はぱまる

文字書きです。基本ROM専。作品は支部に投稿しています。たまにこちらにも投稿します。

はぱまる

文字書きです。基本ROM専。作品は支部に投稿しています。たまにこちらにも投稿します。

最近の記事

朝のコーヒー

「コーヒーばかり飲むなよ」  彼氏にそう言われ、僕は顔を上げる。愛しの恋人さんは、凛々しい眉を寄せ、僕の手元を見ていた。小奇麗な白いカップには、とろりとした黒黒しい液体が注がれている。香り立つそれは僕の好物であった。  起きたてから怒らないでよ、と、揶揄うように僕は笑う。朝六時。小鳥の囀りが聞こえる、心地好い時間帯だ。明るい光の差し込むリビングで、僕はシンプルな作りの椅子に座り、ゆると首を傾げながら恋人を見てる。彼は椅子とセットのテーブルに手を突き、ムッと唇を歪めていた。 「

    • 好物・柑橘類

       ガチャ、と扉が開く。都会に在るには随分とチャチでチンケなように思うボロアパートから、男が一人、出てきた。  細身のその男は、ハア、と溜息を吐き、玄関からカクンと足を踏み出し、そのまま体を出し切ったところで振り返り、扉を閉める。かちゃかちゃと閉めた鍵にはひとつ、失くし難いようにと付けられた蜜柑のキーホルダーが揺れていた。  さて。ヂリヂリと暑いこの真夏日、男が態々出てきたのには訳が有る。欲しい本が在ったのだ。近場の本屋では今日が入荷日と知り、その本がなんとも魅力的なものであ

      • 恋人の死体を処理する話

         久々に恋人の家に行ったら、彼女は死んでいた。  ワンルームのちゃぶ台に突っ伏す彼女を見下ろすと、気付かず頭に乗っていた紅葉がヒラリと一枚舞った。それは水の残るコップのそばに置かれた白魚の手へ落ちた。横には薬の残っていないシートが数枚と空箱がひとつ、散らばっていた。伸ばされた足の横、ご丁寧に古臭い折り方のされた白い手紙が置いてあった。遺書と書かれていた。メッセージで送ってきた「詳しくは後で話す」というのはこれのことか、と思い至り、思わず小さな笑いを零した。  恋人の家に久しく

        • 今日も幸せ!

           パチリ、と目が開く。ベット脇の窓から射し込んでくる日の光に、体を起こしたアヤは目を細めた。 「ん〜! 気持ちい朝! おはよう、わたし!」  グッと伸びをして、アヤは時計を見る。まだ登校まで余裕のある時間。アヤは口角を上げた。 「早起きできた! 嬉しいな!」  アヤのおうちでは、家族みんな集まってリビングで食事をする。食事を作るのは当番制だ。今日の食事当番はアヤの弟だった。 「ん〜、おいしい! さすがわたしの弟!」 「そう……」 「こら、ちゃんとお礼を言わないと」  母親に

        朝のコーヒー

          美味しいエイリアン

           2XXX年XX月XX日。突如現れたエイリアンに日本国は侵略され始めた。  逃げ惑う人類。何もかもを破壊し尽くそうとするエイリアン。言葉は通じないがその動きから目的は文明無きこの星だろうと推測された。  やがて人類は徐々に疲労し、諦めていった。もう無理だ。エイリアンに全てを壊されるしかないんだ。  そんな時、一人の男が帰ってきた。エイリアンの巣に入り込んだ戦闘員だった。  エイリアンを殺し、殺し、殺し。しかし食料も尽き、もうダメだと悟った時。その極限状態の中、エイリアンの死骸

          美味しいエイリアン

          夏休み、神様と出会った

           長期休みはいつも親戚の厄介になる。親が忙しいからだ。一日中小学生の面倒など見てられない。子供を無料で預けられる先が田舎の親戚しかないため必然的にいつもそこ。送り迎えさえも難しいほど忙しいらしく、いつも一人で電車に乗っていく。途中からバスも利用する。そうして着いたエアコンのろくに効かない古屋で、特にすることもなく、ただただ宿題を倒す。ゲームさえも持ってくることを許されず、近所の見知らぬ子供の輪に紛れるコミュ力もなく、畑仕事等でそれぞれ忙しい親戚たちになにかねだれるほどの勇気も

          夏休み、神様と出会った

          神にはなれないさ

           楽しげにからからと笑っている。なにがそんなに楽しいんだろう。 「いいの?」  問いかければ、それは振り返りこちらを見やる。優しげな顔だ。 「なにがかな?」 「アレ。消費、されてるようにも見える」 「ああ、アレか」  納得したように頷き、目を細め息を吐く。 「はは、面白いことを言う。アレは消費か。たしかに、そうとも取れるね」 「取れる、って言うか……、消費じゃないなら、なんなのさ」 「さあ。でも、私は嬉しいよ。どうやら私であるだけで喜んでくれているようだから」 「いやじゃない

          神にはなれないさ

          感想もらった感想書き殴り

           こんにちは! noteで書くのは初めてですね。はぱまるです。  ななななんとマシュマロ見習いちゃんに感想をもらっちゃったのでそれの感想を書こうと思います。いや、気持ちがちょっと昂りすぎて……ね。書いて整理するわ。  Twitterを見てるとマシュマロマガジン編集部のツイートを見つけまして、画像を見て認識した文字列から『あれ……これ、もしかして……』と思ったのです。いやでもまさかと確認してみると本当に自分の作品で、叫びそうになりました。だだだだって送ってはいたけどまさか採

          感想もらった感想書き殴り