実験室での失敗談
それは高校の化学の時間のことでした。
クラスが実験室に移動し、グループに分かれたところで先生が、
「では、ガスバーナーに火をつけてください」と指示。
向かいの友達が元栓を開き、僕が点火する役目でした。
実験テーブルの上には三つ又のガス管があり、ガスバーナ3台同時に使えるようになっていてましたが、その日は1台だけ設置されていました。
当然友達は、ガスバーナが接続されている元栓を開けるべきところを、なにを思ったか、ガスバーナが付いていない元栓を開けたのでした。
不幸にも、その口は僕の方に向いていたので、僕に向かってガスが「シューッ!」と吹き出しました。
「危ない! ガスが広がると、大事故になるかもしれない。」
みんなを守るために僕がとっさに取った行動は、「早めに火をつけてガスが広がらないようにする」でした。
即ち、こっちに吹き出してくるガスに火をつけたのです。
すると、目の前が「ブワッ」と、炎の海に!
まるで、火炎放射器の火を浴びたような感じでした。
慌てて友達が元栓を閉めたので、火は数秒で収まりましたが、そこら中に焼けた髪の独特の臭いが広がりました。
先生が冷静を保って「水で顔洗え」と口早に指示。
それが終わると「保健室へ行け」と言われました。
保健室に向かう途中、下級生の妹分に会うと、目を丸くして
「兄ちゃんどうしたの!! まつ毛大丈夫!!」
そうなんです。前髪の先っちょはチリチリ焦げ、まつ毛も焼けて、触ると先っぽの焼け焦げが落ちました。この絵のように。(大笑)
歩いていても、顔の周りに焦げた臭いが纏わりついていました。
長かったまつ毛(マッチ棒2本は乗った)は、その後、消滅。
思い起こすと、あの時のとっさの判断としては、「火をつける」より「元栓を閉める」が正解だったでしょうね。(笑)
「叱られるかな」と心配しながら家に帰ると、お袋は、
「お前、その顔どうしたの! アハハー!」
と笑ってくれたので助かりました。
しょっちゅう怪我してたので、この程度のことは心配の対象にならなかったのでしょう。
笑いが取れれば万事オーケー!
(まこと)
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