読書はしません。

但し、これは個々の好みの問題でありパンとご飯はどちらが好きかという意見と同じです。本来読者は反感では無く自分の好みに合わなかったと意見を言っていたものが、(1)で抱いた感情と合わさった反感を持つ方が増えている気がします。

(3)せっかく紙本から電子書籍に転向したのにという好み

これも読者にとって完全に好みの問題です。
紙本に慣れ親しんだ世代は電子書籍に転向する際にハードルがありましたが、耳読書、検索機能、レイアウトを自分好みに調整できるといった電子書籍ならではのメリットをようやく使いこなしてきたところです。
これができない固定レイアウトは
『せっかく電子書籍に慣れてきたのに紙本と同じではないか』
という気持ちを抱く読者もいると思います。ただこれもパンとご飯の好みの違いと同じです。

読者、レビュアーとして思うこと

上記(1)の一部のテクニックを信じてあからさまな文字中心の本での頁数稼ぎ本を出版している作家さん編集者さんはたくさん現れますが自然淘汰されている様に見えます。従って見守っていれば良いと思います。

読者目線でレイアウトについて読者目線で誠実に検討している作家さん編集者さんを巻き添えにしてしまい嫌な気持ちにさせてしまっていることの方が問題です。まずは読者側として(1)と(2)(3)を混同しないことが必要と思います。本をちゃんと読めばどちらの本か直ぐにわかります。

固定レイアウトについて誠実に検討されている作家さんのnote記事を下に紹介します。


海外では

作家側にしか開示されていませんが、Kindleは印税率が高いプランは配信料と呼ばれる手数料みたいなものがあります。この配信料は日本はただ同然、海外は固定レイアウト本だと数百円かかります。このため海外では流行らないのだと思います。

最後に

読者側としてはページ数とファイルサイズをチェックして有料購入した本がスカスカの中身だとがっかりしてしまいます。unlimitedに入りとりあえず読みはじめて気いらない本は途中で次の本に移ればこの問題は実質読者としては影響ないと思います。下記からunlimited(読み放題サービス)に入れます。気に入らなけらば一ヶ月以内にやめれば無料です。

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