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[詩]「一人じゃないから。」

夜明け前。


街の雑踏を一人。


広い世界でただ一人。


駅に向かって歩いていく。


不安なことも多いけれど。


不思議と心は安らいでいた。


そうだ。


人間社会の中で生きる

大きな世界のちっぽけな私。


両手いっぱいの孤独感。


それでも。


一人じゃないんだ。


何が出来るかなんて

知らなくても。


自分の価値を知らなくても。


死にたくなくて。


生きていたくて。


今日まで生きてきた。


ただ、一つの思いを胸に。


何度も。


何度も、間違えたけれど。


今まで歩んだ人生は間違ってないと。


そう、信じている。


不安なことも多いけれど。


不思議と心は安らいでいた。


これからも生きていく。


幸せを探しながら。


求めながら。


朝。


駅のプラットホーム。


見送りはない。


後ろを少しだけ振り向いて。


静かに始発電車に乗った。


目的地は遥か遠く。


それでも。


一人じゃないから。


私は進む。


昔へ別れを告げるために。


未来へと向かうために……

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