ふきを食べよう! 毒を薬に変える食の錬金術
畑のふきを摘もうと思いつつ、なかなか詰む
今年の2月は、忙しく、ほとんど畑に行けなかったので、蕗のとうの時期を逃しました。
でも成長して、ふきのおいしい季節です。
あの時、摘めなかった蕗のとうが今度はふきで、まだ楽しめる事に嬉しくなりました。
早速、何作ろう。
ふふふ…楽しみ…
その前に下処理です。
春のおいしい食材のふきですが、ふきには、自然毒のピロリジジンアルカロイド類が含まれています。
ピロリジジンアルカロイド類は、動物には有毒で肝障害や発がん性があるものもあり、健康に影響を及ぼしたりする一方で、殺菌や消炎作用等があるとされ、湿布薬や下痢止めなどのクスリに利用されているそうです。
また、一部の昆虫では、ピロリジジンアルカロイド類を含む植物を食べたりして体内に取り込み蓄積することで、天敵から身を守ったり、性ホルモンの原料として利用したりしていることがわかっています。
野草は解毒効果が高いと言われていますが、野草自体が実はアク抜きしないと毒素が多い。 毒と薬は紙一重。
少量だと薬になるものも、過剰になると毒となる。
少量の毒を取り入れて、体内の解毒をする。
毒で毒を制す!まさに同種療法!ホメオパシーの原理と同じだ!と思いました。
アルカロイド意外にも山菜や野草、野菜に含まれる、さまざまなな自然毒は、昔から伝統的に行われてきた下処理方法のあく抜きや調理法によって、大きく減らせることが、現在の研究でわかってきています。
ふきに含まれるピロリジジンアルカロイド類は水に溶ける性質があるため、塩もみ、茹でる、水にさらすといったアク抜きにより減らせることがわかっています。
アク抜きは、毒を薬に変える食の錬金術。
では早速、先人の知恵
食の錬金術使ってみましょう!
〈ふきの下処理〉アク抜き
(材料)
塩 ふき全体に行き渡るくらい
大きめの鍋、又はフライパンを用意します。
①
水で洗い鍋に入る大きさに合わせてふきを切り塩を降ります。
※茹でたあと皮をむくので、できるだけ長い方が良いです。
②
両手でのひらでふきを抑え、まな板の上でごろごろ転がすように塩を擦り付けます。(板ずり)
この板ずりで、アク抜きでき、皮もむきやすくなり、ふきの色も美しくなります。
③
鍋にお湯を沸かす間、塩を浸透させます。
沸騰したら、塩がついたまま5分ほど茹でます。
④
冷水に取り、外皮をむきます。
先端に少し爪を入れると、筋状にスルッと向けます
引っ張ってスルスルスル〜
ふふふ…
ヒスイ色の美しい姿になりました。
30分ほど水にさらして、あとは好きな大きさに切ってお料理に使ってください。
ふきのとうはふきよりピロリジジンアルカロイド濃度が高いそうです。これも下処理のアク抜きで減らせ、お味噌と合わせる事で、味噌の解毒効果で毒をおいしく薬に変えているのかも。
私たちも野草とアク抜きで少量の毒を取り入れる事で、昆虫たちのように体内で身体を守る薬やホルモンに変えているのかもしれませんね。
アク抜きは、おいしく、楽しい
毒を薬に変える食の錬金術
アク抜きは、悪抜きなのかもしれません。
毒さえもありがたい。
自然の恵みに
感謝♾合掌
参考
ピロリジジンアルカロイド類毒性について
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