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実家のリビングで息子とふたり眠る

息子とふたり
実家で2泊3日して帰ってきました。
私の実家はマンションで部屋がいくつもないため
私と息子はいつもリビングに布団を敷いて寝ます。

夜になり先に寝る息子に
家族が「おやすみ」といってリビングから出ていく時間。
ふたりきりになって電気を消す瞬間私はいつも
息子が生まれてからの1ヶ月をここで過ごしたことを思い出すのです。


産後1ヶ月の日々
小さな小さな息子は本当に可愛くて愛しいけれど
その思いの大きさと同じくらい常に怖くて不安で
いつも誰かに一緒にいてほしかった。
息子とふたりきりになるのが怖かった。

だから
「おやすみなさい」を言ってリビングから家族がいなくなる時間
電気を消したマンションの10階はカーテンの外がぼんやり明るくて
ずっと夢の中にいるようで
この世にこの子ことふたり取り残されたような気持ちになった。

人がいる音を感じたくてラジオを小さい音で流していた。
息子の安眠を邪魔しないように。
どうしても息子を布団に置けなかった。
起こすのが怖くて
起こしたあとの泣き声とまた眠るまでのしんどさに向き合いたくなくて
一晩中抱えていた。
母が用意してくれた冷蔵庫の中のイチゴをつまんで小腹を満たして
一晩中浅いうたた寝の繰り返し。1ヶ月毎日。


あれから4年が経ちました。
あの時は確かに『人生でいちんばんダントツでしんどい』と思ったことを覚えているけれど
今思い返すとなんとも不思議な気持ちです。
「しんどかったな〜」という気持ちがいちばんではなくて、
「私だけが覚えている一生忘れない息子との時間だな」と思っています。
もっと最適な言葉をまだ探しきれていません。
それくらいやっぱり特殊な時間だったなと感じています。

布団を並べて眠れるようになった息子の寝顔を眺めながら
これからもずっと探し続けるんだろうな。
『JETSTREAM』のオープニングと
イチゴの味を思い出しながら。


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