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【コラム】早期退職は「終わり」か?

テレビ局で情報番組を作っていたころ、大事とされていたのは「視聴者に身近かどうか」だった。どんなによくできたVTRでも、その時間にテレビをつけている人に興味のないネタを提供しても見てもらえない。
情報番組では「大事だけど興味持たれないネタ」はボツになるのだ。

だから「身近じゃないけど、みんなに伝えたい大事なネタ」をやりたい場合は、企画書段階から書き方を工夫した。身近な入り口から入って興味を持ってもらい、「実はこんな大事なことが関わっているんだよ」と構成する。

テレビという、気軽にチャンネルを変えられるメディアでコンテンツを作ることで、物事をわかりやすく興味を持ってもらえるよう表現することについてはかなり鍛えられた。

なぜ、こんなこと書いてるかというと。。。
先日投稿したアーリーリタイアについてのコラムが予想以上に「スキ」をもらっているから。

確かに、JICAのことやウルグアイのことよりもアーリーリタイアのことの方が身近だ。私ごときの体験談でも、アーリーリタイアを考えている人にとっては有益な話なんだろうな…とあらためて感じた。

とういうわけで、今後もこの手のコラムも書いていこうと思う。
もちろんJICA海外協力隊やウルグアイの記録がメインなのは変わらないが、商業メディア出身の性で「ウケると続ける」のだ。

会社に未練はあるか?

去年の9月末に早期退職したが、年休の消化などもあり実際に会社に行かなくなったのは去年の6月だった。
5月くらいから同僚やお世話になってた弁護士の方と小さな送別会をしてもらい、胃腸もだいぶ弱った段階で迎えた最終出社日。
事前に想像していた以上に感慨はなかった。
最後のあいさつにしても少しくらい感極まると思っていたのだが、まったくそのようなことはなく、極めて清々しい気持ちで話すことができた。
その後、今に至るまで会社への未練を感じたことは一度もない。

早期退職はある意味、会社人生からの途中退場なので、もう少し感じるところがあるかと思っていたが…
一体なぜだろう。

たぶん、「ただ終わっただけじゃなかった」からだと思う。

「続き」のある終わり方

6月に最終出社日を迎えた後、二度ほど旅に出たりして自由を満喫する一方で、JICAの派遣前訓練に向けていろいろな準備や手続きをこなしていた、
そして、7月半ばから2か月の派遣前訓練。長野県駒ケ根市の訓練所に缶詰めになり、ひたすらスペイン語を勉強する毎日。
それが終わって家に戻ると、もう派遣まで1か月半。
10月末にウルグアイに来て半年。
考えてみれば早期退職はしたものの、そこからも動き続けてきた。
辞めた後に「続き」が待っていたのだ。
もし、これが6月の段階から何もしない状況が続いていたら心境は違ったかもしれない。

懐かしのJICA駒ヶ根訓練所

「続き」なんて何だっていい

もちろん、私のような形だけが「続き」ではないはずだ。例えば、再就職する。勉強する。読書をする。絵を描く。考えてみれば「続き」の方法はいくらでもある。

たぶんそれは内容や頻度の問題ではない。
長時間働いていたサラリーマンの人生の続きが、週に一回の英会話教室でもいいだろうし、毎日の座禅でもいい。
サラリーマン時代に人間関係のストレスに苦しんだ人は、そういうストレスから離れた「続き」を選べばいい。
要は、会社人生に代わる「続き」を生きるという気持ちや価値観をちゃんと持って過ごすことが大事なんじゃないだろうか。

早期退職で終わるのではなく、早期退職から何かが始まり、続くのだ。

まとめ

ウルグアイに来てまもなく半年、環境の変化もあり、「あと1年半、無事に過ごせるだろうか?」と思うこともある。
今までの人生にない新しい世界を生きているから当然だ。
そうした続きを生きている限り、30数年勤めた会社を辞めた後悔、未練は起きないんだろうなという気がする。

早期退職を考えている方、
「続き」って考え方、大事です。

ではまた。

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