見出し画像

家なし国際夫婦、四万十町に行く

前回の記事でも少し話したのだが、日本に帰国した私たちは、住みたい場所を求めて旅をすることにした。

私たちが最初に訪れた場所は高知県の四万十町。

高知県を選んだ理由は、サーフィン。
旦那さんはまだ初心者ではあるものの、日本に来る前に旅先で訪れたポルトガルやエクアドルでサーフィンを始め、以来すっかりはまってしまったという。
海が近くにあり、山も川もある。私たちの大好きな自然に囲まれた四万十町は私たちにとって最適な場所に思えた。

四万十町では、移住検討者向けにお試し滞在施設を提供しており、事前に申請をすれば、2LDKのアパートに1ヶ月1万円+光熱費と破格の値段で滞在することができる。
私たちはとりあえず1ヶ月滞在させていただくことになった。

お試し滞在施設では、有難いことに、家具だけでなく洗剤、スポンジ、食器、シャンプー、リンスーなど、生活に必要なものが全てが揃っており、身一つで快適な生活を送ることができる。
実際にそこに住むように生活できるため、地域のスーパーで買った地元の食材を使って日々の料理をする、コーワーキングスペースに行って仕事をする、散歩の道中で出会ったご近所さんと挨拶をする、立ち話をするなど、よりリアルに町を知り、そこでの自分たちの生活をイメージすることができた。


そんな風にして一住民として生活を送るうちに、私たちはどんどんこの町が好きになった。


まず、四万十町に来て一番に心を掴まれたことは、人の温かさだ。
かつて大都会のど真ん中に住んでいた私たちにとって、道端で出会った人々と挨拶をする、とびきりの笑顔を返してもらう、もしくは向こうから挨拶をしてもらう、そして、その延長線でちょっとした世間話をするなんてことはとても新鮮だった。
今思えば、都会に住んでいた時は、自分たちのアパートの部屋の隣に誰が住んでいるなんて知らなかったし、気にしたこともなかった。
他人には干渉しない方がいいと思っていたし、自分たちも干渉されることを求めていなかった。
都会生活ですっかりそういう意味での人間らしさを失ってしまっていた私たちだったが、四万十町の人々のおかげで再び人と交流することの喜びや幸せを思い出すことができた。


また、四万十町は、食が豊かなところも魅力の一つだ。
どこのスーパーに行っても必ず一角にはファーマーズマーケットがあり、地元で採れた野菜や果物、芋、きのこ類などを買うことができる。
値段も手頃だし、どれもとても美味しい。白菜や大根一つにしても、煮物や鍋にして食べるとじわーと旨みと優しさが体中に巡ってとても幸せな気持ちになった。
また、野菜だけじゃなくて魚肉類も美味しい。四万十町では四万十ポークが有名で豚肉は安くて美味しいし、魚も地元でとれた鮮度のいい魚を楽しむことができる。


そして、何と言っても海が近い。
四万十町には興津海岸という美しい海岸があるのだが、サーフィンには、車で2〜30分行ったところにある黒潮町の浮鞭海岸に行くことにした。

浮鞭海岸のすぐ近くには、ハタサーフ道場というオーストラリア人が経営するサーフィン教室があり、手ぶらの状態で行ってもウェットスーツとボードをレンタルしてサーフィンを楽しむことができる。私たちの場合は、旦那さんがレンタルを利用し、サーフィン未経験の私はサーフレッスンを受けてみることになった。

正直に言うと、サーフ体験は、すごくやりたくてやったというよりかは、旦那さんが耳にタコができるぐらいサーフィンができる場所に移住したい、サーフィン、サーフィンと言うものだから、そのサーフィンというものがいかなるものかやってやろうぐらいの半信半疑な気持ちで挑戦してみた。
しかし、結果的には、まんまと旦那さんの策略にはまることになった。

オーストラリア人のインストラクターの教えが絶妙に旨いこともあってか、私はすっかりサーフィンの楽しさに魅せられてしまった。
上手く波とリズムが合えば、ヒューと波が岸まで運んでくれる。それはなんだか波が自分と遊んでくれているみたいな感覚で新しい楽しさだった。もちろん波は毎回異なる。だから、上手く行く時もあれば一瞬でけちょんけちょんにされてしまうこともある。でもそれが逆に楽しくて飽きることがない。自然ともっと上手くなりたい、もっとサーフィンがしたいと思うようになった。

そんな私を見て横で旦那さんはニタニタしながら
「もうこれで、サーフィンができるところに移住決定だね。」
と嬉しそうに言ってくる。彼の思い通りになってしまったことに、なんだか悔しい気持ちもあるが、たった1回の体験でサーフィンがすっかり好きになってしまったことは認めざるを得なかった。



こうして、家なしで旅を始めた私たちだったが、人、食、海、サーフィンを楽しむことのできる素敵な四万十町を訪れ、充実した1ヶ月を過ごすことになった。

特に人との交流においては、四万十町で素晴らしい人たちに出会い、癒しと共に今後の人生においてとても良い刺激を得た。

次回は、四万十町での豊かな人々との交流について書いていきたい。

今日もここまで読んでくださってありがとうございます♡



この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?